健康情報: アトピー性皮膚炎(アレルギー性皮膚炎)に用いられる漢方薬・健康食品・サプリメント

2010年9月27日月曜日

アトピー性皮膚炎(アレルギー性皮膚炎)に用いられる漢方薬・健康食品・サプリメント

アトピー性皮膚炎に用いられる漢方薬

症状葛




















































湯湯便秘がち◎小便の出が悪い◎○不眠傾向○○頭痛がする◎○◎○汗をかきやすい×○○◎足の裏に汗をかく◎疲れやすい○皮膚の荒れ△○◎△顔が浅黒い◎皮膚が渋紙色◎出血傾向○○貧血傾向○口・のどが渇く○○○のぼせやすい○○○手足が冷える○△月経異常○イライラする○◎鳩尾(みぞおち)がつかえる感じ◎◎化膿しやすい◎○○◎◎かゆみが激しい◎◎○○○△◎患部に痛みがある○○○水疱がある○○△△滲出物(しんしゅつぶつ)が多い△◎○△△△◎夏になると悪化しやすい◎発疹(ほっしん)が出る◎△



1.葛根湯(かっこんとう)
 体力があり、体がしっかりしている人で、普段余り汗をかかない、くびの後ろが強くこる、頭痛がする、といった人のアトピーに用います。
 なお、これらの症状に加えて、ジクジクした滲出液(しんしゅつえき)が多いという場合には、茯苓(ぶくりょう)白朮(びゃくじゅつ)を加えてよく、また多少手足が冷えがちという症状が加わっていれば、さらに附子(ふし)を加えるといっそう効果的なことがあります。
葛根湯加石膏合四物湯(…… か せっこう ごう しもつとう)
 皮疹(ひしん)に赤みがあり、患部に熱感のある陽証で、患者が体質的に頑健(がんけん)な傾向の証ないし虚実間証であったり、皮疹が重症の邪実証に、葛根湯を用いるが、劇(はげ)い瘙痒(かゆ)みを煩躁(はんそう)と考えて石膏を加えて葛根湯加石膏として用いる。桂枝加黄耆合越婢加朮湯証と虚実が近似しているが、どちらかといえば、此の方が実証のうである。桂枝加黄耆湯越婢加朮湯が効かない時に、此の方がよく奏効するのである。
 その場合、アトピー性皮膚炎などで、長年の経過を経て陳旧(ちんきゅう)化したものは一部に紅斑(こうはん)も見られるが、広い範囲の皮疹が苔癬(たいせん)化して肥厚(ひこう)、硬化、乾燥、剥皮(はくひ)落屑(らくせつ)、痂皮(かひ)等を呈し、黒褐色の色素沈着により一見汚穢(おわい)に見える。この、紅斑部分は陽証であり、黒褐色の部位は陰証で、全般的には陰陽錯雑(さくざつ)証の皮疹である。 そこでこういう場合、陽証の皮疹に対して葛根湯加石膏で対応し、陰証の皮に対応する為四物湯を合方して用いると、皮疹が改善する例がある。

2.十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
 体力が充分にある人で、患部が化膿する傾向があり、滲出液が多いものに用います。だし、この処方を虚証の人に用いると、薬疹があらわれたりして副作用に似た症状を起すので、体力が余り無いと思われる人は使わないようにします。
この薬方は、湿疹、皮膚炎にも用いられるが、むしろ蕁麻疹(じんましん)に応用することがい。半米粒大位の細かい褐赤色の皮疹が瀰漫(びまん)性ないし散在性に発疹する場合にく奏功する。また、手足の膿疹(のうしん)、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)に第一選択としている。
 但し、何れの場合も、腹診(ふくしん)によって胸脇苦満(きょうきょうくまん)を認める場合に、良く奏功するまた、その腹証(ふくしょう)(腹壁反射)は極く微妙なものもある。

