健康情報: 駆風解毒湯(くふうげどくとう)の効能・効果と副作用

2013年12月26日木曜日

駆風解毒湯(くふうげどくとう)の効能・効果と副作用

駆風解毒散(くふうげどくさん)(別名:駆風解毒湯(くふうげどくとう)

臨床応用 漢方處方解説 矢数道明著 創元社刊
p.615 アンギナ・扁桃炎

28 駆風解毒湯 (くふうげどくとう) 〔万病回春・咽喉門〕
 防風・牛蒡各 各三・〇 連翹 五・〇 荊芥・羗活・甘草 各一・五 
 (右に桔梗三・〇、石膏五・〇を加えて含嗽する。)

「痄腮(さし)(扁桃炎・アンギナ・耳下腺炎)腫れ痛むを治す」
咽喉腫痛に半ばは飲用し、半ばは含嗽用として用いるとよい。桔梗・石膏を加えると効果を増す。
アンギナ(カタル性・腺窩性・濾胞性)・扁桃周囲炎・耳下腺炎などに応用される。


『勿誤薬室方函口訣解説(23)』  
日本東洋医学会理事  原 桃介

駆風解毒湯 苦酒湯 九味柴胡湯(樞要) 九味柴胡湯(枳園) 九味清脾湯

駆風解毒湯
 本日は駆風解毒湯(クフウゲトクトウ)からです。これは『済生方』の処方です。条文中の時毒は時節の毒、すなわち流行病のことです。(ささい)は耳下腺炎です。(てんこうふう)はジフテリア、あるいは扁桃炎のひどいのをいってもよいと思います。
 訳してみますと、「この方は、もと流行性の病気による耳下腺炎を治すのに効果があります。しかしこの症は、大抵は葛根湯加桔梗石膏(カッコントウカキキョウセッコウ)でよいものです。もし硬く腫れて、久しく消散しない時は、此の方に桔梗石膏を加えて用いるがよろしい。和田東郭は、ジフテリアとか扁桃炎で、炎症がひどく喉が腫れ痛んで水も薬も一滴も下がらず、ものをいうこともできないものに、この加味の方を水煎し、冷水に浸し、きわめて冷たくして嚥下せしめて奇効を得たということです。私は咽喉が腫れふさがって、炎症のひどいものにはいつもこの方を極冷にして含ましめ、口中で温めるほどにしてうがいをさせ、しばしば効を奏しました。もし、咽喉がただれ、腫れ痛む時は加味凉膈散加竹葉(かみりょうかくさんかちくよう)をこんなふうしして含ましめると効があります」という意味です。
 大塚敬節先生は、「扁桃炎または扁桃周囲炎がこじれて、なかなか効かないものによく奏効するし、この方に石膏を加えて冷服せしめた方がよろしい。この方はしばらく口に含んでから口中で薬が温まるようにして、少量ずつ飲み込むとよい」といっておられます。 この方は和田東郭や、津田玄仙などが愛用した処方で、津田玄仙は、「咽喉腫痛して諸薬効なく、腫痛ますますはなはだしいものには駆風解毒湯加石膏を冷服せしめると、その日のうちに痛みがやみ、百発百中の効がある」と述べております。
 『済生方』というのは宋の厳用和が一二五三年に出したもので、全十巻です。最初に論述がありまして、次に処方が四〇〇方載せてあります。それらは実際に治療に用いたものであります。たとえば帰脾湯(キヒトウ)や、済生腎気丸(サイセイジンキガン)(牛車腎気丸(ゴシャジンキガン))などは、今日でも臨床に重用されている処方でありま称。
 矢数道明先生処方の治験例に、喉にビー玉がつかえているような咽喉部の病気に、この駆風解毒散を使ったら非常によく効いたという例があります。それば、七五歳の男性で、一年前から咽喉が痛み、風邪のためかと思っていたがなかなか治らないので耳鼻科でみてもらいましたところ、咽喉部の左側が赤く腫れているといわれました。自分では悪性腫瘍ではないかと心配して、たびたび検査をしてもらいましたが、線維腫かも知れないが確実にはわからないといわれたそうです。それ以来患者はいつも咽喉部にビー玉がつかえているような感じがして、何となく気持ちが悪くて、何とかこのつかえが治らないものかと訴え続けてきました。のどを外から見ると全体が赤いのですが、嚥下困難はありません。咽喉から頸部全体がいかにも腫れているような感じで、左の方が右より腫れています。脈力は強く、弦脈です。こういう咽喉部の炎症で咳嗽のある時には麦門冬湯加桔梗紫苑玄参(バクモンドウトウカキキョウシオンゲンジン)がよいというので、初めはこれを使ってみたが、あまりはかばかしくないので、駆風解毒湯に転方しましたところ、だんだんよくなり、三ヵ月くらいのうちに、ビー玉が咽喉部につかえている苦痛からまったく解放されたというものです。
 駆風解毒湯の中に含まれている生薬のうち、防風(ボウフウ)は発汗、解熱、牛蒡(ゴボウ)は解熱、解毒、連翹(レンギョウ)は消炎、排膿、荊芥(ケイガイ)は発汗、解熱、解毒、独活(ドッカツ)は発汗、解熱の作用があります。甘草(カンゾウ)は鎮痛剤で咽喉痛をとり、百薬の毒を消します。そして、加減方の桔梗が排膿、袪痰、石膏(セッコウ)が解熱、鎮静、止渇というように、駆風剤と解毒剤が巧みに組み合わせた処方で、咽喉部の炎症に効く処方であります。
 要するに駆風解毒湯は、耳下腺炎、アンギナというか、扁桃腺炎、扁桃周囲炎といったものの、咽喉の腫れ痛むものに飲用したり、なかばうがい用として用いるのによい処方であります。


