健康情報: 柴朴湯(さいぼくとう) の 効能・効果 と 副作用

2013年12月13日金曜日

柴朴湯(さいぼくとう) の 効能・効果 と 副作用

和漢薬方意辞典 中村謙介著 緑書房
柴朴湯(さいぼくとう) 〔本朝経験〕

【方意】 小柴胡湯証の胸脇の熱証による口苦・口粘・胸脇苦満等と、半夏厚朴湯証の上焦の気滞気滞による精神症状としての咽中炙臠・感情不安定・疲労倦怠等のあるもの。
《少陽病.虚実中間よりやや虚証》

【自他覚症状の病態分類】

胸脇の熱証 上焦の気滞
気滞による精神症状


主証 ◎口苦 ◎口粘



◎咽中炙臠
◎感情不安定
◎疲労倦怠







客証 ○胸脇苦満
○心下痞硬
  食欲不振
○目眩
  心悸亢進
  咳嗽
  喘鳴




【脈候】 弦・細にして力あり。

【舌候】 やや乾燥し、白苔または微白苔。

【腹候】 腹力中等度からわずかに軟。多くは胸脇苦満および心下痞硬がみられる。時に上腹部に振水音がある。

【病位・虚実】 胸脇の熱証が主たる病態のため少陽病のため少陽病に位する。脈力および腹力より虚実中間からやや虚証である。

【構成生薬】 柴胡8.0 半夏8.0 茯苓5.0 黄芩3.0 大棗3.0 人参3.0 甘草3.0 厚朴3.0 蘇葉2.0 生姜1.0

【方解】  小柴胡湯は柴胡・半夏・生姜・黄芩・大棗・人参・甘草であり、半夏厚朴湯は半夏・茯苓・生姜・厚朴・蘇葉であって、本方はこの二湯を合したものである。このため本方の作用も小柴胡湯証の胸脇の熱証と、半夏厚朴湯証の上焦の気滞・気滞による精神症状に対応するもので、口苦・口粘・胸脇苦満・心下痞硬と、咽中炙臠・感情不安定等を治す。

【方意の幅および応用】
 A 胸脇の熱証:口苦・口粘・胸脇苦満等を目標にする場合。
   気管支炎、気管支喘息、百日咳。

 B 上焦の気滞気滞による精神症状:咽中炙臠・感情不安定・疲労倦怠を目標にする場合。
   ノイローゼ、不安神経症、ヒステリー、術後神経症
 C 表の寒証:眼痛・耳痛・歯痛・咽痛等を目標にする場合。   眼疾患、耳痛、歯痛、開口して眠る者の咽痛

【参考】* 小柴胡湯証に咽中炙臠・感情不安定のあるものを目標にする。

【症例】出題と解答 自然気胸
 患者は48歳の男子。昭和12年に肋膜炎をやり、昭和27年に肺結核をやった。昨年秋、自然気胸を起こし、その時はかばかしくないので人の紹介で来院した。そして、ある薬を服んで楽になったが、あまり簡単に楽になったので漢方が効いたとは本人は思わなかった。
 ところが昨年春、また自然気胸を起こし、レントゲン写真によると、右肺が半分以下に縮小している。非常に息苦しくて仕事ができない。体はやや太り気味で体格のいい人。便通その他には異常がない。ただ舌が白くてややしめっており、脈は変わりなく緩脈である。
 聴診で右側の呼吸音が弱く、腹診すると右季肋下に強い抵抗がある。左の方もやや堅くなっており、圧痛はない。胸脇苦満と考えた。ある処方を与えたが、胸脇苦満ということと、息苦しいということを目標にして2つの処方の合方を用い、約1週間で呼吸困難は全くなくなった。その後も再発を恐れて時々薬は飲んでいるが、昨年5月以来はなまけてポツリポツリ飲むといった状態である。腹力は筋肉の緊張の良い人で、充実して柔らかく良い腹である。ただ肋骨弓下だけに抵抗がある。左の呼吸音は少し荒い。
 この症例に漢方薬は何が良いでしょうか。
〔解答〕小柴胡湯合小陥胸湯(3名)、柴陥湯(2名)、小柴胡湯合麻杏甘石湯(1名)、大柴胡湯合小青龍湯(1名)
〔出題者解答〕私は小柴胡湯合半夏厚朴湯を用いました。
 なぜ半夏厚朴湯にしたかと申しますと、自然気胸で気鬱滞のために呼吸困難が起こったと解釈したからです。或いは小柴胡湯だけでも良かったものか、柴陥湯でも良かったものか、また両者合方にしたのが良かったのか、その点は今でもよく分かっていません。気胸は目に見える気の鬱滞だと思ったのでした。
 寺師睦済 腹は出張っていましたか。
 山田光胤 腹は小太りの人ですから充実していました。しかし、堅くはなく、弾力のある柔らかい腹でした。化学療法は以前にやっていたようでしたが、それでも自然気胸が起きてしまったのですね。
 相見三郎 自然気胸はプンクチオンをしなくても半夏厚朴湯て治る見込みがあるということですね。
 山田 針は刺しませんでした。
 相見 呼吸器の専門医にいわせれば「そんなバカなことはない」とやられるでしょうけどね。
 山田光胤『漢方の臨床』12・1・52




