健康情報: 健康に重要なミネラルとその補給

2008年11月25日火曜日

健康に重要なミネラルとその補給

●マルチミネラル multimineral
 人間の体は、約60兆個という膨大な数の細胞からできています。これらの細胞は炭化物、タンパク質、脂肪などいくつかの栄養素が集まってできており、これらの栄養素構成している最小の物質を元素といいます。自然界ではこれまで約100個の元素が見つっていますが、これらの元素のうち、人間の体の約96%は酸素、炭素、水素、窒素のつの元素からなっています。残りの4%は上記4つ以外の元素からできていますが、こ4%を総称してミネラルと呼んでいます。無機質、無機塩類、灰分ともいいます。わず体内の4%程度のミネラルですが、その内容は数多くの種類の元素からなっています。ネラルはその体内量が比較的多い主要ミネラル(カルシウム、リン、ナトリウム、カリム、マグネシウムなど)と、そうでない微量ミネラル(鉄、亜鉛、クロムなど)に分けらます。ミネラルのうち、主要ミネラルが重量としては9割以上を占めますが、微量ミネルは量こそ少ないものの、重要性が低いわけではありません。
 ミネラルはビタミン同様、食べ物として体の外から摂取しなくてはならない栄養素でり、微量ながら体にとってなくてはならない働きをします。その仕事は酵素が体内で円に働くための手助け、筋肉や神経の機能の維持といったビタミンと似たような役割を持ほか、骨や歯をつくる直接的な材料にもなっています。また、ビタミンとの共同作業にり、さまざまな所で生体の維持や成長にも関与しています。

 これらのミネラルは、、一部(ナトリウムやリン等)を除き、不足気味であるといわれいます。
 その原因として、まず、日本は火山灰土壌で欧米に比べもともとミネラル分が少なく野菜や飲料水からのミネラルの摂取はただでさえ少ないとされていることがあげられす。
 次に、塩の問題があります。
 現在、一般に販売されているJT(旧専売公社)の食塩は、イオン交換膜を用いる方法得られた、ほぼ純粋な塩化ナトリウム(NaCl)で、他のミネラル分をほとんど含みまん。しかし、本来の塩(天然塩)は、塩化ナトリウムを主成分とはしていますが、他の多の種類のミネラルも含有しており、ミネラルのバランスが良いと言われています。このうに、使用する塩が変わったために、ナトリウムの過剰摂取がおこり、他のミネラルが足するという状態になっています。
 もう一つの原因として、農産物の問題があります。昔の野菜に比べて味や匂いが弱いは、気のせいではありません。以前の農業は、有機肥料を使っていましたので、ミネラもある程度は循環していました。しかし、現代は化学肥料を使っており、植物の成長にかせないリン(P)、窒素(N)、カリ(K)を主成分(ただし、窒素はミネラルではない)とて、他の成分はあまり含まれていません(一部の例外を除く)。 このため、農作物の見目は大きくなるのですが、中味は乏しいと言わざるを得ません。また、野菜に季節感がくなったのは、路地栽培が減り、ハウス栽培が増えているせいですが、これも野菜の栄が不足している原因です。
 また、農産物に関しては、更に必要以上に精製(皮や胚芽を取り除くこと)しているこも問題です。例えば、米は、ぬかの部分に多くのミネラルが含まれていますが、現代日人の多くは、白米を食べていますので、一番ミネラルの多い部分を捨てていることになます。

 このように、ミネラルが不足している現代は、通常の食事ではまかないきれないので意識してミネラルをバランス良く取る必要があります。


『超ビタミンミネラルで病気を撃退する』
・カルシウム
 骨や歯を形成する主要材料となる。また、血清カルシウムとなって、血液のアルカリを保持する。不足すると、骨組成に支障が出る。特に血清カルシウム・イオンの量が不すると、それを補うため骨や歯その他の身体組織から溶かして用いるが、これを「カルウム脱解」といい、単に骨などを弱らせるだけでなく、他の病いをも招き寄せてしまうというのは、不足分補正分の何十倍も脱解されるので、余剰分は動脈硬化、筋肉細胞の化、腎臓結石の原因となり、生体の硬化、老化、病化の促進を招くからだ。カルシウム現代日本人にとって、最も不足しがちなミネラルであり、一日1gとっていくようにしい。

・マグネシウム
 マグネシウムはカルシウムに対して二対一の比で拮抗し、その比のとき両者の吸収はも良くなって、先のカルシウムの脱解を防ぐ。不足すると神経が興奮し、ふるえや筋肉攣の原因となる。また心疾患に関連していて、不足が不整脈の要因になる。今やカルシムよりも日本人に不足しているみねらるだ。

