腎臓は、肝腎要(かんじんかなめ)と言われるように、非常に重要な臓器ですが、
余り認識されていないようです。
痛い、ツライなどの症状が少なく、気が付いた時にはかなり症状が進んでしまっていることも多いようです。
慢性腎臓病(CKD)の患者数は国内で1300万人以上と推定され(2008年)、まさに国民病となってきています。
さらに、心筋梗塞を起こした人の約2/3が、この慢性腎臓病(CKD)であるとの報告もあり、今後腎臓の重要性が再認識されるかもしれません。
昔から腎臓病に良いと言われる民間薬は色々とあります。
ただ、現代医学的に見て、効果があるかどうかは不明なものもありますので、
用いる際は、必らず医師や薬剤師などの専門家に相談してから試して下さい。
ただ、全ての医師や薬剤師が漢方薬や民間薬に詳しいとは限りませんので、
その点は充分注意して下さい。
腎臓病は浮腫(ふしゅ;むくみ)と関わりが深いので、腎臓病に用いられる民間薬や漢方薬は、浮腫を目標に使われることもあります。更には、腹水にも利用されることもあります。
癌による腹水(癌性腹膜炎による腹水)もご参考下さい。
1.土筆(つくし)
・旬(しゅん)にはお浸し(おひたし)などで食べる。
・陰干し(かげぼし)したものを、一日六匁(22.5g)くらい煎じて、お茶代わりに飲む。
2.甘茶(あまちゃ)
一握り(ひとにぎり)を五六合(900~1,080mL)の水に入れて半量ほどに煎じ出し、お茶代わりに飲む。
3.山牛蒡(やまごぼう)の根 生薬名:商陸(しょうりく)
山牛蒡(やまごぼう)の根(商陸(しょうりく))は、強力な利尿剤
干したもの一匁(約3.75g)を一合五勺(270mL)の水に入れ一合(約180mL)に煎じ詰め、一日三度に分けて飲む。
ただし、妊娠時は流産の虞れがあるので、注意(使用しないほうが良い)
山牛蒡の嫩葉(わかば、若葉)をお浸し(おひたし)にして食べても良い。
4.西瓜(すいか)
生のものを食べるのが最も効く
季節はずれには西瓜糖(すいかとう)(スイカの汁をどろどろに煮詰めたもの)を一日に一匁(約3.75g)ずつ三回、湯に溶かして服用。
5.玉蜀黍(トウモロシ)と桜桃(サクランボ)
玉蜀黍(トウモロコシ)の毛と、桜桃(サクランボ)の柄(え) 一掴み(ひとつかみ)ずつを、一合(約180mL)の水で半量に煎じ、お茶代わりに飲む。
桜桃(さくらんぼ)を食べる時は、柄を大切に取って置きましょう。
6.漢防已(オオツヅラフジ)
漢防已(オオツヅラフジ)一握りを二合(360mL)の水で一合(180mL)に煎じ、お茶代わりに飲む。
7.桑の木(クワノキ)+甘草(カンゾウ)
桑の木を皮ごと鰹節削り(かつおぶしけずり)で削(けず)り、これを一握りと甘草(かんぞう)少々に、二合(360mL)の水を加えて一合(180mL)に煎じ、お茶代わりに飲む。
8.やがらの嘴(くちばし)
やがら(一種の魚)の長い嘴(くちばし)を陰干ししておき、これを濃く煎じ出して飲む。
【参考】ヤガラ
硬骨魚綱ヨウジウオ目ヤガラ科Fistulariidaeの海水魚。
日本の沿岸には、アオヤガラFistularia pentimbaとアカヤガラF. commeysoniiがいる。
主に食用にするのはアカヤガラ。
肉は淡泊でお吸い物の種や煮魚などに使われます。刺身もおいしいそうです。
『本朝食鑑(ほんちようしよくかん)』(1697)にも記載有。
9.玉蜀黍(トウモロコシ)と接骨木(ニワトコ)と芭蕉(バショウ)の根
玉蜀黍(トウモロコシ)、接骨木(ニワトコ)、芭蕉(ばしょう)の根を、各五匁(約18.75g)ずつ一緒にして、水一合(180mL)~二合(360mL)を加え、半量になるまで煎じる。
10.きささげ(梓実(しじつ))
