健康情報: 柴梗半夏湯(さいきょうはんげとう)  の 効能・効果 と 副作用

2012年10月8日月曜日

柴梗半夏湯(さいきょうはんげとう)  の 効能・効果 と 副作用


【一般用漢方製剤承認基準】
柴梗半夏湯(さいきょうはんげとう)〔成分・分量〕 柴胡4、半夏4、桔梗2-3、杏仁2-3、栝楼仁2-3、黄芩2.5、大棗2.5、枳実1.5-2、青皮1.5-2、甘草1-1.5、生姜1.5(ヒネショウガを使用する場合2.5)

〔用法・用量〕 湯

〔効能・効果〕 体力中等度以上で、かぜがこじれたものの次の症状:
腹にひびく強度のせき



 『改訂3版 実用漢方処方集』 藤平 健、山田光胤/監 日本漢方協会/編 じほう社刊
柴梗半夏湯(医学入門)

効能効果
 こじれた風邪で脇腹にひびく咳。柴陥湯は胸に響く咳で胸痛を伴うのが特徴だが、本方は脇腹あるいは腹に響く咳で鑑別する。(中田敬吾先生談)    

成分 柴胡4 半夏4 桔梗3 杏仁3 瓜呂仁3 黄芩2.5 大棗2.5 枳実2 青皮2  甘草1.5 生姜1.5

勿誤薬室方函口訣』 浅田宗伯著
柴胡枳桔湯
 此の方は結胸の類症にして、胸脇痛み、咳嗽短気、寒熱ある者を治す。此の類に三方あり。胸中より心下に至るまで結痛する者を柴陥湯とす。胸中満して痛み、或は肺癰を醸さんとする者を此の方とす。また両脇まで刺痛して咳嗽甚だしき者を柴梗半夏湯とす。世医は瓜蔞枳実湯を概用すれども、此の三方を弁別するに如くはなし。

柴梗半夏湯
 此の方は『蘊要』の柴胡枳桔湯に青皮、杏仁を加ふる者なり。枳桔湯の症にして、咳嗽甚だしき者に用ゆ。 


勿誤薬室方函口訣解説(35)』 寺師睦宗
柴梗半夏湯
 次は柴梗半夏湯で、『医学入門』に記載してある処方です。『方函』は「発熱して咳嗽し、胸満し、両脇が針を刺すように痛むものを治す。これは邪熱が、痰を胸の中に挟んで攻めるからである」とあります。内容は、柴胡、桔梗、半夏、黄ごん、枳実、青皮、瓜呂仁、杏仁、甘草、大棗、生姜の十一味です。
 『口訣』は「この方は『蘊要』の柴胡枳桔湯に青皮、杏仁を加えたものである。枳桔湯の症で咳嗽の甚だしいものに用う」とあります。柴胡枳桔湯は、小柴胡湯方中より人参、大棗を去り、瓜呂仁、枳実、桔梗を加えたもので、したがって、柴胡、黄ごん、甘草、生姜、半夏、瓜呂仁、枳実、桔梗ということになります。
 この柴胡枳桔湯の『方函』には、「小結胸、脈は弦数、口は苦く、心下硬痛し、あるいは胸中満硬、あるいは脇下満硬、あるいは発熱、あるいは夕方に潮熱、あるいは往来寒熱し、耳聾し、めまいするものを治す」とあります。
 また『口訣』は「この方は結胸の類症で、胸脇が痛み、咳嗽、短気、寒熱あるものを治す。この類に三方あり。胸中より心下に至るまで結痛するものは柴陥湯とする。胸中満して痛み、あるいは肺癰の出るものは柴胡枳桔湯とする。両脇まで刺痛して咳嗽の甚しいものは柴梗半夏湯がよい」といっております。
 このように結胸の類には柴陥湯、柴胡枳実桔梗湯、柴梗半夏湯があります。この処方を使ったことがありませんから、何とも申し上げられません。



東醫寶鑑』 (東医宝鑑) 
柴胡2銭、瓜蔞仁・半夏・黄芩・桔梗各1銭、青皮・杏仁各8分、甘草4分、姜3片 水煎服。

『漢方処方集』 竜野一雄著 中国漢方刊
柴胡・半夏各4.0g、桔梗・杏仁・瓜蔞仁各3.0g、黄芩・大棗各2.5g、枳実・青皮各2.0g、甘草1.5g、干姜1.5g《医学入門》



気管支喘息・気管支炎・肺気腫に応用