臨床応用 漢方處方解説 矢数道明著 創元社刊
 (4)小柴胡 合 半夏厚朴湯
 神経衰弱・ノイローゼ、発作が起きないかと気にしすぎる気管支喘息などによく用いられる。


明解漢方処方 西岡 一夫著 ナニワ社刊
小柴胡湯
③半夏厚朴湯を合して、感冒でこじれた咳や、気管支喘息の発作予防に用いる。


『重要処方解説』(88)  
柴朴湯(サイボクトウ)・小柴胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセッコウ)


日本東洋医学会副会長 細野八郎

■柴朴湯・出典・構成生脈:薬能薬理
 本日は柴朴湯(サイボクトウ)と小柴胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセッコウ)についてお話ししましょう。まず柴朴湯からお話しします。柴朴湯はわが国で作られた処方で,小柴胡湯(ショウサイコトウ)と半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)を合方したものです。いつ誰がこのような合方をしたのか,今のところわかっていません。
 文献によりますと,湯本救真(ゆもときゅうしん)先生が『漢方と漢薬』という漢方の医学雑誌の中で、「百日咳の治療には,長年の経験から小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方がよい」と述べています。これがわが国の医書に初めて記載されたものといわれています。この雑誌が出版されたのは昭和9年のことで,その後この処方が頻用されてくると、面倒なので処方の名を簡略化して柴朴湯と命名されるようになりました。湯本救真先生は,小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方を百日咳に用いていましたが、この処方はかぜの咳とた喘息などに広く応用されるようになりました。
 では使い方を理解するために,小柴胡湯と半夏厚朴湯について考えてみましょう。小柴胡湯は,200年頃の中国の医書『傷寒論』に載っている処方です。傷寒というのは急性の発熱疾患のことで,『傷寒論』ではこの疾患の経時的な変化と,それに対処する処方を書いています。ですから,この中にある処方はかぜを引いた時に応用できます。
 さて小柴胡湯は『傷寒論』によりますと,かぜを引いて数日たって,寒け, 肩凝り,頭痛,節々の痛みなどかなくなり,発熱,食欲不振,嘔気,口の苦み,喉が渇く,めまい感がある時に用いよと書いてあります。
 この時とくに大切なことは,上腹部に胸脇苦満という現象が見られることです。胸脇苦満の現代医学的な意義はわかっていませんが,胸骨弓に沿って指を肋骨弓内に押し込むと,圧痛を伴った抵抗感と,息が詰まるような特異な苦痛を訴えます。これを胸脇苦満といっています。この現象は,かぜの場合には右側にみられることが多いので,かぜのストレスによる肝臓の腫大によるものではないかといわれています。また,胸脇苦満のある側の僧帽筋の上縁や,側頸部に圧痛や凝りがみられるので,横隔膜神経を介した内臓体壁反射として理解しようとする人もあります。いずれにしても小柴胡湯を用いる時のかぜは,扁桃炎や気管支炎を起こしていて,側頸部や胸部,上腹部の症状を訴えることが多いものです。
 では小柴胡湯構成生薬の薬効から,小柴胡湯がどのような作用をするのか考えてみましょう。
 柴胡(サイコ)は解熱,鎮痛,鎮静の作用があって,わが国では頻用される生薬です。サイコの薬理作用は,温熱中枢の興奮を鎮静させることによる解熱作用,鎮静,自発運動抑制,睡眠延長,鎮痛,抗痙攣などの中枢抑制作用,肝障害改善作用,抗炎作用,抗アレルギー作用,ステロイド様作用,あるいは抗ステロイド作用,ステロイド剤の副作用予防作用などがあるといわれています。
 黄芩(オウゴン)にも消炎解熱作用があります。そのほか利尿,利胆,抗菌作用がみられます。黄芩の有効成分にbaicaleinとbaicalinがありますが,その成分も薬理実験が詳しく行われています。抗炎作用,抗アレルギー作用,肝障害改善作用,prostaglandin生合成抑制作用などあります。柴胡と黄芩には肝障害改善作用がありますが,実験的にも臨床的にも,黄芩の方がこの作用が強いといわれています。ですから,中国では黄芩を肝炎の治療薬として用いています。
 人参(ニンジン)には,中枢神経系の興奮と抑制の作用があります。興奮作用としては,抗疲労,疲労回復,学習能力および識別能力の向上が認められています。一方,抑制作用には精神安定,解熱,鎮痛,血圧低下,抗痙攣作用があります。そのほか抗ステロイド作用,蛋白質,脂質,糖質,アミノ酸などの代謝合成に関与するとか,男性ホルモン増強作用,血液凝固抑制作用など,いろいろの薬理作用があると報告されています。
 半夏(ハンゲ)は中枢性,末梢性の嘔吐を抑制します。また鎮静,鎮咳,ストレス潰瘍の発症を防ぐ作用などが知られています。そのほか臨床では去痰や,咽喉の腫れをとるために用いています。
 甘草(カンゾウ)は鎮咳,去痰,鎮痛作用があり,そのほか甘草の主成分であるglycyrrhizinには肝細胞障害抑制作用や,抗炎,抗アレルギー作用が認められています。
 大棗(タイソウ)の薬理作用は最近注目されてきました。それは,大棗を投与するとcAMP値が増加するので,抗アレルギー作用があると考えられるからです。
 小柴胡湯は,以上述べたように生薬で構成されています。ですから小柴胡湯は急性,慢性の発熱疾患に十分対応できる薬だといえます。また発熱がなくても,肝,胆,胃疾患や,呼吸器疾患,精神不安定状態の鎮静化,アレルギー性疾患などに応用できる薬であることがわかります。
 一方,半夏厚朴湯は『金匱要略』に出ている処方です。『傷寒論』は急性発熱疾患の治療書でしたが,この本は慢性疾患の治療書です。半夏厚朴湯はこの医書の中で,婦人が咽の中に何かへばりついているように感じて,吐こうとしても吐けない,飲み込もうとしても飲み込めない,このような状態の時に用いる薬と書いてあります。現代医学でいうヒステリー球のようなものです。
