健康情報: 奔豚湯(肘後方)(ほんとんとう・ちゅうごほう) の 効能・効果 と 副作用

2012年11月7日水曜日

奔豚湯(肘後方)(ほんとんとう・ちゅうごほう) の 効能・効果 と 副作用

一般用漢方製剤承認基準
 奔豚湯(肘後方)(ほんとんとう・ちゅうごほう)
〔成分・分量〕 甘草2、人参2、桂皮4、呉茱萸2、生姜1、半夏4
〔用法・用量〕 湯
〔効能・効果〕 体力中等度以下で、下腹部から動悸が胸やのどに突き上げる感じがするものの次の諸症:
発作性の動悸、不安神経症


 『勿誤薬室方函口訣』 浅田 宗伯著
 奔豚湯(肘後)
  此の方は前湯の熱候なき処へ用ゆ。且つ虚候あり。方中の呉茱萸、一切気急ある者を治す。『腹症奇覧翼』には積聚の套剤とす。故に一切の積気に因りて下より心下に升り、痛み、或は嘔し、呼吸短気、死せんと欲するを治す。


勿誤薬室方函口訣解説(115)』 三谷和合
奔豚湯(肘後)
 次の『肘後方』の奔豚湯(ホントントウ)は、桂枝(ケイシ)、半夏(ハンゲ)、人参(ニンジン)、呉茱萸(ゴシュユ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)の六味で、「卒に厥逆上気する者を療す。また気、両脇をはさみ、心下痛満し、淹淹(えんえん)として(いつまでもじっとしていて)絶えんと欲するは(死ぬような思いをしているのは)奔豚病」であり、この薬方がよいわけです。
『外台秘要』に千金奔豚湯がありますが、薬味は同じで、症候として「火気が胸臍中に上奔する諸病、発する時毎に、迫満、短気、臥するを得ず、劇しきものは便ち悁として(心が縮んで晴れない)死せんと欲し、腹中冷え、湿気、腹鳴、相逐うて(順に従って)結気となるを主る」とあります。『金匱』の奔豚湯に比べますと、熱症のない場合に与えます。
 薬味からみますと、「吐利、厥冷、煩燥して死せんと欲す」、あるいは「乾嘔、涎沫を吐し、頭痛する者」に与える呉茱萸湯(ゴシュユトウ)と、「上衝、急迫する者を治す」桂枝甘草湯の合方の意味になります。こうした奔豚病は、気うつ、肝うつより起こることが多く、胸満のつよい場合は、柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)の主治するところです。また臍下にとくに動悸がつよく、心胸部に上衝し、呼吸短促する場合には苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)あるいは苓桂甘棗湯(リョウケイカンソウトウ)の主治するところです。苓桂甘棗湯は「臍下悸し、奔豚を作さんと欲す」とあり、奔豚の病状に似て、奔豚発作の前兆で未だ作さざる場合に与えます。「気、少腹より心に上衝し、奔豚をきたした場合は」桂枝加桂湯の主治です。いずれも奔豚湯との鑑別が必要です。
 以上はいずれも陽症ですが、陰症では、たとえば真武湯(シンブトウ)の心下悸、頭眩、身瞤動するもの、四逆湯(しぎゃくとう)の裏寒外熱するもの、いずれも動悸は臍上より心下にせまるものがありますが、奔豚が主訴になることは少ないといえます。

悁:えん

症例から学ぶ和漢診療学 第3版』
右肩甲間部痛と頭痛に肘後方・奔豚湯










メモ
交通事故後から腕や肩、首の痛みがひどく頭痛もするという患者さんに、
肘後方の奔豚湯加減と鍼灸を併用

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