健康情報

2009年2月19日木曜日

生薬(しょうやく)と漢方薬(かんぽうやく)の関係

 生薬(しょうやく)とは、薬用に供する目的をもって、植物・動物・鉱物などの自然物の一部を乾燥し、または、これに簡単な加工を施して得た製品を生薬といいます。

 生薬(しょうやく)を原料により分類しますと、1.植物性生薬、2.動物性生薬、3.鉱物性生薬の3つに分類できます。
 このうち、植物性生薬が生薬の大部分を占めています。薬という文字が草冠(くさかんむり)になっていることからも、薬と植物の関係が深いことが容易に想像できます。
 また、薬用植物(やくようしょくぶつ)という言葉があります。これは、もともと生薬(しょうやく)の原料になる植物のことです。また、薬草とは、本来は薬用植物のうち、草本性(そうほんせい)のものをいいます。草本(そうほん)とは、いわゆる柔らかい「草」の事で、堅い「木」の事を木本(もくほん)と言います。竹は普通、草本(そうほん)として扱われます。薬草の意味は本来このような「薬用植物のうち草本性のもの」という意味ですが、一般には植物性生薬のことを指したり、もっと広く生薬全部を意味して使ったりしているようで、言葉の混乱がみられます。
 なお、従来菌類は、植物の一種とされてきていましたが、近年では動物とも植物とも別のグループに分類にする考え方が多くなっています。
 菌類に属する生薬としては、茯苓(ブクリョウ)、猪苓(チョレイ)、冬虫夏草(とうちゅうかそう)などがあげられます。

次に動物性生薬ですが、植物性生薬に比べ使用が少ないようです。仏教の影響で殺生(せっしょう)が禁じられていたことなどが理由としてあげられることもありますが、実際は、植物に比べ個体数が少なく、逃げることから採取(さいしゅ)が困難なことと、保存も難しかった(腐り易い)からだと思われます。
動物性生薬の特徴としては、
 1.作用が強烈で使用量が少なくても効果が期待できるものが多い。
 2.保存に不便なものが多い。
 3.価格の高いものが多い。
 4.日本の漢方薬方での使用は少ない。
 5.味やにおいに注意しなくてはならないものが多い。
があげられます。

3番目に鉱物性生薬(こうぶつせいしょうやく)があります。
 「薬石効無く」という言葉があるように、鉱物性生薬である石薬(せきやく)は通常の植物性の生薬とは別に扱われることがありました。腐ったりせずに永久性があることから、神仙系(しんせんけい)の医学では特に重要視されました。なお、薬石の「石」はいしばりのことで、古代の医療器を意味し、薬石という言葉はいろいろの薬や治療法の意味であるともいいます。
 今日では使用される種類は少ないものの、石膏(せっこう)、滑石(かっせき)、芒硝(ぼうしょう)など、重要な薬物があります。

 生薬を分類する方法として、産地による分類もあります。
通常、日本で使われている生薬は和漢薬(わかんやく)と呼ばれていますが、これは和薬(わやく)と漢薬(かんやく)を合わせた呼び方です。
 このうち、和薬(わやく)とは日本で古くから使われていた生薬のことで、ゲンノショウコやセンブリなどがあげられます。
 一方、漢薬(かんやく)とは、中国で古くから使われていた生薬のことです。この「漢」の文字は『漢字』の「漢」と同じで、いわゆる中国を指します。
  現代の中国では、中草薬(ちゅうそうやく)、草薬(そうやく)と呼ばれています。
 この和漢薬は更に使用方法によって漢方薬(かんぽうやく)と民間薬(みんかんやく)、及びこれを製剤化した売薬に分けられます。

 漢方薬とは、漢方医学の理論の上にたって使われる生薬の配合剤で、證(しょう)に隨(したが)って使用されるもので、多くは複合剤(ふくごうざい)で、単味(たんみ;一味(いちみ))で用いることは少なく、生薬の組み合わせはすでに薬方(やくほう)として決まっています。
 また、民間薬(みんかんやく)は、病名又は一つの症状に対して、局所的効果を期待して、経験的に使用されるもののことで、一般には単味(たんみ)、すなわち一種類の生薬(しょうやく)で用いられ、他の生薬(しょうやく)と組み合わせて使用される場合でも、薬味、組み込まれる生薬の数は、せいぜい二~三種であり、しかも組み合わせる相手の生薬(しょうやく)は決まっていません。
 なお、黄柏(おうばく)や決明子(けつめいし)等のように漢方薬(かんぽうやく)の薬味としても、民間薬(みんかんやく)としても用いられる生薬(しょうやく)があります。また、甘草(かんぞう)などは漢方薬としても、民間薬(みんかんやく)としても、西洋生薬(せいようしょうやく)としても用いられています。
 更に時代とともに、民間薬(みんかんやく)や、西洋生薬(せいようしょうやく)が漢方薬の中に取り入れられていっています。例えば、伯州散(はくしゅうさん)という処方は日本古来の処方、いわゆる和方(わほう)で、漢方に取り入れられ、吉益東洞(よしますとうどう)が愛用したことでもしられています。
 また、サフランやセンナはそれぞれ、蕃紅花(バンコウカ)、蕃瀉葉(バンシャヨウ)と呼ばれ、本草書(ほんぞうしょ)に収載されています。


