風邪の定義にもよりますが、広義の風邪の中に、インフルエンザは含まれます。インフルエンザと、他の風邪をと区分する際は、普通感冒と呼びます。
昔は、検査キットなどはありませんでしたので、インフルエンザと普通感冒は、その症状より区分するしかありませんでした。症状による見分け方は、下記のとおりです。
インフルエンザと普通感冒との違い(厚生労働省「インフルエンザの基礎知識」より)
インフルエンザ | 普通感冒 | |
症状 | 高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、咳、のどの痛み、鼻水など | のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、発熱(高齢者では高熱でないこともある) |
発症 | 急激 | 比較的ゆっくり |
症状の部位 | 強い倦怠感など全身症状 | 鼻、のどなど局所的 |
- 38度~40度前後の突然の発熱
- 全身の倦怠感、関節痛、筋肉痛
- 鼻水が、ひきはじめではなく発熱などの症状の後に出る
ただ、体質などによっては、インフルエンザの感染しても、高熱などを発しない場合もありますので、油断は大敵です。(直中の少陰などと言います)
インフルエンザを含めて風邪に使われる漢方薬には、葛根湯(かっこんとう)、麻黄湯(まおうとう)、桂枝湯(けいしとう)、香蘇散(こうそさん)、参蘇飲(じんそいん)、桂枝麻黄各半湯(けいしまおうかくはんとう(桂麻各半湯(けいまかくはんとう))、桂枝二麻黄一湯(けいしにまおういちとう)、桂枝二越婢一湯(けいしにえっぴいちとう)、大青竜湯(だいせいりゅうとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう(麻黄細辛附子湯(まおうさいしんぶしとう))、藿香正気散(かっこうしょうきさん)、竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)など、色々とあります。
風邪に葛根湯とよく言われますが、葛根湯が効くのは、本当に初期だけです。しかも使うには、首のこり、無汗などが目標となり、節々が痛い場合などは、葛根湯よりも、麻黄湯の方が適応となりますし、汗が出ていれば桂枝湯(又は桂枝加葛根湯)の適応となります。
奥田謙蔵先生の流れをくむ先生方は、葛根湯より桂麻各半湯の方が使い易い旨をおっしゃっています。
藤平健先生の「のどチクの風邪」に、桂麻各半湯や桂枝二麻黄一湯、桂枝二越婢一湯、及び麻黄附子細辛湯を使うのは、有名です。
中医学では温病(うんびょう)の考えがあり、日本とは異なる薬方を使うようです。
【関連情報】
インフルエンザの漢方治療
http://kenko-hiro.blogspot.com/2009/05/blog-post.html