 この処方の構成生薬は半夏,厚朴(コウボク),茯苓,生姜,蘇葉(ソヨウ)ですが,ほとんどの生薬の作用は述べましたので、厚朴と蘇葉の薬能について見てみましょう。
 蘇葉は解熱,発汗,鎮咳作用があります。また薬理実験で鎮静作用とかインターフェロンのinducerとしての活性があるといわれています。
 厚朴は鎮痛,鎮静作用があります。また薬理実験ではクラーレ類似作用があり,パーキンソン症候群によく用いられています。昔から腹部膨満感とか,喘息発作に用いていますが,気管支や腸の攣急がこの筋弛緩作用で緩められるためなのでしょう。咽の異物感は精神的に不安定な状態によくみられます。婦人と書いてありましたが,男性にもみられます。しかし女性の方がはるかに多いようです。この異物感は,咽の筋肉の攣急によると思われます。
 ですから蘇葉と半夏の鎮静作用で興奮状態を鎮め,厚朴で筋緊張を緩めてやれば,異物感はなくなるわけです。また,気管支喘息に半夏厚朴湯を用いることがあります。神経質で,こんな匂いを嗅ぐと発作が起こるのではないか,こんなことをすると発作になるとか,不安がっている患者に効果があります。このような喘息患者は咽に異物感を感じることが多く,よく咳払いをしています。また腹壁は薄く,上腹部の筋肉の緊張が強いので,ちょうどベニア板に触わるような手触りがします。脈も沈んでいて,脈拍も小さいことが多いようです。湯本求真先生が百日咳によいといっていましたが,これは半夏厚朴湯が気管支の痙攣を鎮めるためだと思います。
■現代における用い方
 では半夏厚朴湯と小柴胡湯を合方した柴朴湯について考えてみましょう。小柴胡湯は急性,慢性の気管支炎に効果があります。一方,半夏厚朴湯は咽喉部の異物応を治しますので,この両処方を合わせたものは,咽喉部に異物感のある咳に効くといえます。前に述べたように,咽喉部の異物感は筋肉の攣急があるためですから,気管支の攣急を伴っている咳にも応用できます。
 今一つ追加しなければならないことがあります。それはこのような筋肉の攣急を起こしてくる原因があるということです。病気が慢性化して精神的に不安定になってくる,あるいは性格的に精神的なストレスを発散できない状態であると,筋肉の攣急をひき起こしてくることが多いものです。
 ではこのような咳は,どのような病気の時にみられるのでしょうか。百日咳にも痙攣性の咳がみられます。しかし病気の初めからは用いません。まずephedrineを含んでいる麻黄(マオウ)の入っている処方を与えます。たとえば小青竜湯(ショウセイリュウトウ),麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ),あるいは射干麻黄湯(シャカンマオウトウ)などを最初に用います。病気が長びいてくると,患者に疲労感が出てきます。食欲は低下し,精神的に不安定になってきます。そのような頃から柴朴湯を用います。
 湯本求真先生は柴朴湯だけを用いていましたが,この時期になると咳嗽が激しくなり,呼吸困難もありますので,柴朴湯に桔梗(キキョウ),石膏(セッコウ),桑白皮(ソウハクヒ),山梔子(サンシシ)を加えて用いま功。この処方を滲咳湯(シンガイトウ)といいますが,百日咳ばかりでなく,小児の切れにくい痰と軽度の喘鳴を伴っている気管支炎にも用います。このように,柴朴湯は気管支炎でも初期よりも多少日数が経過している時に用います。
 その次に考えられる咳は,アレルギー性疾患の時です。アレルギー性鼻炎の咽頭部は発赤して,浮腫を伴っていることがあります。このような時には,咽喉部の異物感を訴えます。そして,しきりに咳払いをします。咳には痰がないか,あるいは少量の粘い痰が出ることもあります。柴朴湯はこのような咳にも効きます。
 柴朴湯がアレルギー性疾患に効果がある理由として,小柴胡湯にある柴胡,甘草,大棗のIgEの産生抑制作用,黄芩,大棗のmediator遊離抑制作用,黄芩,大棗,人参,生姜の抗mediator作用によるⅠ型アレルギー反応の抑制,柴胡,人参,甘草によるⅢ型反応の抑制,柴胡,人参,甘草,大棗,半夏によるⅣ型反応の抑制作用などによるといっている人もあります。また江田昭英教授は,Ⅳ型アレルギー反応モデルとしてマウスのpicryl chlorideによる接触性皮膚過敏症を用いて生薬の影響を検討し,厚朴,半夏,茯苓,大棗,甘草などに有意な抑制作用がみ現れ,とくに中国産の厚朴の作用は顕著であったと報告しておられます。厚朴,半夏,茯苓は半夏厚朴湯の構成生薬なので,柴朴湯には抗アレルギー作用のあることが実験的にも証明されました。
 さらに江田教授は,柴朴湯の水溶エキスでも同様の実験を行って,柴朴湯は効果層におけるlymphokineの遊離とlymphokineによる炎症,とくに後者を強く抑制することにより,Ⅳ型アレルギー反応関与の遅延型炎症を抑制することを明らかにされました。またステロイドの作用も増強するので,柴朴湯を併用すれば,ステロイド離脱も可能になることもわかりました。このことを裏づけるように,ステロイド使用に喘息患者が柴朴湯を長期併用していると,60%の症例にステロイドの減量や離脱が可能になったとの報告がなされています。
 Ⅳ型アレルギー反応の関与する喘息は,感染型に属するものが多いといわれています。柴朴湯は,発作の前後に発熱悪寒,咽頭痛などの感染徴候を伴う感染型の喘息に,アトピー型よりも効果があるとの塚本壮先生の報告と一致しているようです。
■症初呈示
 では2,3の症例をあげてみましょう。
 3歳になる男の子供,1年前からかぜを引くと喘息の発作が出てきます。現在リベザンを服用していますが,この数ヵ月,痰のない咳と喘鳴がよく出ます。食欲はあまりありません。痩せた神経質そうな癇の高い子供です。胸部には喘鳴が少し聞こえます。上腹部は張っていて,右側に胸脇苦満があります。口蓋扁桃は肥大しています。柴朴湯で調子がよくなり,半年後にはかぜを引いても発作が起こらなくなりました。この子供はアトビーの家系もなく,かぜを引くと発作が起こるので,感染型の喘息と考えられます。発作の程度は,現在のところでは軽いものです。柴朴湯は,癇が高くて神経質な軽症の喘息によく適応します。そして長期服用していると,体力がついてきて,性格も変わり,発作も起きなくなってきます。しかし発作が激しくなると,柴朴湯では効かなくなります。

