『勿誤薬室方函口訣』 浅田宗伯著
大黄附子湯
此の方は偏痛を主とす。左にても右にても拘ることなし。胸下も広く取りて胸助より腰までも痛に用ひて宜し。但し烏頭桂枝湯は腹中の中央に在りて夫より片腹に及ぶものなり。此の方は脇下痛より他に引きはるなり。蓋し大黄附子と伍する者、皆尋常の症にあらず、附子瀉心湯、温脾湯の如きも亦然り。凡そ頑固偏僻抜き難きものは皆陰陽両端に渉る故に非常の伍を為す。附子、石膏と伍するも亦然りとす。
『臨床応用 漢方處方解説』 矢数道明著 創元社刊
89 大黄附子湯(だいおうぶしとう) 〔金匱要略〕
大黄一・〇~二・〇 附子〇・五~一・〇 細辛二・〇
〔応用〕
寒によって起こった疼痛を治すのであるが、病は実していて熱状があり、片側の脇下や脚腰に疼痛を発するものに用いる。
本方は主として腎臓結石・胆石症・坐骨神経痛・遊走腎・膵臓炎等に用いられ、また慢性虫垂炎・偏頭痛・肋間神経痛・いわゆる腸疝痛・腸の癒着による疼痛・椎間板ヘルニア・陰嚢ヘルニア・会陰部打撲による尿閉等に応用される。
〔目標〕
脇下や腰脚の片側が、つかえて冷えて実しているため疼痛を発し、便秘していて、脈は緊で弦のことが多く、腹はそれほど緊張や充実はなく、舌には多く苔がある。
〔方解〕
三味より成っている。附子は表裏十二経を温め、寒による痛みを鎮める効果がすぐれている。細辛はよく温めて停水をめぐらし、附子とともに寒と水とによる疼痛を除く。大黄は実を瀉し、血行をよくし疼痛を緩解する。
〔主治〕
金匱要略(腹満寒疝宿食病門)に、「此方ハ実ニ能ク偏痛ヲ治ス。然レドモ特リ偏痛ノミナラズ、寒疝、胸腹絞痛、延テ心胸腰脚ニ及ビ、陰嚢焮腫シ、腹中時々水声アリ、悪寒甚シキ者ヲ治ス。若シ拘攣劇ナル者ニハ、芍薬甘草湯ヲ合ス」とあり、
勿誤方函口訣には、「此ノ方ハ偏痛ヲ主トス、左ニテモ右ニテモ拘ルコトナシ、胸下ニモ広ク取テ、胸助ヨリ腰マデモ痛ムニ用テ宜シ。但シ、烏頭桂枝湯ハ、腹中ノ中央ニ在リテ、夫ヨリ片腹ニ及ブモノナリ。此方ハ脇下痛ヨリ他ニ引ハルナリ」とあり、
餐英館療治雑話には、「積聚疝気一切ノ腹痛殊ノ外切痛ス。積癖顕レ出テ手ニ応ジ、或ハ否ラズ。上ニ攻上レバ嘔ヲナシ、下ニ攻下レバ窘迫甚シク、痢ノ如ク、裏急後重シ、或ハ大便小便共ニ快利セズ、腹満痛シ、イカニモ附子ヲ用ユベキ証ト見エ、小品蜀椒湯、附子粳米湯ノ類用ユレドモ寸効ナキ者、此方ヲ用テ大便快利シテ愈エ、又ハ三日モ五日モ用ユル内ニ、裏急後重除キ治スル証アリ。但シ、大小便不利スルカ、又ハ痢ノ如ク裏急窘迫スルガ標的ナリ。金匱治脇下偏痛其脈沈緊者トアレドモ偏痛ヲ必トセズ。心下又ハ少腹ノ正中ニテ痛ムモノモ、以上ノ標的アラバ用ユベシ、甚ダ効アリ。又腹証奇覧ニ此方ニ芍薬甘草湯ヲ合シ用ユルコトヲイヘリ、拘急甚シキ証ハ芍薬甘草湯ヲ合スベシ。若シ此方ヲ用テ下利セズバ難治ト知ルベシ」とある。
また古方薬嚢には、「脇下偏痛が目的なり。脈は緊弦を目標となす。しかして脇下の偏痛は左あるいは右に現われ、場所も唯脇下に限らず、時には腰にまたは腿にも及ぶものあり。しかし本方は必ず脇下に在り、便は秘する者あり、よく通ずる者もありて一様ならず。一様ならざれども便秘の者を目的とする方が歩多し。熱もはっきり出るものもあり、余り気の付かぬ程度の者もあり、拘り難し。本方は肋間神経痛、肋膜炎、或は坐骨神経痛の如きものに広く使用すべき価値あり、其の他の病にても、若し脇下偏痛があり、脈が緊弦なる者には試みて宜しかるべし。脇下偏痛とは、片方の脇腹が痛むことなり。緊脈とは堅く成てクリクリとする脈なり。弦脈とは楽器のピンと張った糸または弓のつるを撫でたような感じの脈を言う」とある。
〔主治〕
○当帰四逆加呉生106(腰痛腹痛・手足寒冷、腹筋拘急、脈沈細)
○苓姜朮甘湯150(腰痛・腰脚冷却、小便不利、脈沈)
○解急蜀椒湯127(腹痛・蠕動不安、腹鳴)
