健康情報: 響声破笛丸(きょうせいはてきがん、けいせいはてきがん) の 効能・効果 と 副作用

2013年12月24日火曜日

響声破笛丸(きょうせいはてきがん、けいせいはてきがん) の 効能・効果 と 副作用

臨床応用 漢方處方解説 矢数道明著 創元社刊
p.652 声の出ないとき・嗄声
27 響声破笛丸(きょうせいはてきがん) 〔万病回春〕
 連翹・桔梗・甘草各二・五 大黄・縮砂・川芎・訶子各一・〇 阿仙薬二・〇 薄荷四・〇
 (原方中百薬とあるが、これを阿仙薬とした。一般には大黄を去る。)

 右細末となし、 鶏子清(卵の白味)を加えて空気銃の弾丸(たま)ぐらいの丸薬とし、一回二・〇~三・〇を服用する。
 「声音出でざる者は腎虚なし」糊丸とし卵白でのんでもよい。
 歌をうたい、演説が続き、発声過度のために声がつぶれ、嗄声を起こしたときなどに用いる。
 嗄声の特効薬として応用される。




和漢薬方意辞典 中村謙介著 緑書房
 響声破笛丸(きょうせいはてきがん) 〔万病回春〕

【方意】 咽喉の熱証による嗄声・咳嗽・咽痛等のあるもの。
《少陽病.虚実中間》

【自他覚症状の病態分類】

咽喉の熱証


主証 ◎嗄声
◎咳嗽
◎咽痛






客証  咽喉腫閉
 胸痛





【脈候】 

【舌候】 

【腹候】 

【病位・虚実】 本方の構成病態である咽喉の熱証は少陽病位に相当する。虚実中間で広く用いることができる。


【構成生薬】 連翹2.5 桔梗2.5 甘草2.5 縮砂1.0 川芎1.0 訶子1.0 阿仙薬(百薬)2.0 薄荷4.0 大黄1.0
 一般には大黄を去る。以上を細末となし、卵白で丸薬とし、1回に2~3gを服用する。

【方解】 連翹・桔梗・甘草は咽喉の急性熱証に版る嗄声・咳嗽・咽痛を治す。大黄・薄荷の抗熱証作用もこれを助ける。訶子・阿仙薬は咽喉を収斂、川芎の駆瘀血紙:抗化膿作用もこれに協力する。縮砂の芳香性健胃作用は他薬の脾胃への影響を穏やかにする。



【方意の幅および応用】
 A 咽喉の熱証:嗄声・咳嗽・咽痛を目標にする。
   発声過度のための嗄声

【参考】* 謳歌して音を失う者は火動なり。

【症例】 
嗄声
 9歳の男子。学校の運動会の練習や、野球の応援などで、日頃大きな声でどなったり、歌ったりしているうちにひどい嗄声になり、約1年の間、耳鼻咽喉科の医師に治療を受けたが、少しも良くならず困っているので、漢方薬を飲んでみたいと患者の母親が電話で頼んできた。漢方の先生に紹介状を書くから診察を受けに行くように勧めたが、学校の試験の関係で、ここ3週間ほど休めないと勝手なことをいる。
 この子供が幼稚園のこと診察したことはあるが、最近は診察したことがないので効くかどうか保証しかねるがと、響声破笛丸料を10日分投与したところ、「大層よく効いたから」と、あと1ヵ月分請薬して来た。そして40日間服用した後で、すっかり良くなったと報告して来た。
緒方玄芳『漢方の臨床』24・6・31

声帯の結節
 29歳の女性。声楽家(オペラ)
 この3ヵ月近く忙しく、歌いすぎて声帯に結節ができ、出血していた。初診時には出血はないという。食欲は正常、便通は1日1行、寝つきが悪感:2月にカゼを引き、咳嗽と喀痰が出るという。足が冷える。生理は順調で生理痛が少しある。
 子供はない。体格は中肉中背で、貧血もない。脈は普通で、腹診上軽度の瘀血を認める。血圧は110/70であった。特記すべき既応症はない。
 響声破笛丸料去大黄を14日分投与し、2週長服用成て来院。耳鼻科で結課が少し軟らかになったといわれたという。更に2週間同方に大黄2gを加えて投与し、便通も良くなり、更に2週間の服用で99%良いといわれ、更に4週間の服薬で略治した。
矢数圭堂 『漢方の臨床』39・2・108