・カリウム
 体内でナトリウムと拮抗するミネラルで、不足すると体内にナトリウムを貯め込むこになる。この場合カリウム摂取量を増やすとナトリウムを排除できる。カリウムは現代が平均して不足させているミネラルであり、さらに、激しいストレスや激しい運動での汗、下痢などで、簡単に消失してしまう。常に補充を心がけることが肝要だ。

・鉄
 赤血球形成に不可欠。また、最近注目されるようになった活性酸素を除去する酵素カラーゼの中核となっており、鉄不足は同酵素の欠乏につながる。鉄不足の人は胃ガンにりやすいが、現代日本人は平均して鉄不足に陥っている。その主要因は鉄製の鍋釜、鉄から、アルミ鍋、アルミ食器中心になってきたことによる。

・亜鉛
 DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成に関与している。ビタミンAを活性化せ、免疫能力の強化向上に寄与する。男性の精子生産を増強して性力を強化するほか、性の性機能も強化される。また、各種酵素の構成中核となっている。これも現代人に不のミネラルの一つである。

・クロム
 今日、精白穀類(白米、白麺、白パン)、白砂糖、加工食品などの精製加工食品を常食るようになったために、クロムをほとんどの人が欠乏させている。未精白の部分にしかロムはないからだ。クロムはインスリンを活性化さて糖代謝を正常・円滑にするが、単インスリンのみあっても活性化しない。それゆえクロム不足では糖分がエネルギーにスーズに転換せず、人はエネルギー不足で常時疲労していることになる。糖尿病者はクロ欠乏に陥っている。

・セレン(セレニウム)
 1957年に有益微量元素であることが判明。強力な抗酸化ミネラルである。抗酸化力天然ビタミンEに比べ493倍も強い。セレンは肝臓でつくられるグルタチオン過酸化酵の構成因子として不可欠だ。同酵素はカタラーゼと並んで強力な活性酸素除去力をもっいて細胞の酸化防止、さらには対酸化還元力を有している。今日、栄養生化学や生物物学の発達により細胞破壊の究極的元凶がフリーラジカルであり活性酸素であることが解されてきたが、セレンはこれを阻止し組織を還元する最重要ミネラルでなのだ。抗・制ン作用が強く、老化防止力もある。心疾患にも強力な効能を示す。

・ゲルマニウム
 ゲルマニウムは必須ミネラルではないが、体内酸素の消耗を未然に防止し、結果とし生体の酸素量を豊かにする。すべての疾患は、せんじつめれば酸素欠乏に帰する。逆をえば、酸素の十分な補給によりすべての疾病を治癒可能にするといってもいいのだ。各ガンや難病・奇病、重症心身障害、ぼけその他、一見不可能とも思える病に卓効を現わす。

『栄養補助食品の正しい採り方・選び方』
・カルシウム
生理作用
 骨や歯の発達と強度を維持し、血液の正常な凝固作用、筋肉の働き、神経の伝達、心の鼓動の調節に必要です。
影響する器官
 血液、骨、歯、心臓、皮膚、軟組織
欠乏症
 手・足のマヒ、筋肉の痙攣、水腫、心臓の動悸、不眠症、骨粗鬆症、歯周病。
薬理効果
 関節炎、リウマチ、背痛、足の痙攣、不眠症、月経痛、神経過敏症、肥満。

・マグネシウム
生理作用
 マグネシウムは骨や軟組織、体液、細胞胞内に含まれ、炭水化物、脂質、タンパク質カルシウム、リン、カリウムなどの代謝の触媒の役をします。カルシウムと共に神経筋作る働きと、体内の酸とアルカリのバランスも調整します。骨の成長を助けたり、心臓はじめとする筋肉や、神経の正しい働きにも必要です。
影響する器官
 動脈、骨、心臓、神経、歯。
欠乏症
 筋肉痛、情緒不安定、低血圧、低体温、不眠症、神経過敏症。
薬理効果
 うつ病、高コレステロール、腎臓結石、前立腺障害、胃酸過多症、神経過敏症

・カリウム
生理作用
 健康な神経組織と心臓の働きのために大切な働きをします。また正常な成長と神経の激を筋肉に伝え、体液のアルカリ度を保ち、ブドウ糖を肝臓に貯蔵するためのグルコーへの変換を助けます。細胞内での酵素の働きを促進し、血液中のアミノ酸から筋肉タンク質を合成します。
影響する器官 
 血液、心臓、腎臓、筋肉、神経、皮膚
欠乏症
 血圧の低下、喉の乾き、便秘、不眠症、筋肉の衰え、呼吸器の障害、不整脈