○附子粳米湯127(腹痛・劇痛、嘔吐、腹鳴、気上衝)
○芍薬甘草湯61(腹痛、腰脚拘急・腹筋攣急、急迫)
〔参考〕
藤平健氏は日東洋医学会誌一二巻三号に、「大黄附子湯に版る諸疼痛の治療経験」と題する研究を発表されている。その投剤目標を「(1)陰証に属する実証で、(2)自覚症状は激しい疼痛、(3)便秘があり、(4)手足の冷えがある。他覚的には、(1)腹力中等度よりやや軟かで、(2)腹筋の拘攣を認めることが多い、(3)脈は緊張のつよいことが多い、(4)老人の便秘で時々強い腸疝痛様の発作のある患者には本方は特効がある」といっている。
細野史郎氏は「漢方の臨床」五巻一〇号で、「芍甘黄辛附湯と胆嚢疾患」と題して、「体格や健康度が中等度以下で、慢性で遷延性の、緩慢な病的反応を現わす胆嚢、または胆道疾患にこの方を用いてよい結果を収めた」四例の報告を行なっている。細野氏の症例では便秘していなかったこと、胆道疾患の場合には発熱もありうるとしている。
著者は五一歳の男子が、膵臓癌で猛烈左胸背痛を発し、一年余苦しみ、痩せ衰えたものに大黄附子湯を用い、やや疼痛の軽快したものがあった。また六〇歳の男、ヘルペスより左肋間神経痛を起こし、年余にわたって激痛に悩んでいたものに芍甘黄辛附湯を用いたが効がなかった。この人の脈は弱であった。
〔治例〕
(一) 坐骨神経痛
五八歳の男子。左側の坐骨神経痛で数ヵ月苦しんでいる。肥満体質で便秘がひどい。大黄附子湯(大黄五・〇グラム)を与え、一日四~五回の下痢があって、疼痛大いに減じ、三週間で全治した。大黄や石膏のような寒薬と、附子のような熱薬とを同時に配した処方は、頑固で動きにくい病気を揺り動かす力を持っている。病気が寒熱にまたがって、治りにくいものにしばしば用いられる。(大塚敬節氏、漢方診療三十年)
(二) 胆石の疝痛発作
平素は頑丈な体質で肉つきも血色もよく、胆石疝痛を起こし、大柴胡湯一服で止まったことがある。一ヵ年後再び胆石疝痛を起こしたので、同じく大柴胡湯を与えたところ、今度は吐いておさまらず、痛みはますます強くなった。体温は三八度、大便は秘結している。
強い痛みのとき脈を診ると緊弦となり、軽い痛みのときは大きい脈になる。
そこで大黄附子湯(大黄一・〇、附子〇・五、細辛〇・五)を一回量として頓服させたところ、五分ぐらいで痛みが楽になり、寝返りができるようになり、便通があって全く疼痛が去った。
同じ患者が同じような病気にかかっても、寒下薬(大柴胡湯)のよいことがあり、温下薬(大黄附子湯)のよいことがある。(大塚敬節氏、漢方診療三十年)
(三) 右上腹部の発作性疼痛
一婦人。右上腹部の発作性疼痛を主訴として来院、数ヵ月前より毎日痛み、背に水をそそぎかけられるような感じがするという。胃痙攣、または胆石症といわれた。発作時以外は訴えがなく、食事も正常、胸脇苦満はなく、腹部は一体に軟弱でやや陥没し、腹直筋の拘攣はない。大便は秘結して三日に一回で硬い。脈は沈小で舌苔はない。大黄附子湯二週間で発作は全くやんだ。 (大塚敬節氏、漢方診療三十年)
(四) 肋間神経痛
七一歳の男子。右側の胸痛を甚だしく訴えて来院。顔色は悪く、貧血している。また足がもつれて歩行が不自由である。脈は洪大、舌は潤っていて苔はない。腹力は中等度で、やや軟かい方である。腹直痛が攣急している。便秘がちで四~五日に一方しかない。大黄附子湯(大黄二・五、附子一・五)を与えたが、経過良好で、服薬二五日で全治した。 (藤平健氏、日東洋医会誌 一二巻三号)
(五) 椎間板ヘルニア
二八歳の男子。腰痛を主訴としてきた。疼痛の程度はそれほど著しくはない。脈は弦でやや細く、舌白苔中等度でやや湿っている。腹力は軟弱の方で、軽い腹直筋の攣急がある。大便は二~三日に一回しかない。そこで大黄附子湯(大黄・附子各一・〇)を与えたところ、経過良好で、前後一二〇日を要したが、腰痛は全く治癒した。 (藤平健氏、日東洋医会誌 一二巻三号)