喘息(2歳男児)
 次に2歳になる男児例をみてみましょう。夜中になると発作が起きてきます。いつも黄色の鼻汁があり,時々嘔吐を伴うような咳をします。口蓋扁桃は肥大しています。発作は,発熱が数日続いてから起こってきます。発作が起こつてくると,喘鳴と呼吸困難が起こり,母親が一晩中抱いています。柴朴湯服用後1ヵ月たちましたが,鼻閉以外は咳が少し軽くなつた程度であまり変わりません。ただ肘や膝に皮膚炎が少し出てきました。3ヵ月後,39℃の発熱後発作を起こしてきました。胸部全体に喘鳴が聞かれます。柴朴湯3回と,麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)を1日1回飲ませました。発作は数日で収まり,その後4年間この処方を飲み続けていますが,発作も起こらず,咳もなくなりました。この症例は混合型の喘息で,発作の程度は中等症と思います。
 このように発作が強くなると,麻黄(マオウ)剤を併用するとか,麻黄剤に切り替えるとよいようです。小青竜湯(ショウセイリュウトウ)はモルモット摘出気管平滑筋を弛緩させますが,サイボ決溏では前処置をしておけばhistamineによる収縮を抑制するという報告があります。この薬理実験は,発作の時は麻黄剤,発作のない時は柴朴湯で体力をつけて発作を予防する,という治療方式を支持するものだと思います。
 では柴朴湯をまとめてみましょう。神経質で,発作に対して不安を持っていて,癇が高い,体力があまり衰えていない喘息患者で,発作の程度も軽いものに,柴朴湯をまず考えます。扁桃肥大や,感染後に発作が起きやすいとか,胸脇苦満がある,上腹部が薄い板のように張っている腹証,時々咳払いをするなどの効状も参考になります。柴朴湯は体質改善薬ですから,長期にわたり服用させることが大切です。





