健康情報: 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう) の 効能・効果 と 副作用

2013年10月10日木曜日

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう) の 効能・効果 と 副作用

漢方診療の實際 大塚敬節 矢数道明 清水藤太郎共著 南山堂刊

桂枝加芍薬湯
本方は桂枝湯の證で腹筋が拘攣して腹痛し、腹満いがある者を治する。本方に大黄を加えた桂枝加芍薬大黄湯は桂枝加芍薬湯の證で便秘する者に用いる。また結腸炎で左腹下部に索状硬結を触れ圧痛があり、腹痛・裏急後重する者によく奏効する。


漢方精撰百八方
4.[方名] 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

[出典] 傷寒論

[処方] 桂枝4.0 芍薬6.0 甘草2.0 大棗4.0 生姜

[目標] 本方の腹証は著しい特徴のあるもので、直腹筋が拘攀、つまりつっばるもので、いわゆる二本棒をふれるものである。

[かんどころ] 右の腹証のある者にはすべて本方をやって差支えないが、腹壁が軟弱なものにも本方証があるから一概に拘泥する必要はない。この腹証を基礎として他の症状を証としてつかんだものを合方していくことが確実で便利なもので、本方は運用範囲の最も広いものである。

[応用] 本方に膠胎を加えたものが小建中湯であるが、建中の中はおなかの意味であるがら、消化器のうちで特に腸を丈夫にするのが本方の主治である。
 本方は虚証の薬方の代表的なものである。これはわたし自身の感想であるが、屍体の腹部を触れてみると、直腹筋が丁度皮下に棒をさし込んだように硬くつっぱって触れるものであるが、この桂枝加芍薬湯証がこれに似た感じである。それでわたしぼ本方証として生活力(ヴァイタリティー)の低下を想定している。つまり内臓の”冷え”が本方の本体であると思う。

 子どもなどで突然腹がしくしくと痛む者で、またなおってしまうというようなことを繰返すもの、トイレに行つても便が出ないで出て来るような子にこの証がある。
 太陽病、つまり急性熱性病などでは下剤を使うことは禁忌なのに、下剤で下したために腹が張って痛む場合は太陰病になったのだから本方をやると傷寒論にあるのは、今日で言えば急性虫垂炎を間違ってヒマシ油で下して穿孔性腹膜炎を起したような場合のことを言うのであろう。
 下痢をするしないにかかわらず虫垂炎で本方でなおる場合が多い。

 胃下垂という病名をつけられる患者が多いが、レントゲン写真で胃下垂と診断することは差し支えないが、それで直ちに胃の縫縮術や胃の切除術を施すのは間違いである。胃下垂は内臓下垂の部分的現象であって、本方によって胃下垂症は大抵はなおってしまうものである。脱肛も同様に内臓下垂の部分的症状であるがら本方でなおるものが多い。

 [附記方名] 桂枝加芍薬加附子湯。本方に附子0.5から1.0を加える。リウマチによい。
相見三郎著






漢方薬の実際知識 東丈夫・村上光太郎著 東洋経済新報社 刊
4 表証
表裏・内外・上中下の項でのべたように、表の部位に表われる症状を表証という。表証では 発熱、悪寒、発汗、無汗、頭痛、身疼痛、項背強痛など の症状を呈する。実証では自然には汗が出ないが、虚証では自然に汗が出ている。したがって、実証には葛根湯(かっこんとう)・麻黄湯(まおうとう)などの 発汗剤を、虚証には桂枝湯(けいしとう)などの止汗剤・解肌剤を用いて、表の変調をととのえる。


5 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)  (傷寒論)
桂枝湯の芍薬の量を六としたもの〕
本 方は、桂枝湯の表虚を治す作用が、芍薬の増量によって裏虚を治す作用へと変化している薬方である。本方に膠飴(こうい)を加えたものは、小建中湯(しょうけんちゅうとう)(後出、建中湯類の項参照)であり、裏虚を治す作用が強い。したがって、本方は虚証体質者に用いられるもので、腹満や腹痛 を呈し、腹壁はやわらかく腹直筋の強痛を伴うものが多いが、ただ単に痛むだけのこともある。下痢も泥状便、粘液便で水様性のものはなく、排便後もなんとな くさっぱりしない。
〔応用〕
つぎに示すような疾患に、桂枝加芍薬湯證を呈するものが多い。
一 下痢、内臓下垂の人の便秘、腸カタル、腹膜炎、虫垂炎、移動性盲腸炎その他。