3.消風散(しょうふうさん)
 体力が充実してしいる人で、患部の充血とかゆみがひどい、かさぶたがあって臭気をしている、夏に悪化しやすい傾向がある、などの症状がある場合に用います。口渇を訴ることも目標になります。
 ・痂皮(かひ)を形成し、分泌物が多く、かゆみの強いものに用い、口渇を訴える者が多い。 ・貨幣状湿疹や皮膚の肥厚、硬化等を呈し、漿液(しょうえき)分泌が甚だしく多いもの。
 ・一般に患者は陰陽錯雑の重症で、体質的には頑健な実証ないし虚実間証であって、証は見られない。


4.治頭瘡一方(じずそういっぽう)(ぢづそういっぽう)
 俗に“胎毒(たいどく)”と呼ばれる、乳幼児から小児にかけてあらわれる皮膚炎に用います。頭部顔面にきたない滲出液が出て、かさぶたをつくり、強いかゆみを訴えるものに卓効を示ます。

5.白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
 かゆみや発赤が激しく、熱感があって、患部は乾燥しており、のどの渇きがひどく、がよく出て、水をよく飲み、小便の出方がよい、という場合に用います。

6.白虎加桂枝湯(びゃっこかけいしとう)
 前記の白虎加人参湯とほぼ同じ状態の人で、のぼせて顔が上気しているような場合にいてよいものです。
 思春期以降、前胸(ぜんきょう)部、頸(けい)部、顔面に、発赤、皮疹が著しくなり、全身の皮は枯燥(こそう)する傾向がある。特に顔面の赤鬼様顔貌(がんぼう)を呈するのは、患者にとって大な苦痛である。このような症例に白虎加桂枝湯合四物湯加荊芥連翹を与え著効呈した症例を平成二年第六回国際東洋医学会(学術大会)で発表し、以後もこような患者を多数診療した…」(『漢方の臨床』第46巻第1号)
 これは主として重症の成人型アトピー性皮膚炎に該当すると思われ、体質的は虚実中間証以上で、陽証の型に応用されると考える。症状が激しいものは邪症として、やや虚証にも用いられる可能性があるとも思う。

7.越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
 体力が中等度あるいはそれ以上の人の皮膚炎で、患部は分泌物が多く、ジメジメしたただれていて、いかにもきたなく見える浮腫状である、口が渇き、多少汗が出やすい傾がある、尿の出方が少ない、という場合に用います。
 体内に水毒(すいどく)があって、皮膚まであふれ出ているのを治す処方です。

8.越婢加朮附湯(えっぴかじゅつぶとう)
 前記の越婢加朮湯の証に、手足の冷えが加わった人で、この処方は一般に滲出物の多皮膚炎によいとされていますが、乾燥している場合に効くことがあります。皮膚病に幅く使用される処方です。

9.温清飲(うんせいいん)
 患部が乾燥して、赤みと熱感があり、かゆみの強いものによく効きます。皮膚は浅黒か、ときに渋紙色(しぶがみいろ)を呈していることが多く、みずおち(鳩尾)の付近に軽度の抵抗と圧痛認めることが目標になります。
 この処方は、四物と黄連解毒湯とを合方したもので、アレルギー体質を改善する働きあります。


10.荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
 筋肉質で、肌の色が浅黒く、化膿しやすい傾向があり、手のひらや足の裏にひどく汗かきやすく、両腹直筋に緊張が認められるものに用います。
 青年期で、体質を改善する必要のある人に用いると良いものです。

11.升麻葛根湯(しょうまかっこんとう)
 頭痛、発熱、悪寒などがあって、発疹の出るものに用います。目が充血し、鼻が乾いり、眠れない、などといった症状も目標になります。

12.黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
 体力が中等度もしくはそれ以上の人で、のぼせ気味、顔色が赤い、精神不安、不眠、ライラなどの精神神経症状がある、熱感がある、といった場合のアレルギー性皮膚炎にいます。発疹は赤みを帯び、かゆみはあるが乾燥していないものによく効きます。

13.柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
 癇が強くて、好ききらいが多い腺病質(せんびょうしつ)の子供の体質改善に用います。両腹直筋の緊があり、腹にふれるとひどくくすぐったがるという傾向のある場合によいものです。

