初期の症状は、息切れ、しつこい慢性の咳や痰などがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などです。ありふれた症状ですので、年齢のせいだと思い込み、見過ごされやすいそうです。、 国内の有病者は530万人とも推定されていますが、実際に治療を受けている人は、22万人で、未診断・未治療の患者が多いとされています。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断で重要なのが、肺活量やスパイロメトリーと呼ばれる呼吸機能検査です。ただ、一般の開業医では呼吸検査の関心が低いため普及率が低く、COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断の遅れにつながっていると言われています。
日本呼吸器学会では、分かりにくいスパイロメトリーの指標をもとに算出でき、国民にもなじみやすい指標として「肺年齢」(はいねんれい)を導入し、普及に努めています。
スパイロメトリーの検査には、スパイロメーターという検査機器が必要ですが、それほど高価でもなく、持ち運びに便利なタイプもあるようです。
血圧計を備える家庭も増えてきていますので、同様にスパイロメーターも備えてはいかがでしょうか?
スパイロメトリーの検査は、スパイロメーターを用い、最大限に息を吸えるだけ吸い、それを思い切り強く吐き出した空気の最大量「努力肺活量」(FVC)と、最初の1秒間に吐き出せる空気の量「1秒量」(FEV1)を測定し、「1秒量」を「努力肺活量」で割った「1秒率」(FEV1%)を算出します。 この1秒率が70%未満の場合は、COPDの可能性があります。
COPDチェックという所では、八つの質問(年齢、煙草の数、症状など)に答えることによって、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のチェックを行うこともできます。
http://www.spinet.jp/copd05_ch.html
スパイロメトリー検査ができない場合、次善の作としてチェックしてみてはいかがでしょうか?
近年、COPD(慢性閉塞性肺疾患)は世界中で増加の一途をたどっており、今後も増え続けると予測されています。
日本での患者率については、2000年に行われた調査では、40歳以上の男女のうち8.6%の人がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の疑いのあることがわかりました。
年齢別にみると、70歳以上の高齢者が最も多くなっています。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の一番の原因(約90%)はタバコ(煙草)と言われていてます。、喫煙者、喫煙歴のある人、更には自信では吸っていなくても、家族が吸うことによる受動喫煙も原因になり易いようです。
タバコの煙には、非常に多くの化学物質(約4,000種とも言われます)が含まれ、この中の有害な化学物質が、気管支や肺を傷つけることにより、肺胞がこわれたり気管支に炎症が起きたりして、COPD(慢性閉塞性肺疾患)になると考えられています。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療は、気管支拡張薬(抗コリン薬、β2刺激薬、テオフィリン等)が基本となります(抗コリン薬>β2刺激薬>テオフィリン)。
咳(せき)や痰(たん)に用いる漢方薬方としては、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、柴朴湯(さいぼくとう)、桂麻各半湯(けいまかくはんとう)、桂枝二越婢一湯(けいしにえっぴいちとう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)、竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)などが用いられます。茯苓甘草湯(ぶくりょうかんぞうとう)が意外に効くこともあるそうです。
症状 | 麻杏甘石湯 | 越婢加半夏湯 | 柴朴湯 | 小青竜湯 | 桂麻各半湯 | 桂枝二越婢一湯 | 柴胡桂枝湯 | 桂枝加厚朴杏仁湯 | 麦門冬湯 | 竹葉石膏湯 | 苓甘杏味辛夏仁湯 | 麻黄附子細辛湯 |
尿の出が悪い |
○
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△
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○
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食欲不振 |
△
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○
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頭痛・頭重 |
○
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◎
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◎
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△
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◎
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悪寒・発熱 |
○
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◎
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◎
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◎
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◎
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汗をかきやすい |
◎
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○
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△
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○
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○
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◎
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○
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体がだるい |
◎
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○
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◎
| ◎ | ||||||||
疲れやすい |
◎
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○
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○
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○
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顔色が悪い
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◎
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◎
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肩凝り・首や背中が張る
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△
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○
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のどがゼ―ゼ―する
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○
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○
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○
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○
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のどがチクチクする
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◎
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◎
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◎
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咳が出る
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◎
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◎
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◎
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○
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○
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○
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◎
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◎
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◎
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◎
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◎
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薄い痰が多く出る
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◎
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◎
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○
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濃い痰が多く出る
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◎
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○
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口・のどが渇く
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◎
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○
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○
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△
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◎
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口の中が粘つき、苦い
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◎
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◎
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体力を付ける目的で、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、八味丸(はちみがん)(別名:八味地黄丸(はちみじおうがん)、腎気丸(じんきがん))、茯苓四逆湯(ぶくりょうしぎゃくとう)なども用いられます。