桂枝加芍薬湯の加減方
〔桂枝加芍薬湯に大黄一を加えたもの〕
桂枝加芍薬湯證で、便秘するもの、または裏急後重の激しい下痢に用いられる。



《資料》よりよい漢方治療のために 増補改訂版 重要漢方処方解説口訣集』 中日漢方研究会
16.桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう) 傷寒論

桂枝4.0 芍薬6.0 生姜4.0(乾1.0) 大棗4.0 甘草2.0

(傷寒論)
○本太陽病,医反下之,因爾腹満時痛者,属太陰也,桂枝加芍薬湯主之,大実痛者,桂枝加大黄湯主之。(太陰)

現代漢方治療の指針〉 薬学の友社
 腹痛がして下痢し腹部が膨満して,時には便秘したり嘔吐するもの。桂枝湯の芍薬を増量したことによって,本方は芍薬が主薬となって下腹部の痛みや,腸疾患に応用されている。本方の腹痛は,腹直筋の拘攣痛で持続的に,あるいは間歇的にたえがたい痛みを訴える。この場合目標欄記載のとおり,腹部が膨満して抵抗物を触知したり,あるいは便意をもよおすが排便後に,出残った感じや灼熱感を伴うので,他の処方における腹痛と鑑別できる。本方症状にもっとも類似するものに,葛根湯の適応する急性腸カタルがある。腹痛,下痢,残尿感を訴える葛根湯は,本方よりも発熱症状が著明なことを目安にする。また本方が適する下痢は,五苓散平胃散にみられる水瀉性の下痢ではなく,軟便や粘液便で快通せず,あるいは便秘するが大した硬便ではない。しかし食中毒などで排便を促進したほうがよいと考え現れるものには三黄瀉心湯か大黄を加えて用いるとよい。同様の症状を訴えるもので,腺病体質や貧血症の場合は本方を用いず本方にアメを加えた小建中湯の投与を考える必要がある。虚弱者または貧血症の急性腸カタルで,本方症状に似て熱症状が加わるものには,本方と人参湯の合方を用いるとよい。 腹部にガスが充満するものや,慢性の腹膜炎で油矢みや膨満感を訴えるもので,他に著明な所見のないものに本方の適応証が多い。また手術のできない慢性虫垂炎や移動性盲腸に本方を連用させて奇効を奏することが少なくない。



漢方診療30年〉 大塚 敬節先生
○桂枝加芍薬湯は桂枝湯中の芍薬の量を増しただけであるが,その用法は桂枝湯とは大いにちがっている。古人は桂枝は陽を助け,芍薬は陰を助けるといっているが,桂枝湯が太陽病の治剤であるのに芍薬を増した桂枝加芍薬湯は太陰病の治剤である。
○桂枝加芍薬湯は腹部が膨満して嘔吐,下痢があって,ときどき腹が痛むのを目標に用いることになっているが,嘔吐や下痢のない場合も用いる。
○腹部が膨満して便秘している場合に,虚証のものと実証のものとがある。虚証のものは腹が張っていても弾力や底力にとぼしく,脈にも力がない。このようなものに大承気湯などを用いると,腹がひどくいたみ,下痢をしてつかれる。底力があって実証のものは,腹に弾力があって,脈にも力がある。このようなものには下剤を用いてよい。
○桂枝加芍薬湯の証では腹部の膨満と腹直筋の緊張とをみとめる場合が多いが,腹直筋の緊張は必発の症状ではない。
○桂枝加芍薬湯証で下痢する場合は多くは腹痛と裏急後重(しぶりばら)を伴うものである。
○太陰病の腹満は虚証であるから,桂枝加芍薬湯,小建中湯等で補い,便秘していても下してはいけない。