14.当帰飲子(とうきいんし)
 皮膚がカサカサに乾燥していて、分泌物が少なく、かゆみのひどい場合に用います。た逆に、分泌物がジトジトと出て乾かず、乾くかと思えばまたジトジトと出て、かゆみ強いもののにも用います。冷え症で、血色もあまりよくなく、冬に増悪する傾向のあるのに適しています。

15.桂枝加黄耆湯けいしかおうぎとう
 体力がやや虚弱な子供で、汗をかきやすい、寝汗をかくことも多い、疲れやすいとい場合のアレルギー性皮膚炎に用いてよいものです。
 アトピー性皮膚炎の発病は、普通、乳幼児からである。その様相は、皮膚が分的に発赤して紅色を呈する紅斑という症状である。初めは、狭い一部分の紅が、次第に拡大して広い範囲の皮膚が赤くなるのが一般的である。
 此の赤みのある色合いは、漢方では陽証の色である。そして患者は乳幼児だら、当然成人と比べれば体力に劣る。この点を、漢方では虚証という。そこで皮膚炎の初期は、陽虚証ということになる。
 話は飛ぶが、感冒などの急性症では、陽虚証は桂枝湯証(桂枝湯の適応症)なる。皮膚炎では、桂枝湯だけでは治らないので、これに皮疹を良くする生薬黄耆を加え、桂枝加黄耆湯にすると、皮膚炎の治療が可能になる。
 桂枝加黄耆湯の出典は『金匱要略』で、それに「黄汗の病が長引いて皮膚荒が出るものを治す」という意味の記載がある。又、皮膚病の治療法を整理した塚敬節先生の論説の、「陽性に桂枝加黄耆湯」という記述(『漢方と漢薬』第巻 第一号、昭和九年)を根拠として、皮膚炎にこの薬方を用いるのである。 関連処方
a.桂枝二越婢一湯加黄耆(けいしにえっぴいちとう か おうぎ)
 成分一日量の桂枝湯の2/3量と越婢湯1/3量を合わせた薬方が桂枝二越婢一である。感冒などの発熱症で、虚証ではあるが、桂枝湯症より悪寒が少なく、感が多いのが、本方の証である。患者の体質が桂枝湯症を現すよりやや強いか病症(病邪(びょうじゃ))がやや激しいものである。
 皮膚炎には、本方に黄耆を加えて、桂枝二越婢一湯加黄耆として用いる。桂加黄耆湯証より、患者の体質がやや強い実証か、紅斑の発赤がやや劇(はげ)しく、痒(かゆ)も強い病邪、病証がやや実証に用いる。次項の桂枝加黄耆湯合越婢加朮湯証と桂枝加黄耆湯証との中間の虚実が対象となる。

b.桂枝加黄耆湯越婢加朮湯(……ごう えっぴかじゅつとう)
 皮膚炎の紅斑が、桂枝加黄耆湯より発赤の赤みが強く、瘙痒(そうよう)も比較的激しい合に、桂枝加黄耆湯越婢加朮湯を用いるとよい。この時湯液ならば越婢湯で良いが、エキス剤は越婢加朮湯なのでこのようにしている。
 桂枝加黄耆湯証と病症が似ていて、より実証である。
 越婢加朮湯は、出典の『金匱要略』には、下肢の浮腫や関節痛などに対応す(表実証)とされているが、大塚敬節先生が皮膚病の治療薬方として、越婢湯共に挙げられた。

c.桂枝加黄耆湯白虎加人参湯(……ごう びゃっこかにんじんとう)
 皮膚炎で、桂枝加黄耆湯証に似ているが、患者が体格、体質が比較的頑強で病邪、病症がより激しくて紅斑の赤みが強く、瘙痒(そうよう)が劇しい邪実証には、桂枝黄耆湯に合わせて陽実証に対応する白虎湯を合方するとよい。
 エキス剤による治療の場合は、桂枝加黄耆湯白虎加人参湯を併用する。
 大塚敬節先生は、白虎湯白虎加人参湯を皮膚病治療の薬方として既に挙げれたが、これが一般化したのは、岡山の漢方専門医師岡利幸氏重傷が重傷のアピー性皮膚炎に白虎湯合四物湯が奏功した治験を発表してからである。(第六国際東洋医学会学術大会)

