健康情報: 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) の 効能・効果 と 副作用 ダイエット効果

2011年9月27日火曜日

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) の 効能・効果 と 副作用 ダイエット効果

漢方診療の實際』 大塚敬節 矢数道明 清水藤太郎共著 南山堂刊
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
 当帰 芍薬 川芎 梔子 連翹 薄荷 生姜 荊芥 防風 麻黄各一・二 大黄 芒硝各一・五 桔梗 黄芩 石膏 甘草各二・ 滑石三・ 
  本方は、肥満症で実證の中風体質者に最も屡々用いられ、高血圧・動脈硬化症を招来する原因としての腸性自家中毒物(食毒)・腎性自家中毒物(水毒)及び先 天的後天的梅毒、或は淋毒等種々の毒物を大小便及び汗より排泄し或はこれを解毒させる。脈は力があって充実し、腹は臍を中心として膨満し、所謂重役型の太 鼓腹を呈するものに用いてよい。特に心下部の緊張しているものは大柴胡湯加石膏の行くところである。如何に血圧が高くとも、痩せ型で顔色の蒼白なもの、腹筋拘攣し、また甚しく弛緩しているものには用いてはならない。また本方を服用して著しく食欲が衰え、また不快な下痢を起すものもまた禁忌である。
 本方の大黄・芒硝・甘草は調胃承気湯で、胃腸内の食毒を駆逐する。防風・麻黄は皮膚を開達して病邪を発散し、桔梗・山梔子・連翹は解毒消炎の能がある。荊芥・薄荷葉は、頭部の熱を清解し、白朮は滑石と共に水毒を腎膀胱より排泄する。
 黄芩・石膏は消炎鎮静的に作用し、当帰・芍薬・川芎は血行を調整する。
 本方は以上のような目標に従って、高血圧・脳溢血・動脈硬化症・肥満症・脂肪心・慢性腎臓炎・糖尿病・丹毒・頭瘡・眼病・蓄膿症・酒皶鼻・皮膚病・喘息・胃酸過多症・脚気・梅毒・淋疾・痔疾等に広く応用される。



『漢方精撰百八方』
89.〔防風通聖散〕(ぼうふうつうしょうさん)
〔出典〕宣明論

〔処方〕当帰、芍薬、川芎、梔子、連翹、薄荷、乾生姜、荊芥、防風、麻黄 各1.2 大黄、芒硝 各2.0 白朮、桔梗、黄芩,甘草 各2.0 石膏3.0 滑石5.0

〔目標〕この方は宣明論の中風門に「中風、一切の風熱、大便閉結し、小便赤渋、顔面に瘡を生じ、眼目赤痛し、或いは熱は風を生じ、舌強ばがり、口噤し、或いは鼻に紫赤の風刺��(やまいだれに軫)を生じ、(酒査鼻のこと) 而して肺風(喘息様)となり、或いは癘風(れいふう、癩病様)となり、或いは腸風(痔疾患)あって痔漏となり、或いは陽鬱して諸熱となり、譫妄狂する等の症を治す」とある。
 本方は肥満卒中体質者に用いられることが多く、体内に食毒、水毒、梅毒、風毒など、一切の自家中毒物が鬱滞しているものを、皮膚、泌尿器、消化器を通じて排泄し解毒する作用がある。
 本方は臍を中心として病毒が充満し、俗にいう太鼓腹で、重役型の体質者に多く、便秘がちで、脈腹共に充実して力あるものに用いる。中にはそれほど腹満者でなくとも、本方の適応するものがある。
 本方を服用して、食欲が衰えたり、不快な便通で腹痛がひどいようなときは、他の処方を考えるべきである。

〔かんどころ〕臍を中心に腹部充実し、三焦皆実するというもの。

〔応用〕肥満体質者、常習性便秘、高血圧、中風予防、脳溢血、慢性腎炎、頭瘡、丹毒、禿髪症、発狂、酒査鼻、痔疾、梅毒、皮膚病、蓄膿症、喘息、糖尿病、癰疽等

〔治験〕頑固な頭痛
 76才の老婆。この人は50年来頑固な頭痛に悩まされてきた。あらゆる頭痛止めの売薬を飲んだが治らない。約8年前から血圧が高くなり、時々200位に達する。1ヶ月前から左の顔面神経が麻痺状となり、言語障害も起こり、便秘して7日に1回位しかない。  この患者はそれほどひどい肥満者ではなかったが、腹証に本方の証が潜在していると診られたので、二陳湯を加えて与えた。
 服薬後快く便通があり、3日目になると、50年来のあの頑固な頭痛がきれいにとれ、忘れ物をしたようで、頭痛止めの売薬の必要が全くなくなった。頭痛ばかりでなく血圧も2ヶ月後には140-70となり、すべての状態がよくなった。否定型的本方証である。
                                  矢数道明

