健康情報: 葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう) の 効能・効果 と 副作用

2014年7月17日木曜日

葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう) の 効能・効果 と 副作用


漢方精撰百八方 
37.[方名]葛根湯かっこんとう
(4)肩背痛のあるもので、脈浮数の者。又、肩、肩甲部の神経痛に用う。加朮附にして用いて効を得ることが多い。
(10)副鼻腔炎、肥厚性鼻炎、臭鼻症、嗅覚障害等に適用する。副鼻腔炎には、最もよく用いられる薬方の一つで、桔梗、薏苡仁、辛夷、川芎等を加味する場合が多い。なお、葛根加朮附湯、苓朮附湯にして奏効する場合もある。
(12)眼科疾患では、麦粒腫、眼瞼縁炎、急性結膜炎、急性角膜炎、虹彩炎等、炎症症状を伴うものに頻用される。加味薬は、石膏、桔梗、薏苡仁、反鼻、朮、附子、川芎等である。


漢方薬の実際知識 東丈夫・村上光太郎著 東洋経済新報社 刊
4 表証
表裏・内外・上中下の項でのべたように、表の部位に表われる症状を表証という。表証では発熱、悪寒、発汗、無汗、頭痛、身疼痛、項背強痛など の症状を呈する。実証では自然には汗が出ないが、虚証では自然に汗が出ている。したがって、実証には葛根湯(かっこんとう)麻黄湯(まおうとう)などの 発汗剤を、虚証には桂枝湯(けいしとう)などの止汗剤・解肌剤を用いて、表の変調をととのえる。
2 葛根湯(かっこんとう)  (傷寒論、金匱要略)
〔葛根(かっこん)八、麻黄(まおう)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)各四、桂枝(けいし)、芍薬(しゃくやく)各三、甘草(かんぞう)二〕
本方は、つぎにのべる桂枝湯に葛根、麻黄を加えたもの、また、麻黄湯の杏仁(きょうにん)を去り、葛根、生姜、大棗を加えたものとして考えら れる。本方は、麻黄湯についで実証の薬方であり、太陽病のときに用いられる。本方證では汗が出ることなく、悪寒、発熱、脈浮、項背拘急、痙攣または痙攣性 麻痺などを目標とする。発熱は、全身の発熱ばかりでなく、局所の新しい炎症による充実症状で熱感をともなうものも発熱とすることがある。また、皮膚疾患で 分泌が少なかったり、痂皮を形成するもの、乳汁分泌の少ないものなどは、無汗の症状とされる。本方は特に上半身の疾患に用いられる場合が多いが、裏急後重 (りきゅうこうじゅう、ひんぱんに便意を催し、排便はまれで肛門部の急迫様疼痛に苦しむ状態)の激しい下痢や、食あたりの下痢などのときにも本方證を認め ることがある。本方の応用範囲は広く、種々の疾患の初期に繁用される。
〔応用〕
つぎに示すような疾患に、葛根湯證を呈するものが多い。
一 感冒、気管支炎、気管支喘息その他の呼吸器系疾患。
一 赤痢、チフス、麻疹、痘瘡、猩紅熱その他の急性熱性伝染病。
一 急性大腸炎、腸カタル、腸結核、食あたりその他の胃腸系疾患。
一 五十肩、リウマチその他の運動器系疾患。
一 皮膚炎、湿疹、じん麻疹その他の皮膚疾患。
一 よう、瘭疽などの疾患。
一 蓄膿症、鼻炎、中耳炎、結膜炎、角膜炎その他の眼科、耳鼻科疾患。
一 そのほか、リンパ腺炎、リンパ管炎、小児麻痺、神経痛、高血圧症、丹毒、歯齦腫痛など。
葛根湯の加減方
 
(6) 葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)
葛根湯に朮三、附子一を加えたもの〕
葛根湯證で、痛みが激しく、陰証をかねたものに用いられる。したがって、腹痛を伴うことがある。本方は、附子と麻黄、葛根、桂枝などの組み合 わさった薬方であるため、表を温め表の新陳代謝機能を高めるが、本方證には身体の枯燥の状は認められない。特に神経系疾患、皮膚化膿性疾患に、本方證のも のが多い。