d.桂枝加黄耆湯黄連解毒湯(……ごう おうれんげどくとう)
 皮膚炎が主に紅斑の型で発疹し、ごく一部角化、乾燥を呈し、紅斑の紅色がや暗色の傾向があって、かゆみが強く、稀にほてりを訴える。
 患者はほとんどが成人で、幼少期は稀である。表証が一部裏証を兼ねていたり陽証が僅かな陰証を兼ねていると思われる。体質的に、顕著な虚証、虚弱ではく、中間証乃至やや実証である。こういう場合に、桂枝加黄耆湯に黄連解毒湯合わせて用いるとよい。



e.桂枝加黄耆湯四君子湯(……ごう しくんしとう)
 発疹が主に紅斑を呈している皮膚炎で、桂枝加黄耆湯証と思われる陽虚証の者が、顕著な胃腸虚弱、胃下垂の脾虚証(ひきょしょう)で、胃部の膨満感、消化不良、食欲不振軽度の嘔気(おうき)(むかむか)等胃弱の症状を兼ねて訴え、皮疹の回復も思わしくな時に、桂枝加黄耆湯に胃弱を補う四君子湯を合わせて用いると、胃の症状が改すると共に皮膚症状も快方に向かうことが多い。
 前項の桂枝加黄耆湯合黄連解毒湯が、裏実証の傾向なのと対照的な裏虚証の合である。

f.桂枝加黄耆湯加竜骨牡蛎(……か りゅうこつぼれい)
 桂枝加黄耆湯桂枝加竜骨牡蛎湯を合わせて(合方として)用いる方である。 皮疹の辛さや瘙痒の不快さの為神経過敏、不安、抑鬱気分等を呈して、気が鬱滞(うったい)すると、皮疹の回復が阻害される。その場合、皮膚炎の証が桂枝加黄耆湯ならばこれに竜骨、牡蠣を加えて用いるとよい。
 本方は、金匱要略(血痺虚労(けっぴきょろう)病)に「精気衰えた(清穀(せいこく)、亡血(ぼうけつ)、失精(しっせい)の)者治す」とされ、類聚方に「桂枝湯で胸腹に動悸がある(神経過敏により心搏動腹大動脈搏動が表れている)ものを治す」とあるを根拠にする。

g.桂枝加黄耆湯加附子(……か ぶし)
 皮膚の広い範囲に、赤みのある、紅色の紅斑が発疹しているが、色合いが鮮色でなく、なんとなく灰白色がかっていて、乾燥した部分が混在したりして、が沈細(ちんさい)、沈微(ちんび)の虚寒(きょかん)であり、疲れやすかったり、手足が冷えたりし、体質的にい虚証である。陽証に、陰証、寒証が一部併存した、陰陽錯雑証に、桂枝加黄湯加附子1.0~2.0gを用いると良い。
 アトピー性皮膚炎で、紅斑が多発した虚弱体質の幼児に、強い体質の実証にいる薬方を2・3連用した為、体力が一層低下し、体が冷えた病態になった。の患児(かんじ)に桂枝加黄耆湯加附子を投与して、体力も皮疹も回復することがある。
16.十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
 体質的にやや弱い比較的虚証や、必ずしも虚証に見えないが、虚労で重症の皮膚炎を症した場合に用いる。
 脈、腹力が弱いが顕著ではなく、甚だしく心身を労した後や、疾患が長年経過した為心身が疲労した虚労によって、広範囲の皮疹が苔癬化して、暗褐色、黒色調となり、肥厚硬化、乾燥、落屑等が甚だしく、時として漿液分泌を伴って顕著に湿潤する。一見して症で、汚穢に見える場合に、十全大補湯がよく奏効する。

17.補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
 発生学的には皮膚と粘膜(消化器粘膜、呼吸器粘膜など)は同じ。
胃腸の調子を整え、身体を整えて自然治癒力を高めることを最優先にする。