 生薬製剤(しょうやくせいざい)とは、広義では、生薬(しょうやく)を配合した製剤と考えられますが、通常は東洋医学的基盤にたたず、生薬の個々の薬効を主に考え配合したものを指します。
複合剤(ふくごうざい)なので、一見漢方処方のように見えますが、證(しょう;証)の概念はなく、風邪(かぜ)や腹痛(ふくつう)などといった病名や症状に対して使用されます。
 生薬製剤(しょうやくせいざい)のうち、江戸時代に和漢薬(わかんやく)や民間薬(みんかんやく)のうちで著効(ちょこう)のあるものを参考にして、つくられたものが、家庭薬(かていやく)・売薬(ばいやく)・家伝薬(かでんやく)と呼ばれるものです。反魂丹(はんこんたん、はんごんたん)、実母散(じつぼさん)などが知られています。多くは複合剤ですが、使用方法は民間薬的で、病名や症状名に対して使用されます。
 また、中国で製造されております、中成薬(ちゅうせいやく)も、生薬製剤の一種で、病名や症状名に対して使用されることが多く、中国版家伝薬とでもいうべきものです。伝統的な漢方処方に基づき、服用しやすい様に丸剤やカプセル剤などにしたものもあります。牛黄清心丸(ゴオウセイシンガン)、健歩丸(ケンポガン)などが良く知られています。
 なお、「成薬(せいやく)」とは、生薬を原料として加工した製剤の総称です。

 漢方薬(かんぽうやく)と他の民間薬(みんかんやく)、生薬製剤(しょうやくせいざい)との違いを再度確認致しますと、その使い方、則ち證(しょう)の把握にあり、風邪に葛根湯(かっこんとう)、肝炎に小柴胡湯(しょうさいことう)、痔には乙字湯(おつじとう)では、漢方とは呼べず、単なる生薬製剤(しょうやくせいざい)となってしまいます。

 西洋生薬(せいようしょうやく)とは、西洋で古くから使われていた生薬のことで、センナ、アロエなどがあり、また近年日本でもハーブが注目されています。
 その他、インドネシアのジャムウや、インドのヴェーダ医学、アラブのユナーニ医学など、その地域に根ざした伝統医学があり、それぞれ特有の生薬が使われています。

2009年2月16日月曜日

ドリンク剤の違い(医薬品・医薬部外品・清涼飲料水)

「リポビタンDとオロナミンCの法律的な違いは?」と聞かれて、即答できる方は少ないと思います。
どちらも、ドラッグストアやコンビニなどのストッカーに並べられて、特に大きな違いがあるようには思えません。
しかし、実はリポビタンDとオロナミンCには大きな違いがあります。
リポビタンDは薬事法で規定される医薬部外品で、オロナミンCは、食品衛生法で規定される清涼飲料水だからです。
更にややこしいことに、リポビタンDはもともと医薬品だったのですが、規制緩和の流れで、99年より、医薬部外品に移行しました。同じリポビタンと名が付くものの、リポビタンD PROやリポビタンDIIαは医薬品ですので、ますます混乱します。

簡単にまとめると、
清涼飲料水:食品の一種です。食品に配合できるものしか、配合できません(専ら『医』成分不可)。
また、効能・効果や用法・用量も表現できません。
ただし、栄養機能食品として適合すれば、ビタミン、ミネラル類についての効果の表現可能です。

医薬部外品:1999年の4月より、従来医薬品であったもののうち、成分や効能・効果が適合するものが部外品へと移行し、
これにより、コンビニやスーパー等での販売が自由になりました。
効能・効果や用法・用量は医薬品と同じです。
動物性の生薬は使用できないなど、配合できる成分・量に医薬品より制限があります。
新規に承認・許可を得るには時間と費用がかかります。

医 薬 品:販売業の許可のある所(薬局・薬店)でないと、販売できません。
また、医薬品として前例のない成分(コブラ、サソリ等)は、原則として配合できません。
新規に承認・許可を得るには時間と費用がかかります。

簡単にまとめたものが次の表です。

主に関係する法律

表示

効能・効果

用法・用量

工場の許可

製造品目毎の承認

販売の許可

自動販売機

清涼飲料水 食品衛生法 清涼飲料水の文字

×

×


(食品衛生法)

不要

不要

医薬部外品 薬事法 医薬部外品の文字


(薬事法)

不要

医薬品 薬事法 医薬品の文字


(薬事法)


(薬局・薬店のみ)

