健康情報: 漢方薬を理解する為の生薬(薬味)の組合せについて

2008年11月27日木曜日

漢方薬を理解する為の生薬(薬味)の組合せについて

二種以上の生薬を配剤した場合に現れる薬効は、ただ単に配剤された生薬の個々の薬効を全て記載したら済むと言う単純なものではなく、種々の変化が起こることがあります。
その事は清水藤太郎氏によって薬物の相互作用を、
1.相加作用(配剤された生薬それぞれの薬効の総和となる組み合わせ)、
2.相乗作用(配剤された生薬それぞれの薬効の総和よりも作用が強くなる強くなる組み合わせ)、
3.相殺作用(配剤することによって、それぞれの薬効の一部あるいは全部がなくなり、無効となる組み合わせ)、
4.方向変換(配剤されることによって、本来持っていたそれぞれの薬効とは異なった薬効を現すようになる組み合わせ)
の四種に分類されています。
この分類は、実際の薬方(漢方処方)の説明には非常に有効で、これらの組み合わせによる変化を常に頭に入れておかなければ失敗することは稀ではありません。
しかし、この相互作用だけで全ての薬方が理解できるほど漢方は甘くはありません。
生薬によれば、その有無、量の多少によっても薬方の本質にかかわるほどに重大な影響を与えるものもあります。
それらを理解して初めて漢方が理解できるとともに、漢方を正しく使用できるようになります。
生薬の相互作用で理解できるものとしては、
麻黄、桂枝、半夏、桔梗、茯苓、附子などがあり、
生薬の有無、量の多少によって薬方の主證あるいは主證の一部が決定するものには
柴胡、黄連、黄芩、芍薬、甘草などがあります。


麻黄(組み合わせなし) → 発汗作用

麻黄 + 桂枝 → 発汗作用(相加作用)

麻黄 + 石膏 → 止汗作用(方向変換)

麻黄 + 桂枝 + 石膏 → 大発汗作用(相乗作用)

麻黄 + 杏仁 → 鎮咳作用(方向変換)

麻黄 + 白朮 → 利尿作用(方向変換)


桂枝 → のぼせを抑える(組み合わされても変化しない薬効)(尿を止める)

桂枝(組み合わせなし) → 発汗作用

桂枝 + 麻黄・防風 → 発汗作用(相加作用)

桂枝 + 大棗 → 止汗作用(方向変換)

桂枝 + 芍薬 → 緩和作用(方向変換)

桂枝 + 白朮 → 利尿作用(方向変換)

桂枝 + 茯苓 → 利尿作用(方向変換)

桂枝 + 地黄 → 強壮作用(方向変換)

桂枝 + 茯苓 + 甘草 → 心悸亢進・めまいを治す(方向変換)


半夏(単独) → 胃のムカムカ(嘔)、咽喉痛を起こす

半夏 + 生姜 → 鎮嘔・鎮痛作用(方向変換・相殺作用)

半夏 + 大棗・甘草 → 鎮痛・鎮嘔作用(方向変換・相殺作用)


桔梗(単独) → 化膿・分泌物を治す

桔梗 + 芍薬 → 発赤・腫痛を治す(方向変換)

桔梗 + 芍薬 + 薏苡仁 → 化膿・分泌物も発赤・腫痛も治す (方向変換)

桔梗 + 荊芥・連翹 → 化膿・分泌物も発赤・腫痛も治す (方向変換)

桔梗 + 蕃椒(トウガラシ) →              (方向変換)


茯苓(単独) → 胃内停水を除き、心悸亢進・めまいを治し、利尿作用

茯苓 + 白朮 → 胃の機能亢進・胃内停水を除く

茯苓 + 猪苓・沢瀉 → 利尿作用

茯苓 + 桂枝 + 甘草 → 心悸亢進・めまい・筋肉の痙攣を鎮める


知母 + 石膏 → 口渇・漏水を治す


附子を表に導く 麻黄・葛根・桂枝・防風

附子を半表半裏~裏に導く 黄連・黄芩・乾姜・人参・茯苓

附子を全身に導く 防已・細辛・白朮・芍薬 → 水毒を除く

附子を食道・咽部・胸部に導く 半夏・山梔子


柴胡(4g以上) → 胸脇苦満(主証又は主証の一部)

柴胡(3g) + 順気剤 → 胸脇苦満(主証又は主証の一部)

柴胡(3g未満) → 体質改善(胸脇苦満はないかあっても弱い)


黄連・黄芩(合わせて1g以上) → 心下痞(主証又は主証の一部)


甘草 → 急迫症状の緩解(薬味の少ない時)

甘草湯 → 精神的な痛み、神経の興奮による各種の急迫症状を治す

芍薬甘草湯 → 急迫性の激しい筋肉の痙攣と疼痛のあるものを治す

甘麦大棗湯 → 甘草と大棗による急迫した筋肉の拘攣、神経の興奮、諸疼痛の緩解


芍薬(4g以下) → 全身の筋肉の拘攣の緩解(緩和・鎮痛作用)

芍薬(6g以上) → 裏位の筋肉の拘攣の緩解(緩和・鎮痛作用)


黄耆 → 盗汗、黄汗を治す

薏苡仁 → 皮膚を潤し、瘀血・血燥を治す(皮膚病・いぼ・ガン・むち打ち等)

人参 → 全身の水毒を除く

生姜 → 胃内停水を除く

乾姜 → 新陳代謝機能亢進(体を温める作用) + 生姜(胃内停水を去る)

蒼朮 → 麻痺作用

駆瘀血生薬  当帰・川芎・桃仁・牡丹皮・地黄

鎮咳薬 杏仁・五味子・麦門冬・大棗

順気生薬(鬱滞) 厚朴・蘇葉・枳実・薄荷

順気生薬(上衝) 桂枝



【鎮咳剤】
麻黄 + 杏仁

(麻黄)

杏仁

麻黄 + 石膏

五味子

細辛

麦門冬

大棗

麻黄 + 附子





【下剤、温補剤】
大黄 + 芒硝 + 順気剤(鬱滞)

大黄 + 順気剤(鬱滞)

大黄 + 芒硝 + 順気剤(上衝)

大黄 + 順気剤(上衝)

大黄 + 芒硝

大黄≒センナ≒アロエ
| (アロエは使わない方が良い)
山梔子

車前子

乾姜≒麦芽糖(マルツエキス)≒蜂蜜

附子

乾姜 + 附子

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