漢方薬の実際知識』 東丈夫・村上光太郎著 東洋経済新報社 刊
12 解毒剤
 
 解毒剤は、自家中毒がうつ満して起こる各種の疾患に用いられる。また、やせ薬としても繁用される。
 各薬方の説明
 
 1 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)  (宣明論)
  〔当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、梔子(しし)、連翹(れんぎょう)、薄荷(はっか)、生姜(しょうきょう)、荊 芥(けいがい)、防風(ぼうふう)、麻黄(まおう)各一・二、大黄(だいおう)、芒硝(ぼうしょう)各一・五、桔梗(ききょう)、黄芩(おうごん)、石膏 (せっこう)、甘草(かんぞう)各二、滑石(かっせき)三〕
 本方は、三焦・表裏・内外すべてに病邪が充満しているものを、 表を発汗し、裏を下し、半表半裏を和して排除するものである。したがって、脂肪 ぶとりの体質で、充血、眼底出血、発疹、発斑、化膿、腹部の膨満、便秘などを目標とする。実証の中風体質者を目標にすることも多い。本方をやせ薬として使 用する場合は、一日に二回ぐらいの便通がある程度に増量することが必要である。一日一回の便通がある程度では、身体の調子がよくなり、かえってふとること がある。
 〔応用〕
 つぎに示すような疾患に、防風通聖散證を呈するものが多い。
 一 高血圧症、中風、脳溢血、動脈硬化症その他の循環器系疾患。
 一 慢性腎炎、尿毒症その他の泌尿器系疾患。
 一 円形脱毛症その他の皮膚疾患。
 一 蓄膿症、中耳炎その他の耳鼻科症疾患。
 一 そのほか、気管支喘息、胃酸過多症、眼病、脚気、肥胖症、丹毒、よう、化膿性腫物、糖尿病など。



《資料》よりよい漢方治療のために 増補改訂版 重要漢方処方解説口訣集』 中日漢方研究会
70.防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) 宣明論
当帰1.2 芍薬1.2 川芎1.2 梔子1.2 連翹1.2 薄荷1.2 生姜1.2 荊芥1.2 防風1.2 麻黄1.2 大黄1.5 芒硝1.5 桔梗2.0 黄芩2.0 石膏2.0 甘草2.0 滑石3.0 白朮2.0


現代漢方治療の指針〉 薬学の友社
 脂肪ぶとりの体質で便秘し尿量減少するもの。本方は所謂重役タイプの見られる肥満症の体質改善薬で,下腹部における脂肪過多を伴なった適応症欄記載の各症状に応用されるが,色白で水ぶとりの体質には不適で,この場合は防已黄耆湯が適する。またみぞおち周辺部が硬く張り便秘がひどい肥満体には本方より大柴胡湯がよく、大柴胡湯でも効果が少ないとか婦人で月経閉止を伴なう時は更に桃核承気湯を併用するとよい。本方はやせて顔色が蒼白な人には投与してはならない。本方を服用後食欲が減退したり,あるいは腹痛や不快感を伴なう下痢を起した場合は柴胡桂枝湯あるいは平胃散五苓散合方で治療し,他の適当な処方例えば大柴胡湯などに転方すべきである。


漢方処方解説シリーズ〉 今西伊一郎先生
 本方は皮下の脂肪沈着が著しい肥満症で,とくに脂肪沈着が下腹部に集中し,エブスタインの脂肪沈着分類による滑稽期,同情期に該当するもので大鼓腹,二重あごなどのいわゆる重役タイプの肥満症を目安に,適応症欄記載の疾患に広範に利用されている。

 肥満症 本方は皮下に沈着した過剰の脂肪を徐々に取除き,体内の老廃物を排出させる作用があるので,漢方のヤセ薬として貴重な存在となっている。筆者もこの種の肥満症に投薬し,服薬6ヵ月~8ヵ月ほどでスタイルがよくなったうえに,体調もすごく好調になったと喜ばれた例を,何例かもっている。

 神経痛 本方は更年期や初老期に多い腕神経痛,肩関節周囲炎に応用されるが,その応用の目安は血色のよい肥満体質である。

 応用時の鑑別 大柴胡湯は本方とよく似ているが,外見上筋骨質,筋肉質でしかも,身長,体重,胸囲のバランスが割合いによくとれており,胃部が硬くつかえて左右季肋部から,側胸部にかけて圧迫感がある点で,本方との区別ができる。
 防已黄耆湯 次項のとおり本方と比較して,肥満している点で類似するが,肥満の素因が異なり,防已黄耆湯は軟らかい水太りの体質で筋肉もブヨブヨしており,その愁訴も血圧や心臓症状 あるいは,ヒフ疾患などがなく,神経痛,関節痛,過多発汗などに限定されるので本方との鑑別ができる。


漢方処方応用の実際〉 山田 光胤先生
○実証で体力が充実し,腹部が膨満して力のある,いわゆる太鼓腹で重役型の体質の人に多く,便秘がちのものに用いる。脈に力があり,腹部は臍を中心に充実しているが,中にはあまり腹満していないものもある。
○肥満卒中体質者に用い現れることが多く,食毒,水毒その他の一切の自家中毒物が停滞して,種々な病変を呈するものを,発汗,利尿,便通などによって諸毒を排泄し解毒する作用がある。