和漢薬方意辞典 中村謙介著 緑書房
 駆風解毒湯(くふうげどくとう) [厳氏済生方]

【方意】 咽喉の熱証による咽喉腫痛・発赤・発熱等のあるもの。
《少陽病.虚実中間》

【自他覚症状の病態分類】

咽喉の熱証


主証 ◎咽喉腫痛
◎発赤
◎発熱






客証  発語不能
 結膜充血
 顔面紅潮
 食欲不振





【脈候】 

【舌候】 白苔が厚い。

【腹候】 

【病位・虚実】 炎症の強い咽喉の熱証で少陽病であ旅。極虚証には用いられないが虚実は広く用いて良い。

【構成生薬】 防風3.0 牛蒡子3.0 荊芥1.5 羗活1.5 甘草1.5 連翹5.0 (桔梗3.0 石膏10.0)

【方解】 連翹・牛蒡子は熱証を去り、化膿に有効である。防風・荊芥・羗活は表の寒証にも表の熱証にも用いられ、抗化膿作用もあって咽喉腫痛・発赤を治す。桔梗の抗化膿、石膏の清熱作用を加味すること仲;、薬力が増強される。


【方意の幅および応用】
 A 咽喉の熱証:咽喉腫痛・発赤・発熱を目標にする。
   顎下腺炎、耳下腺炎、急性咽喉頭炎、急性扁桃炎、ベーチェット病

【参考】* 痄腮(耳下腺炎・扁桃炎)の初期は葛根湯加桔梗石膏。熱証激しく、硬腫久しく、熱気の甚だしいものは駆風解毒湯加桔梗石膏・小柴胡湯加桔梗石膏。もし咽喉糜爛して腫痛するものには加味凉膈散加竹葉。
*  和田東郭は桔梗・石膏を加えて薬効を増す。抗生剤よりもはるかに有効ともいわれ、煎液を冷やしてすすらせる。のどに止めて温まったら飲み下すのが良い。

【症例】 ビー玉が咽につかえているような感じ
 75歳の男子。7年前に胃潰瘍で手術を受けた。ちょうど1年前に咽喉が痛んで、カゼのためかと思っていた。なかなか治らないので耳鼻科で診てもらったら、左側の咽喉部が赤く腫れているといわれた。たびたび検査をして、繊維腫かもしれないが、確実には判らないといわれた。それ以来、いつもビー玉が咽喉部につかえているように感じる。何とも気持ちが悪い。
 咽を外から診ると全体が赤い。痞塞部は深く咽頭部の下方であるという。嚥下困難・嗄声はない。体格栄養は中等度、顔色は冴えない。ときどき軽い咳や痰が出て、咽喉から頚部全体がいかにも腫れているように感じ、とにかく咽喉全体が苦しいという。
 脈は力強く弦脈で、血圧は初診時190/110であった。腹は平担で特に胸脇苦満も臍傍の抵抗圧痛もない。食欲も便通も普通である。
 咽喉部の炎症で、咳嗽のあるときに麦門冬湯加桔梗、柴苑、玄参で良いことが多いので初めこれを与えてみた。1ヵ月後咳は止まり少しは良いが、どうもさっぱりしない。そのうちカゼを引いて、咽喉部の症状が増したというので、駆風解毒湯に転方した。
 この処方を煎じて冷め加減に飲ませてから、咽喉の苦しさが大分良くなったというので、3ヵ月続けた。するとビー玉が咽喉部につかえている苦痛から解放され、1年間の不快症状が治った。血圧もこのころは150/90となって元気になった。
 和田東郭は、駆風解毒湯に桔梗3.0、石膏10.0を加えて、ジフテリーに用いたという。この処方は、咽喉炎、壊疽性咽喉炎、咽喉潰爛、義膜性咽喉炎などで、咽喉の炎症の激しいとき、うがいをしながら嚥下服用させると良いといって、浅田宗伯もこれをすすめている。本症例では慢性症であったからこれを加えなかった。
矢数道明 『漢方の臨床』24・4・20