×

いわゆる強壮剤として用いられる、医薬品と医薬部外品のドリンクの効能・効果は基本的に同じものです。これは、先に書きましたとおり、以前は医薬品であったものの一部が、医薬部外品に移行した際、効能・効果はそのまま医薬品のものを用いたからです。医薬部外品となっていますが、販売されるまでの扱いは基本的に医薬品とほぼ同じで、医薬品と医薬部外品の両方を作っている所が多いようです。

 

ビタミン類

朝鮮人参

ローヤルゼリー

ニンニク

ムイラプアマ注2

海狗腎

マムシ

海馬

コブラ

サソリ

清涼飲料水

×

×

医薬部外品

×

×

×

×

×

医薬品

×注1

×注1

注1 コブラやサソリは、毒性試験や臨床データ等を取れば可能かもしれませんが、前例がないので、現時点では医薬品や医薬部外品に配合できません。
注2 ムイラプアマの根は『医』、茎葉は『食』に該当します。単にムイラプアマと表示すると、『医』とみなされ、清涼飲料水には配合できません。

 

上記の表のように、医薬品・医薬部外品・清涼飲料水の、いずれにも使える成分があり、清涼飲料水と医薬品・医薬部外品との違いはますますややこしくなります。

例えば、ビタミン類と朝鮮人参(高麗人参)、ローヤルゼリー、マムシ、海馬(カイバ(タツノオトシゴ))を配合したドリンクは、清涼飲料水でも、医薬品でも製造可能です。(医薬品は、承認・許可を取れたことが前提) では、どのように違ってくるのでしょうか?

まず、成分の配合量については、医薬品は表示の義務がありますが、清涼飲料水については書く必要はありません。原材料名の表示だけです。極端な話、100Lの中に一滴だけ入れたようなものでも、配合成分として書くことは可能です。医薬品の場合は、基本的に前例の範囲内で配合することになりますので、極端に少ない量は配合することができません。

ただ、この「医薬品は前例の範囲内」ということは、上限も決まってしまいます。前例を越えて配合しようとす場合、なぜ前例を越えなければならないのかという根拠が必要となり、臨床データ等が必要となり、開発に多額の費用と時間が必要となりますので、実際には無理です。これに対し、清涼飲料水の場合は、特に基準は設けられていませんので、医薬品よりも多く配合することも可能です。(ドリンクとしては溶解度の問題がありますので、ある程度の制限はでてきますが……)

なお、清涼飲料水を栄養機能食品とした場合は、ビタミン等には当然ながら栄養機能食品としての上限・下限がありますので、栄養機能表示したビタミンについては、それに従う必要はあります。

また同じ原料が仮に同じ量配合されていたとしても、全く同じとは限りません。医薬品として用いる原料には、成分の含量などの厳しい規格基準がありますが、清涼飲料水に用いられるものは、食品として安全か否かが重要なので、成分の規格が無い、あるいは劣るものが使われていることがあります。生薬(しょうやく)は、産地や採取時期などによって成分が異なりますので、効能にも違いが出ます。それを均一にする為のものが医薬品としての規格です。ただ、医薬品としての規格が生薬(しょうやく)としての良否とは直結しない場合もありますので、必ずしも清涼飲料水に用いられている原料が、悪いと決めつけることはできません。とはいえ、医薬品に使われる原料の方が管理がて厳しいことが多いので、安心感があります。

簡単にまとめますと、医薬品・医薬部外品は管理が厳しいので、一定の水準以上である安心感がありますが、清涼飲料水になると、ピンからキリまであり、いいものもあるかもしれないが、ほとんど成分が含まれていないようなものがある可能性もあり、判断が難しいといえます。

2009年2月13日金曜日

ヒハツ(蓽撥)エキスについて

ヒハツ(蓽撥)エキスは、ヒハツ(和名:ナガコショウ Piper longum)の果穂を熱水抽出したエキスです。
ヒハツ(蓽撥)は東南アジアに自生するコショウ科のつる性常緑本木です。胡椒の仲間で、インドナガコショウやロングペパーとも呼ばれます。長さは2mになり、果穂は多肉質で、3~9cmの太い円筒状になり、9~10月頃、収穫します。
辛味とともに甘味もあり、紀元前からカレーなどの香辛料として利用されてきました。
ヒハツ(蓽撥)の近縁種であるヒハツモドキは、沖縄や八重山諸島では「フィファチ」と呼ばれる香辛料として、豚肉の臭み消し、沖縄そば、みそ汁の味付けなど、琉球料理に使用されています。
ヒハツはピペリン等を含み、血管を拡張し、血流量を増加させて、体の表面温度を高くするため、発汗作用があり、新陳代謝を促進させる働きがあります。インドでは昔から体の冷えを改善する目的で使用されています。また、健胃・整腸作用や強精作用もあると言われています。