『漢方医学十講』 細野史郎著 創元社刊
p.90
〔六〕 肩こり、その他の肩の筋痛
 肩こりに対しては、もちろん有力な薬方である。浅田宗伯の『勿誤薬室方函口訣』にもあるように、積年の肩背凝結があって、その痛みがときどき心下に刺し込むものに、本方で一汗かかせると忘れたようになくなった、というほどの卓効を現わすことがある。
 寝ちがいと俗称される状態や肩の筋痛の場合にも葛根湯が応用されるが、これに地黄(ぢおう)・独活(どっかつ)を加えて用い、これを独活葛根湯と称する。この方は産後の柔中風という手足の運動の麻痺を来たしたものにもよい。
 葛根湯に蒼朮(そうじゅつ)・附子を加えると、頑固な三叉神経痛や肩臂の神経痛(五十肩)、むちうち損傷、リウマチ様疼痛にもよく効く。
 頸筋は腰とともに力学的負担の多いところで、神経反射的にも種々の臓器の反射が筋の凝りとなって現われやすいところであり、筋の凝りが二次的にもまた種々の障害を起こすものである。筋の硬直が血行障害を起こすためか、眩暈(げんうん)などをよく伴い、しばしば本方に真武湯(第八講詳述)の合方、すなわち葛根湯加茯苓白朮附子のゆく状態が現われる。

葛根湯の治験例

〔症例 1〕 左三叉神経痛(女子)
一昨年、左の頬にひどい三叉神経痛が起きた。医者は歯からきているのだと言って、歯を次から次と全部抜いてしまったが、一向によくならなかった。それでも口腔内や歯齦、顔面など各所に注射をしてもらっているうちに、いつとはなく治ってしまった。
今度の病気は、昨年秋からのことだが、前回同様の左三叉神経痛で、痛みは前回以上に激しかった。きれいな唾液が絶えず口の中で滾々と湧くが、痛みのために口も動かせず、呑み込むことも吐くこともできない。
現 在、或る神経痛専門の医者にいろいろと親切に治療してもらっているが、いまだにあまり好転しない。この頃では、頭も痛むし、口唇にちょっとさわっても電気 にでも触れたようにひどく痛む。口は少ししか開かないので、話すことも思うにまかせないし、食事もただ液状のものだけで、固形物は噛むことも飲み込むこと もできない。また、このようになってから、両肩、ことに左がひどく凝るという。
病人は、皮膚、顔面とも蒼白く艶のない水太りの感じである。 脈は沈み気味の小さい弦緊数で、ことに右関上の脈が弱い(脾虚の脈)。右脾兪に圧痛がある。舌は厚い白苔があり、よく湿っている。腹は、診るといつも痛い 痛いと騒ぎ、ことに横臥させると痛みは強くなり、ゆっくり腹診もできない。たた腹壁はやや脂肪と水で膨満し、左下腹部の隅の皮膚がひどく過敏である。小腹急結(桃核承気湯証の腹候)とみた。
そこで手早く、左頬車、左右の列欠などに置針、右脾兪に皮内置針、厥陰兪(両側)に灸を施した。痛みは直ちにやや軽快した。
そして、葛根湯加蒼朮附子(葛根四・五 麻黄二・五 桂枝三・〇 芍薬四・七 甘草二・〇 大棗三・〇 生姜四片 蒼朮五・五 附子一・〇各g)(以上、一日量)を煎剤として与えた。
二日後、やや好転の兆しが出る。薬が効いたのか、針灸が効いたのか明らかではないが、灸をもう少し、両側の陽陵泉、臨泣、胆兪へも増してみた。ところが、かえって悪化してきた。すなわち針灸による刺激が多過ぎたにちがいない。
同じく葛根湯加蒼朮附子を分量比を少し変えて(蒼朮八・二五 附子一・五 生姜五片 葛根七・〇 麻黄四・〇 桂枝五・〇 芍薬七・〇 甘草一・五 大棗四・五各g)を一日量として二週間分を与えておいた。
そ の後、東京からひどく喜びの電父がかかった。さしもの激しい三叉神経痛も、あれ以来漸次鎮静して、この頃ではほとんど普通に食事も話もできるようになっ た。しかし、時にちょっとした拍子にピリリと痛むことがあるとのことである。そこで前方三週間分送ったが、再び、私が東京で診たときは、九分通り以上によ くなっていた。そして次の一ヵ月後は忘れてしまったように治っていた。(東京診療所にて)