慢性扁桃炎
 57歳の婦人。体格栄養顔色等は普通である。半訴では5年前より、カゼを引きやすく、扁桃炎を繰り返し、化膿しやすく、その都度高熱を出すという。近頃は手指が震え、身体も震えることがあり、また鼻がつまり、口が苦く、口渇を訴え、肩凝り、嘔気などを訴えている。咽をみると舌には白苔があり、扁桃腺はひどくないが腫れて赤い。よって駆風解毒湯を内服させ、黄柏末の溶液でうがいをさせた。すると1ヵ月後からカゼを引かなくなり、咽の痛みを訴えなくなり、従って熱も出なくなった。3ヵ月飲み終わって、一般状態がとても快適に生活できるようになった。
矢数道明 『漢方の臨床』30・8・41



【添付文書等に記載すべき事項】
 してはいけないこと 
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
1.次の人は服用しないこと
生後3ヵ月未満の乳児。
〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕



 相談すること 
 1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)。
(4)胃腸が弱く下痢しやすい人。
  〔大黄を含有する製剤に記載すること〕 
(5)高齢者。
     〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(6)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
(7)次の症状のある人。
     むくみ
     〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(8)次の診断を受けた人。
     高血圧、心臓病、腎臓病
     〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕


2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること

関係部位 症状
皮膚 発疹・発赤、かゆみ
消化器 食欲不振、胃部不快感



まれに下記の重篤な症状が起こることがある。その場合は直ちに医師の診療を受けること。

症状の名称 症状
偽アルドステロン症、
ミオパチー
手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)
含有する製剤に記載すること。〕


3.服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
  軟便、下痢
  〔大黄を含有する製剤に記載すること〕

4.5~6日間服用しても服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること

5.長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕

〔効能又は効果に関連する注意として、効能又は効果の項目に続けて以下を記載すること。〕
体力に関わらず、使用できる。
 〔用法及び用量に関連する注意として、用法及び用量の項目に続けて以下を記載すること。〕


(1)本剤は熱ければ冷ましてうがいしながら少しずつゆっくり飲むこと。

(2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させること。
   〔小児の用法及び用量がある場合に記載すること。〕

(3)〔小児の用法がある場合、剤形により、次に該当する場合には、そのいずれかを記載す
ること。〕
1)3歳以上の幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意すること。
  〔5歳未満の幼児の用法がある錠剤・丸剤の場合に記載すること。〕
2)幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意すること。
  〔3歳未満の用法及び用量を有する丸剤の場合に記載すること。〕
3)1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ服用させること。
  〔カプセル剤及び錠剤・丸剤以外の製剤の場合に記載すること。なお、生後3ヵ月未満の用法がある製剤の場合、「生後3ヵ月未満の乳児」を してはいけないこと に記載し、用法及び用量欄には記載しないこと。〕


保管及び取扱い上の注意
(1)直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること。
〔( )内は必要とする場合に記載すること。〕

(2)小児の手の届かない所に保管すること。

(3)他の容器に入れ替えないこと。(誤用の原因になったり品質が変わる。)
〔容器等の個々に至適表示がなされていて、誤用のおそれのない場合には記載しなくてもよい。〕





【外部の容器又は外部の被包に記載すべき事項】


注意
1.次の人は服用しないこと
生後3ヵ月未満の乳児。
〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕

2.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)。
  〔大黄を含有する製剤に記載すること〕
(4)胃腸が弱く下痢しやすい人。
  〔大黄を含有する製剤に記載すること〕

(5)高齢者。
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(6)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
(7)次の症状のある人。
  むくみ
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(8)次の診断を受けた人。
  高血圧、心臓病、腎臓病
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕

2´.服用が適さない場合があるので、服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
  〔3.の項目の記載に際し、十分な記載スペースがない場合には3´.を記載すること。〕

3.服用に際しては、説明文書をよく読むこと

4.直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること
〔( )内は必要とする場合に記載すること。〕

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