類似の原料に黒コショウもあります。
黒コショウから、ピペリンを主成分として抽出したものが、上市されています。
ビタミンやミネラルなど、他の成分の吸収を良くすると言われています。
たとえばある研究で、毎日5mgのピペリン製品(商標バイオペリン:サビンサ社製)をβ-カロチンやセレン、ビタミンB6などのいくつかのサプリメントと一緒に被験者に与えたところ、二週間後には、β-カロチンだけを摂取していた人と比べると、バイオペリンを併用した方は、血中のβ-カロチンの値は60%も上昇しました。また、ピペリンを摂取して一時間以内に血中のセレンとビタミンB6量が増加しました。血中の栄養素の量も増加しましたが、正常な範囲でした。また、副作用はまったく見られませんでした。このように他の成分の吸収を良くするので、多くのサプリメントに補助的に使用されています。

コショウを摂取すると、新陳代謝(しんちんたいしゃ)が良くなることが知られています。
血行が良くなり、 エネルギー代謝が促進され、脂肪燃焼も促進され、
その結果、ダイエット効果が発揮されます。
食べてすぐ代謝が良くなるのは、辛さによる交感神経の働きで、
その後、代謝が良いのはホルモン(カテコールアミン)の働きによるものと考えられています。

ヒハツ(蓽撥)にも黒コショウにも、ピペリンが含まれていますので、同様な効果が期待できます。

ただ、このピペリンには薬物代謝酵素であるシトクロムP450(CYP3A4)の阻害活性があることが知られています。
ある種の高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)を服用する時に、グレープフルーツジュースを同時に飲むと、薬の効果が強くなる(血圧が下がり過ぎる)副作用があることが知られていますが、これはグレープフルーツに含まれるフラボノイドが、薬を分解する酵素であるシトクロムP450(CYP3A4)の働きを邪魔するからだと言われています。
ピペリンも同様にシトクロムP450(CYP3A4)を邪魔しますので、同じような副作用が起こる可能性があります。
カルシウム拮抗剤に限らず、シトクロムP450(CYP3A4)で分解される薬物は、ピペリンによって分解が抑制され、全て効果が増強される可能性がありますので、医薬品の副作用が起こり易くなるかもしれません。
また逆に、チトクロームp450(CYP3A4)で代謝されて効力を発揮するような医薬品(例:テルフェナジン (Terfenadine))などは、効果が弱くなってしまうかもしれません。

相互作用 想定される機序
プロプラノロール 血中プロプラノロール濃度の上昇 CYP 阻害
テオフィリン 血中テオフィリン濃度の上昇 CYP 阻害
この他、
Dipiperamide A, B, and C: bisalkaloids from the white pepper Piper nigrum inhibiting CYP3A4 activity   Tetrahedron  58巻1667-1671頁  2002/03
によりますと、
CYP3A4の阻害活性がピペリンよりも100倍強い活性を示す物質であるDipiperamide という成分がコショウから発見されているそとですので、上記の作用は、益々強くなりそうです。

【参考】薬物代謝にはいくつかの酵素が関与していますが、その中で特に重要な役割を果たしているものがシトクロムP450(CYP)と呼ばれる酵素です。CYP にはCYP1A2, CYP2C9,CYP2C19,CYP2D6, CYP3A4 など多くの分子種が存在します。CYP3A4 はその中でも多数の医薬品の代謝に関与することから、薬物相互作用を考える際に重要な分子種です。CYP は主に肝臓に存在していますが、小腸上皮細胞においても発現しており経口投与後の薬物の代謝に関与します。

冷え症に利用される健康食品・サプリメントの原料としては、ヒハツ(蓽撥)の他、糖転移ヘスペリジン、ショウガ、唐辛子(トウガラシ)、朝鮮人参(高麗人参)、ギャバ(γ-アミノ酪酸)、反鼻(はんぴ、まむし)などがあります。

冷え症は、西洋医学では余り重視されませんが、漢方では証を決める際の重要な項目の一つとなります。
冷え症に応用される漢方薬方は色々とありますが、代表的なものとして、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、人参湯(にんじんとう)、真武湯(しんぶとう)、四逆湯(しぎゃくとう)などがあります。
真武湯(しんぶとう)や四逆湯(しぎゃくとう)には、附子(ぶし)が含まれています。附子は、一時保険金詐偽で有名になったトリカブトの塊根です。矢毒(やどく)にも使われていたように、毒性もあります。温める力は強いですが、体質的に合わない人(暑がりのような人)が飲むと、しびれたり、最悪の場合は死につながる可能性もありますので、注意して下さい。
毒を薬として使うのは、漢方の醍醐味です。
(最近の附子は、減毒されていますので、通常の服用量であれば、中毒を起こしたりすることはまず無いと言われています。間違って山菜として食べて食中毒を起こす事件がたまにあります。)
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)は、冷え症の中でも、特に「しもやけ」に良く使われます。「四逆」という字がありますが、四逆湯とは直接の関係はなく、附子も含まれていません。

2009年2月9日月曜日

医師の8割が漢方薬を処方(薬事日報記事より)

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)調べ
2008年8月5日~9月12日にかけて
全国の医師を対象にインターネットを介して実施
回答:684人
病院の勤務医が70%以上