『和訓 類聚方広義 重校薬徴』 吉益東洞原著 尾台榕堂校註 西山英雄訓訳
九二、大黄附子湯 343
腹絞痛し、悪寒する者を治す。
大黄三両附子三枚(各九分)細辛二両(六分)
右三味、水五升を以て、煮て二升を取り、分ち温めて三服す。(水一合五勺を以て、煮て、六勺を取る。) 「若し強人は煮て二升半を取り、分ち温めて三服す。服して後一服を進む」一の行くこと四五里如りにして。
○胸下偏痛し、発熱し、其の脈緊弦なるは、「此れ寒344なり。温薬を以て之を下す。」(本方に宜し。)
343、此の方は実に能く偏痛を治す。然して特に偏痛のみならず寒疝にして胸腹絞痛し胸腰脚に延及し、陰嚢焮腫し、腹中時々水声あり。悪寒甚だしき者を治す。若し拘攣劇しき者は芍薬甘草湯を合す。
344、寒は水毒を謂うなり。
『類聚方広議広説(45)』 温知堂室賀医院院長 室賀 昭三
■大黄附子湯
次は大黄附子湯(ダイオウブシトウ)です。
大黄附子湯 治腹絞痛。惡寒者。
「大黄附子湯。腹絞痛成、悪寒するものを治す」。
おなかが絞られるように痛んで、寒気がするというのですが、これは熱が出なくても、寒気がしておなかが痛むということです。熱があって寒気がする場合と、あまり痛いと寒気を感じることがあります。
ですから寒気がするほど強い、おなかが絞られるような痛みというようにも解釈できると思います。
大黄三兩附子三我各九分 細辛二兩六分
右三味。以水五升。煮取二升。分溫三服。以水一合五勺。煮取六勺。
『若強人煮取二升半。分溫三服。服後如人行四五里。進一服。』
脇下偏痛。發熱。其脈緊弦。『此寒也。以溫薬下之。』
「大黄三両、附子三枚、細辛(サイシン)二両。
右三味、水五升をもって、煮て二升を取り、分かち温めて三服す。
もし強人は煮て二升半を取り、分かち温め三服す。服して後、人の行くこと四、五里ばかりにして、一服を進む。
脇下偏痛し、発熱し、その脈緊弦なるは、これ寒なり。温薬をもってこれを下せ」。
大黄、附子、細辛を水五升で煮て二升を取り、分温三服するというのは、普通の飲み方と同じですが、もし体の丈夫な人ならば、煮て二升半を取りとありますから、薄く煎じるわけです。この理由はわかりません。服用後、人が四、五里行く頃もう一度飲みなさい、ということです。日本の一里は4kmですが、漢代の一野は約400mといわれていますから、四、五里は1.6~2kmになり、三〇分くらいですから、しばらくしてからもう一度飲みなさい、という指示になるわけです。
次の条文は『金匱要略(きんきようりゃく)』のものです。脇腹が痛んで熱が出て、脈は緊張が強く、弓の弦を張ったようである。弦脈は体の中が冷えていることを意味しているので、これは寒があるのであるから、温める薬の附子と細辛を使い、腹が痛むのは停滞しているものがあるからで、これを大黄で下しなさい、といっているわけです。
頭註を読んでいかます。
「この方は実によく偏痛を治す。しかして特(ひと)り偏痛のみならず、胸疝ににして脇腹絞痛し、心胸腰脚に延及し、陰嚢焮腫し、腹中時々水声あり、悪寒はなはだしきものを治す。もし拘攣劇しきものは、芍薬甘草湯を合す」。
「寒は水毒を謂うなり」。
この処方は実によく腹痛を治す。とくに脇腹の痛みのみならず、冷えによって脇腹が絞痛して心胸腰脚にも痛みが及んでいて、陰嚢が腫れて痛み、腹中に水毒があり、悪寒がはなはだしいものを治すといっています。この場合、悪寒はなくてもよいように思います。もし筋肉の痙攣が強い場合には芍薬甘草湯を合わせて使いなさい、といっています。
寒とは、水毒をいっているのであるということです。寒があると水分が溜まりやすくなって、水毒を伴いやすくなります。芍薬甘草湯を合方して使うと、さらに効果があるというわけです。この処方は時々使われている例をみます。