18.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
 体質的に虚実間証で、腹診によって瘀血の腹証を明らかに認める場合。
 頑固な湿疹で、血の腹証として、下腹や臍傍に抵抗と圧痛。 いろいろの薬方で効ないものが、これで治ることがある。

19.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
 体質的に比較的虚証で、腹診によって軽度な瘀血の腹証を認める場合に応用される。

20.大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
 悪臭、漿液(しょうえき)性、患部鬱血、汚い、小腹腫痞、便秘

21.桃核承気湯(とうかくじょうきとう
 漿液が濃く、悪臭、患部が赤黒く鬱血(うっけつ)、かさぶたができやすい、痒みが強い、のぼせ頭痛、便秘、小腹急結(しょうふくきゅうけつ)

22.大柴胡湯(だいさいことう)
 湿疹の患者で、胸脇苦満があって、便秘し、脈にも力があるものによい。患部は湿ったかさぶたを作る傾向があるものに用いる。

23.防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
 体格のよい肥満した人、便秘、脈にも力があり、湿疹が頑固で治り難い。患部は赤くだれ、分泌物が湿っていることが多い。

24.清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
 首から上の湿疹、患部に赤み、腫脹、化膿傾向、のぼせ、赤ら顔

25.真武湯(しんぶとう)
 胃腸虚弱、下痢傾向、冷え症、脈弱、赤みに乏しく、発疹も小さいい

26.茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)
 痒みが強い、夜も眠れない、口渇、小便不利、首上に汗、便秘、
 舌に黄膩苔
 ※膩苔(じたい): 苔が油を帯びたように、 べったりとしているもの

27.猪苓湯(ちょれいとう)
 患部の分泌物が多い場合や湿潤していたり水疱性の時で、多少とも熱性の傾向が認めれる場合
 多汗症


【加味(かみ)される生薬(しょうやく)】
荊芥(けいがい)
シソ科のケイガイの花穂(かすい)及び茎葉(けいよう)。発汗・解熱・消腫(しょうしゅ)・解毒作用があり、十敗毒湯・荊芥連翹湯などの皮膚病の薬に配合される。

連翹(れんぎょう)
モクセイ科のレンギョウの果実で微に寒薬としての働きがある。風邪の初期の熱・微悪寒・発疹などの症状・おでき・熱による尿閉(にょうへい)・排尿困難・排尿痛なに応用する。
皮膚病に使用する漢方薬に、荊芥・連翹の組合せを加味して効果を増強するこが多い。

薏苡仁(よくいにん)
 ハトムギ(イネ科)の種皮を除いた種子。
 消炎・利水・排膿(はいのう)・鎮痙(ちんけい)・滋養・強壮作用があり、むくみ・いぼ取り・皮膚の荒れ・みなどで漢方薬方に配合され、また、民間薬として単味で使用する。

大黄(だいおう)・芒硝(ぼうしょう)
 便秘の改善
 病毒の排出


健康食品・サプリメント
1.ビートオリゴ糖
 オリゴ糖には多くの種類がありますが、ビートオリゴ糖は、その一種です。
ラフィノースとも呼ばれ、D-ガラクトース、D-グルコース、D-フルクトースからる三糖類のオリゴ糖で、ビート(砂糖大根、甜菜(てんさい))から抽出されます。天然にも多く見い出される難消化性オリゴ糖で、ビートのほか、砂糖キビ、蜂蜜、キャベツ、母、ジャガイモ、ブドウ、麦類、トウモロコシ、マメ科植物の種子(大豆など)等に存在しす。つまり、ビートオリゴ糖は人間がこれまで最も量的に摂取してきた難消化性オリゴと言えます。
 また、ビートオリゴ糖や大豆オリゴ糖以外の多くのオリゴ糖は、微生物や酵素によって工業的に製造したオリゴ糖ですが、ビートオリゴ糖は、砂糖の原料であるビートから抽出した天然のものであると言う特徴があります。
 ビートオリゴ糖は、オリゴ糖の一種であり、腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増殖させ、悪玉菌を減少させる作用が認められています。
 ビートオリゴ糖はヒトの消化酵素では大部分が分解されず、また吸収されることなくそのまま大腸にまで届き、善玉菌の栄養源となります。しかも、悪玉菌には利用されなので、善玉菌のみが増えるわけです。更に、腸内細菌の総数はほぼ一定ですので、善玉の増えた分だけ悪玉菌が減ることになります。
 