漢方薬を処方している医師83.5%
以前使用したが、後に中止した医師を含めると98.1%
ほとんどの医師が漢方薬の処方経験を持っている。

処方患者の20.2%は漢方単独処方

処方する診断基準
 1.西洋医学の診断…………………………………47.8%
   西洋医学の診断を基本に漢方も考慮……36.1%

漢方処方の基本的立場
   一部の疾患で漢方薬を第一選択…………52.7%
      (特に産婦人科と外科で漢方薬を第一選択)
   あくまでも西洋薬の補完……………………44.5%
      → 西洋薬で効果がなかった症例で漢方薬が有効……56.4%
      → 患者の希望…………………………44.3%

漢方薬を処方する疾患上位5項目
 1.急性上気道炎……46.8%
 2.便秘……37.3%
 3.こむらがえり……36.4%
 4.不定愁訴・更年期障害……35.6%
 5.疲労・倦怠感……25.4%

漢方薬を処方しない理由
 1.漢方薬の使い方が難しい……44.2%
 ・ エビデンスが充分でない……39.6%
 ・ 治療効果が不充分……32.7%

今後の課題
 ・エビデンスの集積……62.4%
 ・剤形の工夫・開発……15.1%
         錠剤……74.5%
         カプセル……56.6%
         (より患者が服用しやすい剤形を求めている)
 ・漢方の現代医学的解釈……14.3%
        漢方薬の使い方が難しい為

漢方薬に今後期待する役割
  西洋薬の補助・補完……16.8%
  西洋医学で解決できない疾患……16.6%
  疾患によっては期待できる……70.5%
 

特に期待する疾患
  不定愁訴・更年期障害・月経困難症……13.2%
  心身症・うつ病・精神疾患……………………9.4%
  認知症及び周辺症状…………………………7.2%
  (西洋医学では解決が難しいとされる疾患)
以上『薬事日報』 第10642号 (2009(平成21)年2月6日)より、抜粋・改変

(コメント)
漢方が異端児扱いされていた頃を思うと、隔世の感があります。
やはり、保険に収載されたのが大きいと思われます。
ただ、気になるのは、漢方薬を漢方薬として使うのではなく、
西洋医学的診断に従って使っている所です。
西洋医学的な診断に従うということは、もはや漢方ではなく、単なる生薬製剤となってしまいます。
病名を薬方(漢方処方)選定の手掛りにするのは
一つの方法だとは思いますが、
単に西洋医学的な病名だけで使うことは副作用の問題などもあり、
何らかの対策が必要と思われます。
ただ、こむらがえりに芍薬甘草湯など、
単に病名を頼りに、漢方薬を使っても
けっこう効くことが多いというのも事実です。


剤形の工夫・開発で、錠剤やカプセル剤を希望している旨がありますが、
エキス剤は吸湿性が高いので、錠剤やカプセル剤にしようとすると
賦形剤(ふけいざい)が大量に必要となり、
錠数やカプセル数が非常に多くなり、結局は飲みづらくなる可能性があります。

もともと散剤として使われるものや、丸薬として使われるものであれば、
粉末生薬を錠剤やカプセル剤にするのも一方法かと思われます。

エキス顆粒剤が飲みにくい時は、お湯に溶いて飲むのも一つの方法です。
この方が、煎じ薬に近いと思われます。
ただ、メーカーにより、お湯への溶け易さが異なりますので注意が必要です。
よくかき混ぜないと、デンプンなどの賦形剤が、底に残ります。


剤形の工夫という点では、揮発成分の保持があります。
『六陳八陳』という言葉がありますように、蘇葉や薄荷のような精油を含む生薬は、
新しいものが良いとされています。
これらの生薬は、煎じますと、揮発性の成分がとんで無くなってしまいます。
これを改善する工夫が欲しい所です。

山本先生によりますと、高血圧に釣藤散(ちょうとうさん)を使う場合は、
エキス剤は余り効果が期待できず、
釣藤鈎(ちょうとうこう)の粉末を加えた方が良く効くそうです。

2009年2月6日金曜日

透析患者の便秘の原因と漢方薬

透析患者の便秘の原因 としては、まず、水分制限があげられます。更に、K(カリウム)・P(リン)の制限のため、食物繊維の摂取量が減少しやすく、この水分制限と食物繊維不足から硬便(こうべん:かたい便)になりやすく、便秘しやすくなります。また、食事制限と透析による除去のためビタミンB類も欠乏しやすく、そのため腸管蠕動運動(ちょうかんぜんどううんどう)が低下しやすいと考えられます。更に、運動不足や筋肉の疲弊(ひへい)により、腸管平滑筋(ちょうかんへいかつきん)の脆弱化(ぜいじゃくか)をきたしやすいと考え現れます。これら3つの点から、透析患者は、便秘を起こし易いと考えられます。