〔症例 2〕 右三叉神経痛(女子)
数年前、右頬や軟口蓋、口唇などが痛み、それが頭の方へも放散したことがあった。その後、こんな神経痛が一年に数回起こるのだが、そのつど注射で治る。こん なことで三年前に上の歯を全部抜いてしまったのだが、その後しばらくは痛まなかった。ところが、今年の二月頃、例の痛みが起こり始め、話をしても、上を向 いても寝ても痛む。今度はいろいろと注射をしてもらうのだが、少しもよくならず、近頃ひどくやせてきた。
特徴は、肩がひどく凝ること、食欲はあり、大便は一日一回。睡眠はよい。中背で少し太り気味で、両頬に細絡がつよいので(とくに右側)一見赭ら顔のようである。
脈―沈・小・弦・数、按じて弱。
舌―右奥のところどころに帯黄白色の厚い苔がある。やや湿り気味。
腹―小腹急結の腹候があるほか、特記すべきことはない。
両肩で僧帽筋の上部広範に高度の筋肉の攣急がある。
よって葛根湯加蒼朮附子乳香(葛根七・〇 麻黄四・〇 桂枝五・〇 芍薬七・〇 甘草一・五 大棗四・五 生姜五片 蒼朮八・五 附子一・五 乳香一・六各g)(一日量として一日三回)。桃核承気湯の粒剤一・〇g(一日一回)を兼用として与えた。
一ヵ 月後、たいへんよくなり、痛みも止んだ。その翌年六月末に来たとき、「あれから一ヵ年間は全く痛まなかったが、この二〇日ほど前から、右側の上下の歯齦が 歯もないのに痛みはじめ、前回同様ひどく肩が凝る。しかし、痛みの程度は前回よりはるかに軽いとのこと。再び前方を与えると数週を出ずして治った。
 しかし、その後も前回に懲りて続いて服薬していた。


和漢薬方意辞典 中村謙介著 緑書房
葛根湯加朮附(かっこんとうかじゅつぶ) [本朝経験]

【方意】 寒証による四肢痛・手足冷と、表の水毒による手足のこわばり・尿不利等と、表の寒証による無汗のあるもの。しばしば表の寒証による項背強・悪寒等を伴う。
《太陽病或いは太陰病.実証》
【自他覚症状の病態分類】

寒証 表の水毒 表の実証 表の寒証
主証 ◎四肢痛
◎手足冷
◎こわばり
◎尿不利
◎浮腫
◎無汗
客証


○項背強
 頭痛
 悪寒
 発熱



【脈候】 脈力あり。

【舌候】 

【腹候】


【病位・虚実】 葛根湯証の構成病態の表の寒証が顕著な場合には太陽病であるが、これが明らかではなく、寒証・表の水毒が顕著な場合には太陰病に相当したところで用いる。無汗で脈力があり、実証である。

【構成生薬】 葛根8.0 麻黄4.0 大棗4.0 桂枝3.0 芍薬3.0 甘草2.0 生姜1.0 蒼朮3.0 附子a.q.(0.5)

【方解】 葛根湯に蒼朮・附子を加えたものである。更に茯苓を加えて葛根湯加苓朮附という。茯苓は強心・利尿・鎮痛作用、蒼朮は温性利尿・鎮痛作用、附子は大熱薬で新陳代謝を振興し、利尿・強心・鎮痛作用がある。このため本方は葛根湯証で寒証と水毒が顕著なものとなる。

【方意の幅および応用】
 A 寒証表の水毒:四肢痛・手足痛・こわばり・尿不利・浮腫を目標にする。
   頚腕症候群、肩関節周囲炎、骨髄炎、脳炎、小児四肢痿弱、脊椎カリエス、結核性リンパ腺炎