 アトピー性皮膚炎には、体質、食物、ダニ等色々な原因が考えられていますが、198年代より、消化管の常在真菌(じょうざいしんきん)であるカンジダ(Candida)の異常な増殖が原因の一つであるとの説が出てきました。
 カンジダは、ヒトや動物の口腔・消化管や皮膚そのほかの体内外から見いだされる、どこにでもある真菌(酵母やカビ)の一種ですが、通常の場合は人体に害を及ぼしません。しかし、抗生物質などの薬剤が長期に用いられたとき(菌交代現象(きんこうたいげんしょう)による)や、人体の感防御の仕組みである免疫系の機能が低下したような場合に、体内で異常に繁殖してしまます。増殖したカンジダは、毒素(Canditoxin)を出してヒトの免疫能力を低下させ、抵力を弱めます。また、腸の粘膜に菌糸を伸ばして腸壁に穴を開け、アレルゲンとなる異物を侵入させやすくします。抵抗力が弱まれば、ヒトの体は「非常時用」の抗体をつくらるを得なくなり、その結果、各種のアレルギー反応が生じてきます。また、穴の開いた壁から異物が入りやすいので、当然、多種類の食物アレルギーも起こってきます。更にカンジダ自体がアレルゲンの一つでもあり、カンジダやCanditoxinがアトピー性皮膚炎の因の一つになっているとの説もあります。
 実際、Buslau氏は、糞便中のカンジダの陽性率が、正常者(54%)に対して、アトピー性皮膚炎患者(70%)で、高率に見れてたと報告しています。また、松田三千雄氏らも重症アトピー性皮膚炎患者で60%、正常者で45%の陽性率と、同様の傾向を見い出しいます。
 そこで、カンジダの好物であるアルコールや砂糖、果物(果糖)、みりん等を摂取しなようにし、抗真菌剤(ナイスタチン等)を内服することで、症状の改善が得られると考えれ、そのような臨床が行われています。日本では、松田三千雄氏が比較的重症なアトピー性皮膚炎の7~8割に有効と報告して以来、アレルギー疾患治療ガイドラインにも取りれられる様になってきました。
 一方、ビートオリゴ糖には、腸内細菌叢を改善する働きがあります。すなわち、善玉を増やし、有害なカンジダ等の増殖を押さえられ作用があると考えられます。
 そこで、松田三千雄氏は、食事から、甘いもの、果物、アルコールの除去を行い、ビートオリゴ糖を投与(乳児1.0g/日、1才1.0g/日、3才2.0g/日、6才3.0g/日、人6.0g/日)する臨床試験を行いました。その結果、50例中、著効(皮疹がほぼ消失)は2例(44%)、有効(紅斑、湿潤、掻痒(そうよう)低下)は16例(32%)、無効(改善無)は12例(24%)、増悪0例(0%)との結果が得られました。有効率は有効、著効合わせて50例中38例(7%)と非常に良い結果を得ました。副作用は1例で下痢が認められましたが、一回投与を減量することで、消失しました。
 効果発現までの週数は、1週間から5週間までで、平均は1.92週でした。これは、真菌剤であるナイスタチンを投与した場合に比べても遜色ありません。
 ビートオリゴ糖を投与しても無効であった例に抗真菌剤を投与することで、皮疹の改を得た例(12例中3例)もあることから、ビートオリゴ糖は、抗真菌剤よりも効果は劣る可能性が考えられましたが、抗真菌剤を投与した時に起こるHerxheimer現象が認めらないという利点もあります。つまり、副作用としては、下痢のみで、これも量を少なくることで解決しましたので、重大な副作用はないと考えられます。
 すなわち、副作用の恐れのある抗真菌剤を投与する前に、ビートオリゴ糖で先に試しみる方が良いと言えます。
  また、カンジダのみではなく、タンパク質が吸収される場所である小腸で増殖して粘膜を破壊したり毒素を出したりする病原性の大腸菌が、多くの例で見つかっていますこれらの悪玉大腸菌もアトピーに関係しているとの考えもあります。これに関しても、ビートオリゴ糖の投与での改善が期待できます。
 すなわち、ビートオリゴ糖を摂取することで、腸内環境を改善し、カンジダや大腸菌抑制し、その結果アトピーが改善するわけです。
 ※Herxheimer(ヘルクスハイマー)反応:ヤーリッシ・ヘルクスハイマー反応
もともとは、梅毒でペニシリンを内服を開始すると急に発熱・関節痛・皮疹の化があることです。その他の病気でも抗生物質・抗真菌剤・抗ウィルス剤で一悪化する時に使われます。既存の感染症に薬が効果があると大量の死骸に身体過剰反応して起ります。
まとめ
・高い安全性
・長い食経験
・100%天然物(ビートより抽出)
・大手業者(森永)の乳児用のアレルギー用ミルクにも採用されている
・食事は、甘いもの、果物、アルコール、みりんをさける。
・ビートオリゴ糖を1日4~6g程度とるようにする(成人)。
 子供の場合は、量を減らす。
 (目安として、0~1才1.0g/日、1~3才2.0g/日、3~6才3.0g/日)
・下痢をする場合は量を減らす。
 軟便程度で苦痛がなければ、減らさなくてもしばらく(通常2~3日程度)
 すれば、普通便となる。 
・アトピー以外の効用
 便秘の解消。
 歯周病や虫歯の予防