『勿誤薬室方函口訣解説(80)』 日本東洋医学会評議員 小倉重成
次は大黄附子湯(ダイオウブシトウ)です。薬方は大黄(ダイオウ)、附子(ブシ)、細辛(サイシン)各一、以上の三味を約500mlの水で煎じ、約200mlとし、滓を去り、一日二回分服します。本方証は、『金匱要略』腹満寒疝宿食病篇に出ているものでは、「脇下偏痛、発熱し、其の脈緊弦なるは、此れ寒なり。温薬を以て之を下せ」とあります。
『勿誤薬室方函口訣』には次のように載っています。「此の方は偏痛を主とす。左にても右にても拘ることなし。胸下も広く取りて胸肋より腰までも痛むに用いて宜し。但し烏何桂枝湯(ウズケイシトウ)は腹中の中央に在て夫より片腹に及ぶもの也。此の方は脇下痛より他に引ぱるなり。蓋し大黄附子と伍する者皆尋境の症にあらず。附子瀉心湯(ブシシャシントウ)、温脾湯(ウンピトウ)の如き亦然り。凡そ頑固偏僻(片寄っている)抜き難きものは皆陰陽両端に渉る故に非常の伍を為す。附子石膏(セッコウ)と伍するも亦然りとす」とあります。
附子とセッコウが一緒になっているものには、たとえば桂枝二越婢一湯加朮附などはその一例になると思います。これはよくリウマチなどに用いられます。片側と書いてありますが、臨床経験からは、必ずしも片側痛でなくてもよい場合が多くあります。烏鳥桂枝湯も腹の中央部の痛みといっておりますが、これも必ずしもそうではありません。慢性関節リウマチ、三叉神経痛、腰痛などにも用いられることがあります。
病位は太陰の位で実証であります。脈候は緊弦、あるいはやや沈緊、または緊、あるいは少しく数、舌候は著変がありません。腹候は著変はありませんが、やや力があります。
応用の勘どころは、側胸部、側腹部、もしくは腰脚部等の寒冷疼痛、脈緊弦、便秘傾向、下肢寒冷等が考えられます。
鑑別としては、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)は、冷えのぼせと腹痛、自汗、易疲労はありますが、便秘はありません。附子瀉心湯(ブシシャシントウ)は便秘、全身の冷え、心下痞があります。桂枝加大黄湯(ケイシカダイオウトウ)は便秘のほかに、腹満、腹痛を伴います。
応用としては腰痛、座骨神経痛、腸の疝痛、胆嚢炎、腎結石、肋間神経痛、腎盂膀胱炎、慢性虫垂炎、膝関節炎、慢性関節リウマチなどに用いられます。一例経験として、座骨神経痛の激痛で、歩行不能の老婆に、本方と芍薬甘草湯との合方を用い、回虫と絛虫が二日にわたり便所を白くうずめつくすほど出て、疼痛が快癒した経験があります。
【一般用漢方製剤承認基準】
〔成分・分量〕 大黄1-3、加工ブシ0.2-1.5、細辛2-3
〔用法・用量〕 湯
〔効能・効果〕 体力中等度以下で、冷えて、ときに便秘するものの次の諸症: 腹痛、神経痛、便秘
【添付文書等に記載すべき事項】
してはいけないこと
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
1.次の人は服用しないこと
生後3ヵ月未満の乳児。
〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕
2.本剤を服用している間は、次の医薬品を服用しないこと
他の瀉下薬(下剤)
3.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること
相談すること
1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)。
(4)胃腸が弱く下痢しやすい人。
(5)のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人。