【参考】 *炎症性疾患ではそのごく初期か、陳旧期に用いる。極期は禁忌である。

求真医談 痛風に附子を用うることは少ないと云ったが、全然使わぬ訳ではない。本病の慢性軽度のものに桂枝加苓朮附湯、葛根加朮附湯を与えて効を収めた経験が多々ある。
 本病が極めて激烈に多発性に来た場合には麻黄杏仁薏苡甘草湯が最も良い。左程急激でなくて、一種名状し難し疼痛があり、殊に起居動作に悩む者には麻黄加朮湯が良い。此の証の者は多く悪天候を予知する程湿気に感じ易い。またその主薬は朮であるが、麻黄杏仁薏苡甘草湯の主薬は薏苡仁であるから、大体之を以て疼痛の性状を推察し得る。痛風の頑固な一例(坐骨神経痛?)は数年前60歳の男子、職業は八百屋、飲食其他は別に常に異ならぬが、ただ左臀部、左大腿部に執拗なる疼痛があり起居に困難を感じ、職業に従事するを得ざるものに、項背筋腰背筋の攣急、及び遅にして軟弱な脈状を目標として葛根加朮附湯(附子5.0)を与え、更に腹証に従って大柴胡湯桃核承気湯(大黄4.0 芒硝4.0)を合用せしめて速効を得た。
湯本一雄 『漢方と漢薬』 1・6・71

※一種名状し難し疼痛? →  一種名伏し難し疼痛?

【症例】 慢性湿疹
 患者は22歳の中学校の教官。3年前から顔面の諸所、項背部に慢性湿疹ができて、諸種の治療を受けたが治癒しない。体格は中等度。二便に著変なく、項背のこわばり、肩凝り、口燥も軽度にある。脈は弦にして、やや弱。舌には乾燥した白苔が中等度にある。腹力は中等度で、右左の腹直筋は中等度に拘攣し、臍傍斜下約2横指の所に中等度の抵抗と圧痛とがある。心下には軽度の振水音を証明する。
 以上により葛根加苓朮附湯の証と認めて7日分を投与。1週間後には湿疹は全体に乾燥して良転してきた。約1ヵ月でほとんど良くなったが完治に至らず、2ヵ月を経た頃には、また少し逆戻りの徴候がみえはじめてきた。そこで瘀血の処置が必要と考えて、桂枝茯苓丸(3g)を兼用した。2週間後にはほぼ根治に至った。
藤平健『漢方通信』5・8

湿疹
 45歳の男性。約半月ほど前から、眼のまわりが痒くなったので、某眼科を訪れたところ、そこでつけてくれたテラマイシンにかぶれ、またたく間に湿疹が眼瞼から顔面全体に広がってきた。皮膚科に転医したが、薬をつければつけるほど悪化し、まぶたも腫れふさがって、物をみることもできなくなってしまった。
 顔面全体が痛がゆい。頭痛がし、わずかながら寒気があり、首の後ろがわずかに凝る。渇はない。患者の顔面全体は一面滲出液と痂皮に覆われ、眼瞼は腫れふさがっている。全体として顔面は紅潮している感じである。
 二便は正常。脈は浮やや緊。舌には乾湿中等度の白苔が中等度。腹力はやや充実。
 以上の自他覚症状から、第1に葛根加苓朮附湯を考えたが、あまりに湿潤がひどいので、まず越婢加朮附湯を試みに1日分を投与してみた。それで眼がやや開けられるようになり、滲出液も減少の傾向を見せはじめた。更に4日分を投与。一時良くなるかにみえたが、顔がこわばるので、オリーブ油を塗ったら、またもとにもどってしまった。そこで、わずかな項背のこわばりを目標として、葛根加苓朮附湯(附子0.3g)1日分を与えてみた。これが良く奏効して、急速に湿疹が乾いてきた。附子を0.5gに増量して、更に2日分を投与。ますます具合良く、眼もすっかり開けられるようになり、湿疹が乾いて、腫れていた顔がひきしまって一まわり小さくなった。前方を更に3日分服して全く治癒した。
藤平健 『漢方臨床ノート・治験篇』 303