2.EPA(エイコサペンタエン酸、イコサペント酸)
 イワシ、アジ、サバなどの青魚に含まれる脂肪の一種です。
 脂肪はよく動物脂肪(主に飽和脂肪酸)と植物脂肪(主に不飽和脂肪酸)の二つに分けて「動物脂肪=悪玉」、「植物脂肪=善玉」というように考えられていますが、それほど純なものではありません。
 動物の油にしても植物の油にしても、たくさんとると、それぞれに含まれる脂肪酸がの中に蓄積されます。ここで重要な点は、「脂肪酸は、種類によって違いがある」という事実です。脂肪酸やその代謝物(体の中で酵素などの働きで化学的に変化した物質を、の三つに分けることができます。それぞれのグループで体に対する作用の仕方が異なりす。

①飽和脂肪酸系(動物性食品、パーム油など)
②リノール酸系
 ・リノール酸(多くの植物の種子、穀類、食用油(ベニバナ油等)、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシングなど。)
 ・γ-リノレン酸(月見草油など)
 ・アラキドン酸(肉類に少量)
 ・プロスタグランジン2、ロイコトリエンB4など
③α-リノレン酸系
 ・α-リノレン酸(野菜の葉や根、植物プランクトン、シソ油など)
 ・エイコサペンタエン酸(魚介類、藻類)
 ・プロスタグランジン3、ロイコトリエンB5

これらの三つのグループは、体の中で代謝されても、相互乗り入れのように他系列へ変化していくことはありません。これまでの一般常識と異なるのは、同じ植物油でも、リノール酸系とα-リノレン酸系は、はっきり分けて考えるべきとしている点です。特に問題のは、体内に入ってくるリノール酸グループの脂肪酸(アラキドン酸)と、α-リノレングループ(エイコサペンタエン酸)のバランスです。細胞の膜にこの二つの油(アラキド酸とEPA)のどちらが多く含まれているかで、アレルギーの症状の起こり方がまった違ってきます。
 アレルギー反応が起こると、その刺激によって、炎症を引き起こす物質が作られます。細胞の中からはヒスタミンなどが出てきますが、細胞の膜からは、ロイコトリエンやプスタグランジンといった、炎症やかゆみを引き起こす物質が作られます。ここで重要なとは、アラキドン酸から作られる炎症を引き起こす物質は、EPAを原料として作られ類似物質に比べて、その作用が強いことです。
 例えば、アラキドン酸からできるロイコトリエンB4という物質は強い炎症を起こしすが、EPAから作られるロイコトリエンB5は、その三十分の一の作用しか持っていせん。要するに、α-リノレン酸やEPAをたくさんとれば、体はアラキドン酸体質からEPA体質に変わり、たとえアレルギー反応が起きても、強い炎症は表れません。動物験でも、α-リノレン酸やEPAを食べさせると、アレルギーによる炎症が抑えられる果が出ています。また、EPAをたくさん摂取するエスキモーにはアレルギー病が少ないことも知られています。
 上記のように、EPAの摂取により、アトピーの改善が期待できます。
 DHA、DPA、フラックスシードオイル(亜麻仁油)も同様な効果が期待できます。