漢方治療の実際〉 大塚 敬節先生
○本方には下剤が入っていて瀉下の作用があり,いわゆるのぼせをひきさげる効がある。この方を用いる口訣,“頭痛がつよくて,耳鳴があり,首すじがこり,めまいがして,手足が冷え,大便が秘結し頭部にフルンケルなどが次々とできるものに用いる。これを用いると一時蕁麻疹様のものができることがあるが,これは一時の現象にすぎないから,ひきつづきのんでよい。このような患者に手足が冷えて頭痛がするからとて,半夏白朮天麻湯などを用いると,却って肩こりも,頭痛も,耳鳴もひどくなる。」とある。
○有持桂里「この方は鼻痔(鼻茸),鼻淵,酒査鼻等に皆効がある。儒門事親では,鼻の塞子症に此方を用いて汗を取る法をのべている。是もたしかに高按であるけれども自分はこの方を広く用い,鼻齆,鼻淵,酒査鼻の三症にみな通じる方で冗雑ではあるがよく効くし,この方はすべて毒が上部にあるものに用いて思いの外よくきくものである。


漢方診療の実際〉 大塚,矢数,清水 三先生
  本方は肥満症で実証の中風体質者に最も屢々用いられ,高血圧,動脈硬化症を招来する原因としての腸性自家中毒物(食毒),腎性自家中毒物(水毒)及び先天的,後天的梅毒,或は淋毒等種々の毒物を大小便及び汗より排泄し或はこれを解毒させる。脈に力があって充実し,腹は臍を中心として膨満し,所謂重役型の太鼓腹を呈するものに用いてよい。特に心下部の緊張しているものは大柴胡湯加石膏の行くところである。如何に血圧が高くても痩せ型で顔色の蒼白なもの,腹筋拘攣し,また甚しく弛緩しているものには用いてはならない。また本方を服用して著しく食欲が衰え,また不快な下痢を起すものもまた禁忌である。
 本方の大黄,芒硝,甘草は調胃承気湯で,胃腸内の食毒を駆逐する。防風,麻黄は皮膚を開達して病邪を発散し,桔梗,山梔子,連翹は解毒,消炎の能がある。荊芥,薄荷葉は頭部の熱を清解し,白朮は滑石と共に水毒を腎膀胱より排泄する。黄芩,石膏は消炎鎮静的に作用し,当帰,芍薬,川芎は血行を調整する。
 本方は以上のような目標に従って,高血圧,脳溢血,動脈硬化症,肥満症,脂肪心,慢性腎臓炎,糖尿病,丹毒,頭瘡,眼病,蓄膿症,酒皶鼻,皮膚病,喘息,胃酸過多症,脚気,梅毒,淋疾,痔疾等に広く応用される。


漢方処方解説〉 矢数 道明先生 
 本方は肥満性卒中体質者に用いられることが多く,体内に食毒,水毒,梅毒,風毒など一切の自家中毒が鬱滞しているものを,皮膚,泌尿器,消化器を通じて排泄し,解毒する作用がある。本方は臍を中心として病毒が充満し,俗にいう太鼓腹,重役腹といわれる腹証を呈し,便秘がちで,脈腹ともに充実して力があるものである。ただしそれほど肥満者てなくても,本方の適応するものがある。慢性の皮膚病などによく見られ,本方を服用しているうちにその正証が現われてくることがある。


宣明論〉 劉 完 素 先生
 中風,一切の風熱,大便閉結し,小便赤渋,顔面に瘡を生じ,眼目赤痛し,或は熱は風を生じ,舌強ばり,口噤し,或は鼻に紫赤の風棘癮𤺋を生じ(酒査鼻の発疹),しかして肺風(気管支喘息疾患)となり,或は厲風(癩病及類似症)となり,あるいは腸風(痔疾患)あって痔漏となり,或は陽鬱して諸熱となり,譫妄驚狂する等の症を治す。

※齆:鼻詰まり、鼻詰まりで言葉がはっきりしない
𤺋:やまいだれ+軫




(効能・効果)
【ツムラ・他】
腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症。

  • 高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘。

【コタロー】
脂肪ぶとりの体質で便秘し、尿量減少するもの。

  • 常習便秘、胃酸過多症、腎臓病、心臓衰弱、動脈硬化、高血圧、脳いっ血これらに伴う肩こり。

【三和】
脂肪ぶとりの体質で便秘したりあるいは胸やけ、肩こり、尿量減少などが伴うものの次の諸症。

  • 肥満症、高血圧症、常習便秘、痔疾、慢性腎炎、湿疹。

【一般用漢方製剤承認基準】
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:

  • 高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症

【重い副作用】
  • 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。

【その他】
  • 胃の不快感、食欲不振、吐き気、吐く、腹痛、軟便、下痢
  • 動悸、不眠、発汗過多、尿が出にくい、イライラ感
  • 発疹、発赤、かゆみ



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