・鉄
生理作用
 タンパク質、銅と一緒になってヘモグロビンを作ります。ヘモグロビンは、赤血球の部として、肺から必要な酸素を各組織に送ります。鉄は血液の質を高め、ストレスや病に対する抵抗力を強くします。また筋肉の収縮、タンパク質の代謝に重要な役をします。影響する器官
 血液、骨、爪、皮膚、歯
欠乏症
 呼吸困難、爪の異常、貧血、便秘、舌の腫れ
薬理効果
 貧血、大腸炎、月経異常、消化不良、アルコール中毒

・亜鉛
生理作用
 ビタミン類、特にビタミンB群の正常な吸収と働きに必要です。消化や代謝のために要な酵素の構成成分であり、アルコールを分解する酵素の成分でもあります。またインリンの成分の一つでもあり、細胞内でいろいろなタンパク質を合成するための核酸の合にも必要です。生殖器官、前立腺の発達や働きにも必要です。
影響する器官
 血液、心臓、前立腺
欠乏症
 学習能力の低下、水腫、疲労、高コレステロール、食欲減退、血液の循環不良、けが回復の遅れ、爪の白い斑点
薬理効果
 狭心症、動脈硬化、肝炎、高コレステロール、前立腺障害、学習能力の低下

・銅
生理作用
 鉄の吸収を助け、ヘモグロビンや赤血球の生成に関係します。またいろいろな酵素にまれて、体内の組織を分解したり構築します。神経細胞を保護するリン脂質の合成にも要で、ビタミンCを助けて伸縮性を持った筋肉繊維を作ります。健康な骨を作るために必要です。
影響する器官
 血液、骨、循環器システム、髪の毛、皮膚
欠乏症状
 うつ病、下痢、骨の軟化、骨粗鬆症、呼吸の異常
薬理効果
 動脈硬化、糖尿病、低血糖症

・セレニウム(セレン)
生理作用
 大切な抗酸化物質で、ビタミンEと一緒の時にその働きが強くなります。フリーラジルの発生を防ぐことにより、免疫組織を守り、細胞の酸化による老化や組織の硬化を防ます。ビタミンEとの相乗作用により抗体を作り、心臓の健康を守ります。
影響する器官
 免疫組織、すい臓、目、組織の伸縮性
欠乏症状
 運動失調症(筋肉の連帯ができない)、目まい、耳鳴り、難聴
薬理効果
 糖尿病、リウマチ性関節炎、喘息、アレルギー、疲労、神経過敏症

・ヨード(よう素)
生理作用
 ヨードは腸から吸収されやすく、血液によって甲状腺に運ばれます。余分な脂肪を燃させ、また心身の発達に必要です。甲状腺の健康を保つためにも大切で、甲状腺腫を防ます。子供のヨード不足は、知能の遅れを引き起こします。また、最近の研究によるとヨードの不足が乳がんと関係があると言われています。
影響する器官
 甲状腺、甲状腺ホルモン
欠乏症
 甲状腺機能低下、甲状腺腫、動脈硬化、肥満、心臓の動悸、子供の心身の発育不全
薬理効果
 甲状腺腫、動脈硬化症、脂質の代謝不良、子供のクレチン病(心身の発育不全)


・サンゴ草 正式名アッケシソウ(厚岸草) Salicornia europaea L.
 ユーラシアの寒帯に広く分布するアカザの一年生海岸植物。
 芽立ちは鮮緑色だが,秋には茎が赤く色く性質があり、姿かたちが海のサンゴに似いることから、別名をサンゴ草という。河などの塩分の多い泥地に大きな群落をつり、真っ赤に色づいた群落は美しく人目をく。茎は高さ10~35cm。よく分枝し,枝細長い棒形で多肉質である。葉は著しく退しており、対生する1対の葉が高さ0.6mm度の膜状の筒に変形している。筒状の葉が形の茎に並ぶ様子は甲殻類の脚の関節を思せ,イギリスでは crab‐grass の名がある花は秋に筒状の葉の腋(えき)に3個ずつつが、小さく目立たない。花被は合着し、中果実を包みこむ。日本では北海道のほか、戸内海沿岸の塩田に生育地がある。アッケソウ属は北アメリカまで分布する。ヨーロパではホウレンソウのように野菜として,たピクルスの材料にも使う。また古くは焼いたアルカリ性の灰をガラス製造に用いたのでglasswort の英名もある。  