声帯ポリープ
 26歳の女性。音新大学講師(ソプラノ)
 声帯にポリープができて、声が出ないという。漢方薬局で補中益気湯合麦門冬湯を20日分、次いで小柴胡湯合麻杏甘石湯を10日分服用したが、変化はないということである。食欲は正常で便通は1日1行、睡眠も良いという。月経は不順で、生理痛はない。体格は中肉中背で貧血はない。脈は普通で、腹診上特記すべき症候はない。
 響声破笛丸料去大黄を投与したところ、2週間の服薬で声も出るようになり、話すのも楽になり、ポリープも少し小さくなってきた。
 その後、薬が切れて症状が悪化し、某院でポリープの手術を受けた。
矢数圭堂 『漢方の臨床』39・2・109






【添付文書等に記載すべき事項】
 してはいけないこと 
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
1.次の人は服用しないこと
生後3ヵ月未満の乳児。
〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕

2.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること
〔大黄を含有する製剤に記載すること〕



 相談すること 
 1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)。
  〔大黄を含有する製剤に記載すること〕 
(4)胃腸が弱く下痢しやすい人。
  〔大黄を含有する製剤に記載すること〕 
(5)高齢者。
     〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(6)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
(7)次の症状のある人。
     むくみ
     〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(8)次の診断を受けた人。
     高血圧、心臓病、腎臓病
     〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕


2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること

関係部位 症状
皮膚 発疹・発赤、かゆみ
消化器1) 食欲不振、胃部不快感、はげしい腹痛を伴う下痢1)、腹痛1)

〔1)は大黄を含有する製剤に記載すること〕

まれに下記の重篤な症状が起こることがある。その場合は直ちに医師の診療を受けること。

症状の名称 症状
偽アルドステロン症、
ミオパチー
手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)
含有する製剤に記載すること。〕


3.服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
  軟便、下痢
  〔大黄を含有する製剤に記載すること〕

4.5~6日間服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること

5.長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕

〔効能又は効果に関連する注意として、効能又は効果の項目に続けて以下を記載すること。〕
体力に関わらず、使用できる。
 〔用法及び用量に関連する注意として、用法及び用量の項目に続けて以下を記載すること。〕

(1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させること。
   〔小児の用法及び用量がある場合に記載すること。〕
(2)〔小児の用法がある場合、剤形により、次に該当する場合には、そのいずれかを記載す
ること。〕
1)3歳以上の幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注
意すること。
  〔5歳未満の幼児の用法がある錠剤・丸剤の場合に記載すること。〕
2)幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意すること。
  〔3歳未満の用法及び用量を有する丸剤の場合に記載すること。〕
3)1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ
服用させること。
  〔カプセル剤及び錠剤・丸剤以外の製剤の場合に記載すること。なお、生後3ヵ月未満の用法がある製剤の場合、「生後3ヵ月未満の乳児」を してはいけないこと に記載し、用法及び用量欄には記載しないこと。〕


保管及び取扱い上の注意
(1)直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること。
〔( )内は必要とする場合に記載すること。〕

(2)小児の手の届かない所に保管すること。

(3)他の容器に入れ替えないこと。(誤用の原因になったり品質が変わる。)
〔容器等の個々に至適表示がなされていて、誤用のおそれのない場合には記載しなくてもよい。〕





【外部の容器又は外部の被包に記載すべき事項】


注意
1.次の人は服用しないこと
生後3ヵ月未満の乳児。
〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕

2.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること
〔大黄を含有する製剤に記載すること〕

3.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)。
  〔大黄を含有する製剤に記載すること〕
(4)胃腸が弱く下痢しやすい人。
  〔大黄を含有する製剤に記載すること〕

(5)高齢者。
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(6)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
(7)次の症状のある人。
  むくみ
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(8)次の診断を受けた人。
  高血圧、心臓病、腎臓病
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
3´.服用が適さない場合があるので、服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
  〔3.の項目の記載に際し、十分な記載スペースがない場合には3´.を記載すること。〕
4.服用に際しては、説明文書をよく読むこと
5.直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること
〔( )内は必要とする場合に記載すること。〕

〔効能又は効果に関連する注意として、効能又は効果の項目に続けて以下を記載すること。〕
 体力に関わらず、使用できる。