※射干麻黄湯の通常の読みは、ヤカンマオウトウ



副作用
1) 重大な副作用と初期症状
1) 間質性肺炎 :発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
[理由]
厚生省医薬安全局安全対策課長より通知された平成9年12月12日付医薬安第51号「医薬品 の使用上の注意事項の変更について」に基づく。
[処置方法]
直ちに投与を中止し、胸部X線撮影・CT・血液ガス圧測定等により精検し、ステロイド剤 投与等の適切な処置を行う。

2) 偽アルドステロン症 :低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行う。

3) ミオパシー :低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがあるので観察  を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、  カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと

[理由]〔2)3)共〕
厚生省薬務局長よ り通知された昭和53年2月13日付薬発第158号 「グリチルリチン酸等を含有す る医薬品の取り扱いについて」 及び医薬安全局安全対策課長よ り通知された平成9年12月12日 付医薬安第51号 「医薬品の使用上の注意事項の変更について」 に基づく。


[処置方法]
原則的には投与中止により改善するが、血清カリウム値のほか血中アルドステロン・レニン活性等の検査を行い、偽アルドステロン症と判定された場合は、症状の種類や程度によ り適切な治療を行う。 低カリウム血症に対しては、カリウム剤の補給等により電解質バランスの適正化を行う。



4) 肝機能障害、黄疸 :AST(GOT)、ALT(GPT)、Al‑P、γ‑GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行なう。

 [理由]
本剤によると思われるAST(GOT)、ALT(GPT)、Al‑P、γ‑GTPの上昇等を伴う肝機 能障害、黄疸が報告されているため。


[処置方法]
 原則的には投与中止により改善するが、病態に応じて適切な処置を行う。

2) その他の副作用
過敏症:発疹、瘙痒、蕁麻疹

[理由]
本剤には人参(ニンジン)が含まれているため、発疹、 瘙痒、蕁麻疹等の過敏症状があらわれるおそれがある 。また、本剤によると思われる過敏症状が文献・学会で報告されている 。

[処置方法]
原則的には投与中止にて改善するが、必要に応じて抗ヒスタミン剤・ステロイド剤投与等の適切な処置を行うこと。


消化器:口渇、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢、便秘
[理由]
本剤によると思われる消化器症状が文献・学会で報告されているため。

[処置方法]

原則的には投与中止により改善するが、必要に応じて適切な処置を行うこと。


泌尿器:頻尿、排尿痛、血尿、残尿感、膀胱炎
[理由]
厚生省薬務局安全課長より通知された平成5年9月27日付薬安第87号「医薬品の使用上の注 意事項の変更について」に基づく。
[処置方法]
直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと

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