きささげ(梓実(しじつ))とハブ草を約十五匁(約11.25g)ずつに甘草(かんぞう)一二匁(約3.75~7.5g)加えて、三合(540mL)の水で半量に煎じる。
11.芥子(からし)の腰湯(こしゆ)
座って入れるくらいの大きさの盥(たらい)に、お湯を満たし、芥子(からし)の粉を一摘み(ひとつまみ)ほど入れて、よくかき混ぜ、着物を端折って座り、周囲に毛布を掛けて温かくし、腰を充分温める。
これを一日に一回くらいずつ毎日続けると、知らず識らずのうちに治る。
12.牛の腎臓(じんぞう)の煎汁(せんじゅう)
牛の腎臓(じんぞう)一個を一升(1.8L(1,800cc))の水で五合(900mL)くらいに煎じ、これを一日分としてお茶代わりに服用。
13.牛蒡(ごぼう)と蝮(まむし)の黒焼き
牛蒡(ごぼう)の黒焼き八にに蝮(まむし)の黒焼きを二の割合で混ぜ、一日二回、一回分に六分くらいずつ服用。
14.田螺(たにし)と蕎麦粉(そばこ)
田螺(たにし)の殻(から)を去って、蕎麦粉(そばこ)を振りかけると、どろどろと融けます。これを布か日本紙にのべて、お臍(へそ)の下に貼(は)っておき、乾いたらその度に貼り替えます。
15.田螺(たにし)と蝮(まむし)の黒焼
田螺(たにし)約八個と、蝮の黒焼き一匁(約3.75g)を、よく練(ね)り合わせて、日本紙にのべ、臍(へそ)の下に貼り付けます。
16.田螺(たにし)と饂飩粉(うどんこ)
田螺(たにし)を擂鉢(すりばち)ですり、饂飩(うどん)粉でねっとりするくらいに練(ね)り、臍(へそ)の下二寸(約6cm)ほどの所につける。
17.連銭草(れんせんそう、カキドオシ)
陰干しした連銭草(れんせんそう、垣通(かきどおし))一掴み(ひとつかみ)を水三四合(540mL~720mL)に入れ、三分の二くらいに煎じて飲む。
18.石南花(しゃくなげ、石楠花)の葉
石南(しゃくなげ)の葉三~四枚を三合(540mL)の水に入れ、可能であれば木斛(もっこく)の葉も二~三枚入れて、二合ほどに煎じ、お茶代わりに用いる。
葉は一度きりで捨てずに暫く(しばらく)は毎日二枚くらいずつ足しながら用いて良い。
19.枇杷の葉(びわのは)
枇杷(びわ)の生葉(なまば)四~五枚を、洗わずに乾いた布巾(ふきん)できれいに拭(ふ)いて土瓶(どびん)に入れ、水四合(720mL)ほど注(さ)して弱火で半分くらいに煎じ詰め、食前でも食後でも、時を選ばず持薬(ぢやく)に用いると、腎臓病、殊(こと)に老人の萎縮腎(いしゅくじん)や慢性腎臓炎(まんせいじんぞうえん)に著効がある。
20.西瓜の種(すいかのたね)
西瓜の種を丹念に洗って乾して貯えておき、大匙(おおさじ)一杯(いっぱい)を土瓶に入れ、水三合(540mL)を加えて二合(360mL)に煎じ、その汁をそのままか、砂糖で味加減するかして、一日に数回飲む。
21.玉蜀黍(とうもろこし)
玉蜀黍(とうもろこし)の毛を一掴み(ひとつかみ)ずつ煎じて、毎日飲む。
毛ばかりでなく、実も芯(しん)も効果有。
毛や実や芯を一緒に刻(きざ)んだもの紅茶茶碗一杯に、水三合(540mL)を入れ、弱火(とろび)で半量に煮詰め、お茶代わりに飲んでも、殊に萎縮腎(いしゅくじん)などに奇効有。
22.ハブ草番茶(はぶそうばんちゃ)
番茶の中に、茶匙(ちゃさじ)一~二杯のハブ草(はぶそう)の実をよく焙(ほう)じて混ぜ、連用する。
23.枸杞入りハブ茶(くこいりはぶちゃ)
ハブ草(はぶそう)の葉も実も一緒にし、枸杞(くこ)の葉を混ぜてお茶にして飲むと、浮腫(むくみ)が去る。
24.木通の蔓(あけびのつる)
木通(あけび)の蔓(つる)を二~三分(約0.75~1.125g)の小口切(こぐちぎり)にして、陰干し(かげぼし)にして、乾き切ってから、二日分として大匙一杯(おおさじいっぱい)を水二合(360mL)で煎じ、煮立って二十分もしたら下して、少し冷めたところを飲むと良く効く。