 『本草綱目』という古代中国の薬物の書物(本草書)には、鹹草(かんそう)として記載れています。ちなみに、鹹とは、塩からいという意味です。
 江戸時代の貝原益軒も『大和本草』に、鹹草、三枝(さえぐさ)、塩草、神草、福草とし、不老長寿のめでたい草と呼ばれたと記されています。
 三枝という名前は、葉の先端が三つに分かれることからきていて、三枝姓のルーツにっていると言われています。

・天然にがり
 海水を濃縮して塩を採取した残りの比重1.3程度の粘稠な溶液のことをにがりといいす。豆腐の凝固剤として古くから使用されてきました。このにがりを乾燥させ、粉末とたものを使用しています。主成分は塩化マグネシウムで、独特な刺激のある苦みを有しす。

・カキ殻末
 カキ殻は、海に生息するカキの貝殻で、漢方では牡蠣(ボレイ)と呼ばれ、精神安定や強壮に用いられています。
 主成分は炭酸カルシウム(80~95%)で、少量のリン酸カルシウム、微量のマグネシム塩、アルミニウム塩、酸化鉄などを含みます。



参考資料1 厚生省の定めた摂取上限量/日
 亜鉛 50 mg
 クロム(Ⅲ) 0.4mg
 セレン 0.2mg
 銅 9 mg
 フッ素 4 mg
 マンガン 10 mg
 モリブデン 0.3 mg
 ヨウ素 1 mg
 (カルシウム、鉄、マグネシウムについては、特に制限なし)

参考資料2
主要ミネラル体重60kgの人1日所用量 RDA ODAカルシウム(Ca) 1000g 600mg 1200mg 800~1500mgリン(P) 570g 1200mg 800~1500mgカリウム(K) 130g 2000mg 99mgイオウ(S) 96g塩素(Cl) 73gナトリウム(Na) 54gマグネシウム(Mg) 21g 350mg  400~700mg微量ミネラル鉄(Fe) 3.9g 10mg 10mg 10~30mgフッ素(F) 2.2gケイ素(Si) 2.0g亜鉛(Zn) 1.7g 15mg 15~35mg銅(Cu) 0.069g 1.5~3mg 2~3mgホウ素(B) 0.041gバナジウム(V) 0.015gヒ素(As) 0.015gマンガン(Mn) 0.011g 2~5mg 2~5mgセレン(Se) 0.011g 70mcg  100~200mcgヨード(I) 0.010g 150mcg  250~350mcgニッケル(Ni) 0.009gモリブデン(Mo) 0.008g 75~250mcg 250~1000mcgスズ(Sn) 0.005gクロム(Cr) 0.0017g 50~200mc 100~200mcgコバルト(Co) 0.0013g
RDA アメリカの勧告摂取量
ODA アメリカの理想摂取量
リンは、加工食品に多く含まれているので、特に摂取する必要はない。むしろ、取りすが問題となる。
ナトリウムは、塩から取れるので、特に意識して摂取する必要はない。むしろ、取りすが問題となる。
塩素も塩からとれるので、特に摂取する必要はない。
イオウは、含硫アミノ酸としてタンパク質から摂取できるので、特に摂取する必要はない。コバルトは、ビタミンB12の構成物質としての働きが主であるので、ビタミンB12がれば、特に摂取する必要はない。ビタミンB12の不足は普通の食生活ではほとんどない。
参考資料3
栄養素 NOAEL LOAEL カルシウム 1500mg 2500mg以上 リン 1500mg 2500mg以上 マグネシウム 700mg 不確定 クロム(Ⅲ) 1000mcg 不確定 銅 9mg 不確定 ヨウ素 1000mcg 不確定 鉄 65mg 100mg マンガン 10mg 不確定 モリブデン 350mcg 不確定 セレン 200mcg 910mcg 亜鉛 30mg 60mg
NOAEL(No Observed Adverse Effect Level)
副作用非発現量のこと。これは、人体において副作用が全く
認められない最高摂取量を指す。NOAELを使用する時は、
何ら安全要因を検討する必要はない。

LOAEL(Lowest Observed Adverse Effect Level)
最低副作用発現量のこと。長期間の摂取で、ときに副作用が
現れる最低摂取量を表す。LOAELを使用する時の安全量を
算出するためには、安全要因を検討して摂取量を減らし、
調整する必要がある。