【関連物質】
 共役リノール酸(CLA;異性化リノール酸)(2,000~3,000mg/日)
・リノール酸がアラキドン酸に代謝される反応を抑制し、結果的にアラキドンからの炎症性エイコサノイドの産生を低下させる。
・ダイエットなどにも、良く用いられる。ひまわりの種子に多く含まれる。
・共役リノール酸からIgGが産生され、IgGはアレルギー反応の引き金となるIgEの産生を抑制

3.ビタミンC(大量投与)2グラム~5グラム/日 3~4回に分けて
 ビタミンCは抗酸化剤として非常に優れており、フリーラジカルをたたいてくれ、また、副腎でのコルチゾール(ステロイドホルモン)の分泌を促します。
 

4.ビタミンB12(大量投与) 1,000μg/日
 栄養所要量は、2.4μg/日であるので、かなり大量の投与
 一酸化窒素(NO)の消去作用
一酸化窒素はフリーラジカルの一種で、もし過剰に存在すると皮膚を初め、多くの器に障害を与えます。また、炎症性メディエーターとして、アトピーの本態である炎症も悪化させます。
 ビタミンB群であるので、他のビタミンB類も一緒に摂った方が良い。
ビタミンB1:50mg/日、ビタミンB5(パントテン酸):50mg/日
この二つのビタミンBはビタミンCとともに副腎皮質の働きを活発にしてくれます

ビタミンB2:50mg/日、ビタミンB6:50mg/日
顔の赤みをとってくれます。
更にB6はセラミドの生成に、マンガンと共に必須
ただし、B6は乳汁分泌ホルモンであるプロラクチンの分泌を抑制すので、授乳中や妊娠中は注意。
顔の赤味にはシステインも効果的なことがあります。
1,000~2,000mg/日

5.酪酸菌(らくさんきん)
医薬品では、ミヤリサンやビオスリー
ビオチンも一緒に摂取

6.ビオチン(ビタミンH)(大量投与) 5mg/日
必ず、α-リポ酸300~600mgも同時に摂る。
ビオチンだけの摂取では、α-リポ酸が不足する可能性。
マンガン(Mo)も3~4mg/日摂ったほうが良い。

7.セレン(Se)
50~1150μg/日
グルタチオン ペルオキシダーゼの生合成に必要

8.ビタミンD3(コレカルシフェロール、Cholecalciferol)
(大量投与) 1,000~2,000IU/日
【参考】成人(男女) 目安量:5μg(200IU)/日
          上限量:50μg(2,000IU)/日

9.亜鉛 15~30mg/日
銅  1~2mg/日
(亜鉛:銅=15:1)
皮膚の再生、免疫力強化

10.ブラダーラック(ヒバマタ、ケルプ):500~600mg/日
ヨウ素、亜鉛、カリウムといったミネラルが豊富に含まれています
甲状腺機能亢進

11.ビタミンE(ミックストコフェロールで)
天然のビタミンEにはトコフェロール類とトコトリエノール類という2つのグープがあり、それぞれにα(アルファ)体、β(ベータ)体、γ(ガンマ)体δ(デルタ)体の4種類、合計8種類のビタミンEが存在することがわかってます。
α-トコフェロールの単独摂取はかえって心血管系の病気のリスクを増すとい研究発表が出ています。従って、食物から自然のままに多くの形のビタミンE同時に摂取するのが最も理想的です。

12.セラミド
保湿
   小麦由来、コンニャク由来、米由来等ある。
   本来のセラミドとは、構造が異なる。
   作用機序は不明