慢性機能性便秘は、弛緩性、痙攣性共に漢方治療の適応です。
特に通常の便秘薬で腹痛、下痢をきたす例に試みるとよいと考えられます。
漢方治療では証(体質・症状)にあった処方選択が重要となります。
(便秘に良く使われる漢方薬)
1.大承気湯(だいじょうきとう)
2.調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
3.大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
4.麻子仁丸(ましにんがん)
5.潤腸湯(じゅんちょうとう)
6.桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)

(腹部膨満感・腹痛に良く用いられる漢方薬)
1.桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
2.桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
3.大建中湯(だいけんちゅうとう)
大承気湯調胃承気湯大黄甘草湯麻子仁丸潤腸湯桂枝加芍薬大黄湯は、大黄を含んでいますので、合わない場合には、下痢や腹痛を起こす場合があります。
麻子仁丸潤腸湯は、兎糞便(とふんべん)と呼ばれるウサギのフンのようにコロコロとした便に良く使われます。麻子仁丸潤腸湯は類似した薬方(漢方処方)ですが、潤腸湯の方が、麻子仁丸より更に便を潤す力が強いと言われています。すなわち、麻子仁丸に似て、さらに体液の欠乏がはなはだしく、皮膚に湿りがないものに潤腸湯を用います。 両薬方とも老人性の便秘に良く使われます。
大建中湯は、冷えにより腹痛が増す場合に用いられます。
開腹術後の通過障害や過敏性腸症候群に伴う腹痛、腹部膨満感に用いられます。
薬味は、人参(にんじん)、山椒(さんしょう)、乾姜(かんきょう)、(膠飴(こうい))と、たいした(?)ものは入っていないのですが、腸管の蠕動(ぜんどう)が外部から見えるような症状に良く効きます。腸の蠕動運動を整えることから、開腹手術後の腸閉塞(イレウス)の予防効果を期待して用いられるようになったようです。
桂枝加芍薬大黄湯は、桂枝加芍薬湯に大黄を加えたもので、傷寒論では桂枝加大黄湯(けいしかだいおうとう)となっています。ただ、この桂枝加大黄湯ですと、桂枝湯に大黄を加えたものと思われかねませんので、一般的には桂枝加芍薬大黄湯と呼ばれています。
この桂枝加芍薬大黄湯は、桂枝加芍薬湯証で裏急後重の下痢、桂枝加芍薬湯では通じない頑固な便秘に用います。
桂枝加芍薬湯桂枝加芍薬大黄湯は、過敏性腸症候群に伴う腹痛、しぶりばらにも良く用いられます。
なお、桂枝加芍薬湯に膠飴(こうい)を加えると小建中湯(しょうけんちゅうとう)になります。

2009年1月31日土曜日

海狗腎(かいくじん)・海狗鞭(かいくべん)と類型同効論

  『腎(じん)』とは、西洋医学でいう腎臓のことではなく、東洋医学では広く腎臓や生殖器を含めたものをいいます。詳しくは、「漢方の肝腎要」もご参照下さい。
ただ、海狗腎の場合の『腎』は東洋医学でいう『腎』というよりは、特に男性生殖器(睾丸、陰茎、輸精管)を指すと考えて戴ければ良いと思われます。
 また、『鞭(べん)』の文字は、本来は陰茎(ペニス)を指すものですが、これも腎と同様に広く男性生殖器をさすものと考えて戴いたら良いと思います。つまり、本来は『腎』と『鞭』とは異なるものですが、一般的には区別されず、海狗腎(かいくじん)も海狗鞭(かいくべん)も同じものと考えて良い思います。(厳密に区別する場合は、『腎』は睾丸(こうがん)を、『鞭』は陰茎(いんけい、ぺにす)を指します。)

『漢方のくすり事典 -生薬・ハーブ・民間薬』(医歯薬出版刊)では、海狗腎について、次のように書かれています。
海狗腎(かいくじん)
別名:膃肭臍(おっとせい)
 アシカ科のオットセイ(㊥海狗Otaria ursinusu)もしくはアザラシ科のゴマフアザラシ(㊥海豹Phoca vitulina)の雄の陰茎と睾丸を乾燥したものを用いる。オットセイは千島列島一帯に生息し、とくに中国の黄海や渤海でもみられ、ゴマフアザラシはヨーロッパの大西洋沿岸や北太平洋沿岸に生息し、渤海湾にもみられる。膃肭臍とは本来膃肭獣(おっとじゅう)の臍(ペニス)という意味であり、日本では生薬の名前がオットセイという動物の名前になっている。これらの動物は一夫多妻であり、一頭の雄が数十頭の雌を占有し、ハーレムを作ることでよく知られている。薬材は30cm前後、直径1~2cmの棒状をした茶褐色のペニスに2個の睾丸がついている。漢方では温腎・補陽の効能があり、全身疲労、精力減退、インポテンツ、足腰の萎弱などに用いる。日本にも海狗腎の配合された滋養・強壮薬が中国から輸入されている(至宝三鞭丸・海馬補腎丸)。日本の津軽藩の秘薬といわれた一粒金丹にも、アイヌ人が狩猟したオットセイのペニス(膃肭臍)が配合されていた。
以上、『漢方のくすり事典 -生薬・ハーブ・民間薬』(医歯薬出版刊)より