『健保適用エキス剤による 漢方診療ハンドブック 第3版』
桑木 崇秀 創元社刊

p.220
②葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)
 桂枝湯から桂枝加朮附湯をつくったように,葛根湯に蒼朮と附子を加えて,葛根加朮附湯として用いることがある。
 葛根湯をより寒証向き,湿証向き,疼痛向きに直したもので,葛根湯を用いたいような人のリウマチや神経痛に用いる。



『健康保険が使える 漢方薬 処方と使い方』
木下繁太朗 新星出版社刊

葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)
 三

どんな人につかうか
 肩や頚部にこりや緊張感があり、冷えや痛みで苦しむ時、悪寒(おかん)発熱する場合などに用い、肩こり、上半身の関節痛、疼痛、五十肩などに応用します。

目標となる症状
 ①頭痛。②肩こり、項背部(こうせぶ)のこりや痛み。③腕の冷えや痛み、手指のこわばり。④悪寒、発熱。⑤冷え、疼痛、しびれ。⑥腹痛。⑦皮膚のかゆみ。⑧化膿。⑨分泌。⑩自然発汗がない。

   葛根湯(かっこんとう)に準じます。


どんな病気に効くか(適応症) 
 悪寒発熱して頭痛があり、項部肩背部に緊張感のあるものの、肩こり肩甲部の神経痛上半身の関節リウマチ、五十肩、筋肉痛、感冒、中耳炎、瘙痒性皮膚疾患(そうようせいひふしっかん)、湿疹(しっしん)。

この薬の処方
 葛根(かっこん)4.0g。麻黄(まおう)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)各3.0g。桂枝(けいし)、芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)各2.0g。白朮(びゃくじゅつ)3.0g。加工附子1.0g。
 ※葛根湯(かっこんとう)(48頁)に白朮(びゃくじゅつ)、附子(ぶし)を加えたものあるいは桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)(68頁)に葛根(かっこん)、麻黄(まおう)を加えたものに相当する。

この薬の使い方
前記処方を一日分として煎(せん)じてのむ。
サンワ葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)(サンワロンC末)成人一日4.0g。を2~3回に分け、食前又は食間にのむ。

使い方のポイント
 上半身の冷え、痛みを目標に使います。葛根湯では強すぎる、虚証の風邪の初期にも使えます。急性疾患にも慢性疾患にも使えます。胃腸の弱い人には注意して使う。
処方の解説
 葛根(かっこん)芍薬(しゃくやく)甘草(かんぞう)附子(ぶし)は鎮痛作用。生姜(しょうきょう)朮(じゅつ)附子(ぶし)は利尿作用、麻黄(まおう)桂枝(けいし)は発汗作用があります。桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)よりは発汗作用と、首、肩の筋緊張(きんきんちょう)を緩和(かんわ)する力が強くなっています。

『皇漢医学』 湯本求真著 燎原社刊
p.382
葛根加朮湯方
 葛根湯中ニ朮七・〇ヲ加フ

 煎法用法同前
(主治)葛根湯證ニシテ朮ノ證アルモノヲ治ス而シテ此方ヲ「コレラ」病ニ用ユルコトハ既ニ述ベタリ

p.384
葛根加朮附湯方
 葛根加朮湯中ニ附子〇・五以上ヲ加フ
 煎法用法同前
(主治)葛根加朮湯證ニシテ附子ノ證アルモノヲ治ス




【副作用】
重大な副作用と初期症状
1) 偽アルドステロン症: 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等) を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行う。
2) ミオパシー: 低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行う。
[理由]
 厚生省薬務局長より通知された昭和53年2月13日付薬発第158号「グリチルリチン酸等を含 有する医薬品の取り扱いについて」に基づく。
 [処置方法]  原則的には投与中止により改善するが、血清カリウム値のほか血中アルドステロン・レニ ン活性等の検査を行い、偽アルドステロン症と判定された場合は、症状の種類や程度により適切な治療を行う。低カリウム血症に対しては、カリウム剤の補給等 により電解質 バランスの適正化を行う。

その他の副作用

頻度不明
過敏症注1) 発疹、発赤、瘙痒等
自律神経系 不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等
消化器 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐等
泌尿器 排尿障害等
その他 のぼせ、舌のしびれ等

注1) このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

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