健康情報: 医師の8割が漢方薬を処方(薬事日報記事より)

2009年2月9日月曜日

医師の8割が漢方薬を処方(薬事日報記事より)

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)調べ
2008年8月5日~9月12日にかけて
全国の医師を対象にインターネットを介して実施
回答:684人
病院の勤務医が70%以上

漢方薬を処方している医師83.5%
以前使用したが、後に中止した医師を含めると98.1%
ほとんどの医師が漢方薬の処方経験を持っている。

処方患者の20.2%は漢方単独処方

処方する診断基準
 1.西洋医学の診断…………………………………47.8%
   西洋医学の診断を基本に漢方も考慮……36.1%

漢方処方の基本的立場
   一部の疾患で漢方薬を第一選択…………52.7%
      (特に産婦人科と外科で漢方薬を第一選択)
   あくまでも西洋薬の補完……………………44.5%
      → 西洋薬で効果がなかった症例で漢方薬が有効……56.4%
      → 患者の希望…………………………44.3%

漢方薬を処方する疾患上位5項目
 1.急性上気道炎……46.8%
 2.便秘……37.3%
 3.こむらがえり……36.4%
 4.不定愁訴・更年期障害……35.6%
 5.疲労・倦怠感……25.4%

漢方薬を処方しない理由
 1.漢方薬の使い方が難しい……44.2%
 ・ エビデンスが充分でない……39.6%
 ・ 治療効果が不充分……32.7%

今後の課題
 ・エビデンスの集積……62.4%
 ・剤形の工夫・開発……15.1%
         錠剤……74.5%
         カプセル……56.6%
         (より患者が服用しやすい剤形を求めている)
 ・漢方の現代医学的解釈……14.3%
        漢方薬の使い方が難しい為

漢方薬に今後期待する役割
  西洋薬の補助・補完……16.8%
  西洋医学で解決できない疾患……16.6%
  疾患によっては期待できる……70.5%
 

特に期待する疾患
  不定愁訴・更年期障害・月経困難症……13.2%
  心身症・うつ病・精神疾患……………………9.4%
  認知症及び周辺症状…………………………7.2%
  (西洋医学では解決が難しいとされる疾患)
以上『薬事日報』 第10642号 (2009(平成21)年2月6日)より、抜粋・改変

(コメント)
漢方が異端児扱いされていた頃を思うと、隔世の感があります。
やはり、保険に収載されたのが大きいと思われます。
ただ、気になるのは、漢方薬を漢方薬として使うのではなく、
西洋医学的診断に従って使っている所です。
西洋医学的な診断に従うということは、もはや漢方ではなく、単なる生薬製剤となってしまいます。
病名を薬方(漢方処方)選定の手掛りにするのは
一つの方法だとは思いますが、
単に西洋医学的な病名だけで使うことは副作用の問題などもあり、
何らかの対策が必要と思われます。
ただ、こむらがえりに芍薬甘草湯など、
単に病名を頼りに、漢方薬を使っても
けっこう効くことが多いというのも事実です。


剤形の工夫・開発で、錠剤やカプセル剤を希望している旨がありますが、
エキス剤は吸湿性が高いので、錠剤やカプセル剤にしようとすると
賦形剤(ふけいざい)が大量に必要となり、
錠数やカプセル数が非常に多くなり、結局は飲みづらくなる可能性があります。

もともと散剤として使われるものや、丸薬として使われるものであれば、
粉末生薬を錠剤やカプセル剤にするのも一方法かと思われます。

エキス顆粒剤が飲みにくい時は、お湯に溶いて飲むのも一つの方法です。
この方が、煎じ薬に近いと思われます。
ただ、メーカーにより、お湯への溶け易さが異なりますので注意が必要です。
よくかき混ぜないと、デンプンなどの賦形剤が、底に残ります。


剤形の工夫という点では、揮発成分の保持があります。
『六陳八陳』という言葉がありますように、蘇葉や薄荷のような精油を含む生薬は、
新しいものが良いとされています。
これらの生薬は、煎じますと、揮発性の成分がとんで無くなってしまいます。
これを改善する工夫が欲しい所です。

山本先生によりますと、高血圧に釣藤散(ちょうとうさん)を使う場合は、
エキス剤は余り効果が期待できず、
釣藤鈎(ちょうとうこう)の粉末を加えた方が良く効くそうです。

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