一夫多妻のハーレムを作ることから、その精力にあやかろうと使われたのかもしれません。
海狗腎(かいくじん)の中医学的効能は、味:鹹 性:熱  暖腎壮陽 益精補髄 帰経:肝・腎
とまとめられます。 

『腎』や『鞭』を使う生薬(しょうやく)としては、この海狗腎(かいくじん)の他、鹿鞭(ろくべん)、驢鞭(ろべん)、広狗鞭(こうくべん)、虎鞭(こべん)、蛇鞭(じゃべん)、亀鞭(きべん)などがあります。
 このうち、イヌ(広狗鞭)、オットセイ(海狗腎)、シカ(鹿鞭)は医薬品にしか使えません。
これらを配合した有名な中成薬として『至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)』があります。
その名のとおり、三つの鞭、すなわち、海狗鞭、鹿鞭、広狗鞭が配合されています。
また、トラ(虎鞭)はワシントン条約により保護されていますので、現在は入手が困難です。
健康食品では、ウシやウマのものが使われたりもするようです。


 類型同効論(るいけいどうこうろん)というものがあります。これは、「似たものが似たものを治す」、或いは「類をもって類を補う」という考え方で、体が弱っている部分があれば、その弱っている部分と同じ部分の食べ物を食べると良いというものです。
肝臓が弱っていればレバーを、骨が弱っていれば骨を、胃が悪ければミノを食べるとそれぞれの機能が回復するというものです。
 更に形の類似から腎臓が悪い時に空豆を食べるとか、人間の脳髄に似たクルミが脳の病気に効くといったものに発展していきます。
 まるで迷信のようでもありますが、全くのでたらめというわけではありません。
 例えば、肝臓病には現代医学でも「肝臓加水分解物」を原料としている薬剤が汎用されています。良く考えてみますと、肝臓を分解したものには肝臓の細胞を作るのに必要な物質が全て含まれているのですから、必要な栄養を効率よく集めるために、肝臓そのものを食べるということは、納得できる話です。
 それと同様に、動物の生殖器を食べれば、生殖器の栄養補給としては効率が良い、すなわちインポテンツや精力減退に良いと考えられます。
 また、睾丸に含まれる男性ホルモンも、本来は消化酵素により分解されてしまいまうはずですが、全てが分解されるとは限らず、そのまま吸収されてしまうかもしれません。仮に全てが分解されてしまったとしても、男性ホルモンの合成原料としては最適なはずです。
 更に男性生殖器に形の似た肉蓯蓉(にくじゅよう)やカンカ(管花肉蓯蓉(かんかにくじゅよう))、鎖陽(さよう)も同様な効果、すなわちインポテンツや精力減退に良いといわれています。もっともこれは、肉蓯蓉(にくじゅよう)などを使ってみて良かったので、後から形が似ているとこじつけたのだろうと思われます。
 肉蓯蓉(にくじゅよう)については、野生馬の精液が地面に落ちてそれから生じたと思われていたとか、生薬の姿がいかにも男性のシンボルのようで、楊貴妃(ようきひ)につかえた女官が密かに愛用(?)していたとの逸話(いつわ)もあります。
 このように形が似ていることから薬効が説明される生薬を同形生薬(どうけい)といいますが、先にあげたもののほか、催乳剤(さいにゅうざい)として用いるイチョウ(銀杏、公孫樹)の気根(きこん)や、ガンに使われる藤の瘤(こぶ)(生薬名:藤瘤(とうりゅう、ふじこぶ))などがあります。いずれも、形が似ているから効くというよりも、効果があったものに後から理屈づけしたものと思われます。