2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
関係部位 症 状
消化器 はげしい腹痛を伴う下痢、腹痛
その他 動悸、のぼせ、ほてり、口唇・舌のしびれ
3.服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
下痢
4.1ヵ月位(腹痛、便秘に服用する場合には5~6日間)服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
〔用法及び用量に関連する注意として、用法及び用量の項目に続けて以下を記載すること。〕
(1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させること。
〔小児の用法及び用量がある場合に記載すること。〕
(2)〔小児の用法がある場合、剤形により、次に該当する場合には、そのいずれかを記載すること。〕
1)3歳以上の幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注
意すること。
〔5歳未満の幼児の用法がある錠剤・丸剤の場合に記載すること。〕
2)幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意すること。
〔3歳未満の用法及び用量を有する丸剤の場合に記載すること。〕
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3)1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ
服用させること。
〔カプセル剤及び錠剤・丸剤以外の製剤の場合に記載すること。なお、生後3ヵ月未満の用法がある製剤の場合、「生後3ヵ月未満の乳児」をしてはいけないことに記載し、用法及び用量欄には記載しないこと。〕
保管及び取扱い上の注意
(1)直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること。
〔( )内は必要とする場合に記載すること。〕
(2)小児の手の届かない所に保管すること。
(3)他の容器に入れ替えないこと。(誤用の原因になったり品質が変わる。)
〔容器等の個々に至適表示がなされていて、誤用のおそれのない場合には記載しなくてもよい。〕
【外部の容器又は外部の被包に記載すべき事項】
注意
1.次の人は服用しないこと
生後3ヵ月未満の乳児。
〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕
2.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること
3.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)。
(4)胃腸が弱く下痢しやすい人。
(5)のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人。
3´.服用が適さない場合があるので、服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
〔3.の項目の記載に際し、十分な記載スペースがない場合には3´.を記載すること。〕
4.服用に際しては、説明文書をよく読むこと
5.直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること
〔( )内は必要とする場合に記載すること。
大黄:下痢・腹痛・食欲不振の症状が現れることがあります。
附子: 動悸・のぼせ・舌や口周囲のしびれ・悪心・嘔気・嘔吐・呼吸困難、などの症状が出現することがあります。