健康情報: 神仙太乙膏(しんせんたいつこう) の 効能・効果 と 副作用

2012年10月14日日曜日

神仙太乙膏(しんせんたいつこう) の 効能・効果 と 副作用

【一般用漢方製剤承認基準】
神仙太乙膏(しんせんたいつこう)
〔成分・分量〕 当帰1、桂皮1、大黄1、芍薬1、地黄1、玄参1、白芷1、ゴマ油30-48、黄蝋12-48

〔用法・用量〕 外用

〔効能・効果〕 切り傷、かゆみ、虫刺され、軽いとこずれ、やけど





訓註和剤局方』 陳師文編纂 吉富兵衛訓註 緑書房刊

八発擁疽, 一切の悪瘡軟痛を治す。年月の深遠を問わず, 已に膿を成すにも, 未だ膿を成さざるにも,之を貼れば即ち 効あり。蛇,虎,蜴,犬.湯火,刀斧に傷付けられるに,並びに内服,外貼すべし。背に発するには,先ず温水を以て瘡を洗い,拭き乾かし,吊子 を用い薬を灘げ貼り,傍,水を用いて一粒を下す。血気には,木通酒にて下す。赤白帯下は当帰酒にて下す。咳漱・喉閉・纏喉風には,並びに綿に裏み含み化す。一切の赤眼には,太陽穴に貼 り,後に山楯子湯を用いて下す。打撲傷損には,薬を貼り,傍, 橘皮湯を用い下す。腰膝痛には,之を貼り,塩湯にて下す。唾血には,桑白皮湯に て下す。諸漏には,先ず塩湯を以て其の諸瘡痴を洗う。並びに大小を量り,紙を以て薬を灘げ之を 貼り,並びに毎服一粒。桜桃大に旋円し,蛤粉を以て衣と為す。其の薬は十年を収めても壊れざるべし。愈久しく愈烈し,神効具に述ぶべからず。
川当帰(去藍), 玄参, 肉桂(去粗皮), 生乾地 黄, 赤右薬, 白苗, 大黄各一両
上七味を到み松子大の如くし, 麻油二斤を用い て浸すこと, 春は五日, 夏は三日, 秋は七日, 冬 は十日澤を濾し去り, 油熱して所を得せしめ, 次 に黄丹一斤を下し, 以て油を滴らして水中に在り て散ぜざるを度となす。


一般用漢方製剤承認基準では、外用となっていますが、
原典である和剤局方では、外用のみならず、
内服の方法も書かれています。

また、もともとは、硬膏ですが、
現在市販されているものは、軟膏になっています。



既存の神仙太乙膏
製造販売元 メルスモン製薬株式会社
商品名:タイツコウ

使用上の注意
 [相談すること] 
①次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談してください。 
1.医師により治療をうけている人 
2.本人又は家族がアレルギー体質の人 
3.今までに薬や化粧品等によるアレルギー症状(例えば、発疹・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人 
4.湿潤やただれのひどい人 
5.傷口が化膿している人 
6.患部が広範囲の人 

②次の場合は、直ちに使用を中止し、この文書を持って医師または薬剤師に相談してください。 
1.使用後、次の症状があらわれた場合 

 関係部位     症状
 皮ふ  発疹、発赤、かゆみ

 2. 5-6日間使用しても症状の改善がみられない場合  

【効能・効果】  
きりきず(切傷)、虫さされ(蚊傷)、とこずれ(褥瘡)、やけど及びその他の肉芽形成(火傷)  

【用法・用量】  
外用、適量を患部に塗布する。  

(用法及び用量に関連する注意)  
(1)小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させてください。 
(2)目に入らないように注意して下さい。万一目に入った場合には、すぐに水又はぬるま湯で洗ってください。 なお、症状が重い場合には、眼科医の診察を受けてください。 
(3)外用にのみ使用してください。  

【タイツコウ軟膏はこのようにご使用ください。】  
(1)患部を清潔にしてから、1日2-3回皮膚をいためないように静かに塗布してください。 
(他の軟膏剤のように患部にスリ込むのではなく、患部の上に置いておくといった感じでご使用ください。) 
 (2)患部の傷口、はれがひどい場合は、患部をつつみこむように厚めに塗るか、ガーゼに塗って患部にはって下さい。 
(3)直射日光下で使用の際、日やけするおそれがありますので患部をガーゼ等でおさえてご使用ください。  

【成分・分量】 
103g中 
トウキ、ケイヒ、ダイオウ、シャクヤク、ジオウ、ゲンジン、ビャクシ:各1g 
ゴマ油、ミツロウ:各48g   

【保管及び取り扱い上の注意】
 1.高温・直射日光をさけ、なるべく湿気の少ないなるべく涼しい所に、必ず密栓して保管してください。 
2.小児の手のとどかない所に保管してください。 
3.誤用をさけ、品質を保持するため、他の容器に入れかえないようにしてください。 
4.本剤は生薬(薬用の草根木皮)を用いた製品ですので、製品により、軟膏の色調が多少異なる事がありますが、効果に変わりありません。  

【製造販売元】
メルスモン製薬株式会社 
〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目39番1号 堀越ビル3階
048-223-1755(代表)


『漢方薬の選び方・使い方』 木下繁太朗著 土屋書店刊
神仙太乙膏
症状
広く万能的に使え効果があるところから、神仙の名がついたもので、家庭常備薬として便利なものです。消炎、鎮痛、解毒、肉芽形成作用があって、外傷、やけど、虫刺されをはじめ、広く皮膚疾患に応用します。患部に直接塗るか、ガーゼなどにのばして貼ります。制菌作用があるので、擦り傷、軽い切り傷にも使えます。

適応
やけど(第一、二、三度を通じて使えます。)外傷(切り傷、擦り傷)、虫刺され(かゆみが止まります)、打撲、打ち身、捻挫(布にのばして貼る)、瘭疽(布にのばして貼っておく)、湿疹、口内炎、歯槽膿漏(口の中にも塗れる)、結膜炎、鼻炎、口角炎、下腿腫瘍、褥瘡(とこずれ)。

【処方】胡麻油480ml。蜜蠟480ml。
     当帰(とうき)、桂皮(けいひ)、唐大黄(とうだいおう)、芍薬(しゃくやく)、玄参(げんじん)、熟地黄(じゅくじおう)、白芷(びゃくし) 各10g。