2009年1月28日水曜日

慢性腎臓病(CKD)と漢方


慢性腎臓病(CKD)
腎疾患を示す所見や腎機能低下が3ヶ月以上続く状態
→ 透析(末期腎不全)
→ 心血管疾患(心筋梗塞など)
国内で患者数1300万人以上と推定される(2008年)
世界的に透析患者が増える
日本でもこの30年間増え続ける
患者数は、27万5千人
毎年3万5千人以上の新規導入
2万5千人の死亡と差し引きすれば毎年1万人以上増加
心筋梗塞患者の三分の一はCKDである(海外の報告)
日本の解析でも、CKD患者では有意に心血管疾患の発症率が高い
CKD定義
1.尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか(特に尿タンパクの存在が重要)
2.糸球体濾過量(GFR)60mL/min/1.73m2未満の腎機能低下
1、2いずれか、または両方が3ヶ月以上持続
自覚症状が無い
血清クレアチニン値は以前は40歳以上の受診者では必須項目だったが、特定検診から任意項目となった。(測定する機会が減って問題)
治療の際は、生活習慣病によるCKDと腎炎によるCKDを分けて考える
腎炎は、ステロイドや免疫抑制剤で抑えられる。
腎炎の多くはネフローゼ症候群
むくみや体重増加なども認める
生活習慣病
血圧、血糖、脂質、体重のコントロールが基本
食事や運動、禁煙
順番は、糖尿病、次に高血圧 高脂血症が腎不全を招くかどうかは、はっきりしたデータ無い。
HbA1cを6.5%未満に管理
CKDが進行するとSU剤は低血糖を起こし易いので注意
基本的にはインスリンに切り替え
薬剤
レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS系)の抑制が重要
a.アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
b.アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)
c.アルデステロン拮抗薬
複数のポイントでRAAS系を抑えることが腎機能に良く、心血管疾患も起こし難い。
高血圧の合併にいずれかを処方すべき
糖尿病ではピオグリタゾンの腎保護作用にエビデンス有
ただ、浮腫などの副作用があるため、使用にはやや問題
高脂血症に関しては、スタチンの腎保護作用についての強いエビデンスは無い
2007年には日本腎臓学会から「CKD診療ガイド」が一般向けに発刊される。
慢性腎臓病という病名は比較的新しいので、慢性腎臓病に使われる漢方薬として出てくるものは余りありませんが、基本的には、慢性腎炎やネフローゼに利用される漢方薬と同じになると考えられます。下の表は、慢性腎炎やネフローゼに応用されることの多い漢方薬の一覧です。
症状 小柴胡湯 大柴胡湯 木防已湯 分消湯 小青竜湯 五苓散 柴胡桂枝湯 猪苓湯 柴胡桂枝乾姜湯 防已黄耆湯 牛車腎気丸
下痢しやすい

















尿の出が少ない





頭痛・頭重















汗をかきやすい











疲れやすい








むくみがある







のぼせやすい

















めまい



















肩が凝る














咳が出る










口・のどが渇く











口の中が粘つき、苦い














吐き気、または吐く
















動悸がする

















鳩尾がつかえている感じ














お腹が張っている















小柴胡には生姜(しょうきょう)が入っていますが、一説には生姜が腎臓に悪影響を与えると言われ、細野史朗(ほそのしろう)先生は、腎臓病には、小柴胡湯去生姜加茯苓黄連を良く使われます。これは明治時代の有名な漢方医である浅田宗伯(あさだそうはく)先生の創方で、小柴胡湯腎加減とも言われます。細野先生と同じ浅田流であった木村博昭先生も、アレルギー性腎炎に良く用いられたそうです。茯苓は利水作用を期待し、黄連は消炎効果を期待し、加えたと考えられます。ただ、小柴胡湯から生姜を去ることに、反対する考えもあります。なお、小柴胡湯に限らず、ほとんどの柴胡剤には生姜(又は乾姜)が入っています。
『肝腎要め(かんじんかなめ)』という言葉がありますように、腎機能と肝機能は深い関係があります。よろしければ、次のサイトもご参考下さい。
漢方の肝腎要 http://kenko-hiro.blogspot.com/2008/12/blog-post_09.html

民間薬としては、スイカ(西瓜)、トウモロコシの毛(南蛮毛(なんばんもう、なんばんげ))、トウモロコシの芯(玉蜀黍蘂(ぎょくしょくきずい))、キササゲ(梓)、ハブ茶、ビワ(枇杷)の葉、甘茶、大根をおろして絞った汁などが用いられます。ナタマメ(刀豆:トウズ、トウヅ)は、コンカナバリンAという成分が含まれ、この成分が、腎臓のフィルターをもどすと言われています。
健康食品としては、シャンピニオンエキス(マッシュルームエキス)に、データがあります。
http://www.icrg.gr.jp/jinzou.html
先日、公取(公正取引委員会)から、このシャンピニオンエキスを使用した健康食品が、排除命令を受けました。しかしながら、便臭を除く作用は、もともと介護の現場から口コミで広まったもので、実際に飲んでみると効果は実感できます。健康食品レベルとしては立派なデータだと思うのですが、公取からは、根拠が無いと言われたようです。このような指摘を受けるとなると、医薬品レベルの臨床が必要となってしまい、実質的には不可能だと思われます。腎臓に対する作用は、二重盲検などではなですし、治療を受けた上での結果ですから、根拠とするには不充分かもしれませんが、何もデータが無い状況よりはましだと思います。
プロバイオティクスとしての乳酸菌・ビフィズス菌、プレバイオティクスとしての各種オリゴ糖、食物繊維などにも、同様な効果が理論的には期待できます。
また、特殊なメロン抽出物(商品名:GliSODin(グリソディン)、OXYKINE(オキシカイン))は、体内のSODを誘導し、抗酸化力を高めます。マウスでの実験ですが、糖尿病性腎症を抑制する可能性が指摘されています。http://www.combi.co.jp/f-foods/html/gli_02.html