漢方処方応用の実際〉 山田 光胤先生
○虚弱な人の腹痛,下痢用いる。下痢はいわゆる“しぶりばら”で便通のあと便が残っているような感じがして,下痢したあともさっぱりしないものである。腹証には特徴があって,腹部は膨満し,腹直筋が拘攣して,固くつっぱり,棒を二本立てたようにみえる。しかし脈は弱い。本方を用いるような人は虚証であって,全身の緊張が低下し,代謝も衰えて,いわゆる体内が冷えた状態である。このとき腹部の縦の筋肉と背すじの筋肉がつっぱって,ようやく全身をささえるのであろう。



漢方診療の実際〉 大塚 矢数,清水 三先生
 本方は桂枝湯の証で腹筋が拘攣して腹痛し,腹満感がある者を治する。本方に大黄を加えた桂枝加芍薬大黄湯は桂枝加芍薬湯の証で便秘するものに用いる。また結腸炎で左腹下部に索状硬結を触れ圧痛があり,腹痛,裏急後重する者によく奏効する。


漢方入門講座〉 竜野 一雄先生
 芍薬を主剤とし裏虚即ち胃腸のアトニー状態を補力する作用があり,鎮痛を兼ねている。
 運用 虚証,即ちアトニー性下痢や虚証の腹痛に使う。「本太陽病,医反って之を下し,爾るに因って腹満,時に痛む者は太陰に属するなり。桂枝加芍薬湯之を主る。」太陰病とは虚証の腹満,下利などを起す状態である。腹満,腹痛,下利は必ずしも悉く現われるとは限らず,腹痛下利のこともあれば,腹痛だけのこともある。
 虚証だから脉は弱い。熱があると浮弱になることもあるが,普通は余り浮でも沈でもない。腹証では自覚的或は他覚的に膨満していることが多いがそれを必然的決定的な所見と思ってはいけない。膨満がなく,腹痛だけで脉が弱いものに使うことも非常に多い。その際腹満があれば有力な所見となることは言うまでもない。腹痛の部位は決っておらず、臍部のこともあり,下腹部のこともあるが下利は泥状便,粘液便のことが多く,少くとも水様便ではない。また腹満の部分的なものと考えると限局性の硬結にも使える。実際腹膜の肥厚による硬結は本方で著明な効を奏する。但しその場合も直腹筋の状態,発熱症状等他に著変がなく,別の処方の適応証でないことを確かめる必要がある。桂枝加芍薬湯は腹壁は軟い方で症状が腹部だけに限られているのが特徴である。腹満といっても腹水には殆ど無効である。
  以上の所見に基いて本方は急性慢性の腸カタル,同大腸カタル,腹痛(但し原因不明のものが多い)急性慢性虫垂炎,結核性腹膜炎(殊に硬結性のもの)移動性盲腸,誤下後の腹満等に頗る多く使っている。類証鑑別すべきは建中剤はもっと虚証であることと腹部以外にも所見が見受けられることがある。建中剤は,大小建中湯当帰黄耆各建中湯を指す。
 桂枝加大黄湯は桂枝加芍薬湯の証で局所的に実していること。これを証するには深部に抵抗圧痛を認めれればよい。或は便秘する。
 当帰四逆湯は「そけい」部から側腹の腸骨櫛に沿い腰部にわたる痛みがある。
 真武湯は下痢腹部鈍痛のときに区別が困難なことがあるが小便不利,胃内停水などがあれば真武湯,腹満して限局性に抵抗を触れるようなら桂枝加芍薬湯,なお大便も真武は水様性か水分の多い粘液性,桂枝加芍薬湯は水分が少い。



『類聚方広義解説(4)』 日本東洋医学会理事 矢数 圭堂
 次は桂枝加芍薬湯です。これは桂枝湯の中の芍薬の分量がふえたもので、「桂枝湯証にして腹拘攣のはなはだしきものを治す。桂枝湯方内に芍薬三両を加う」と書いてあります。桂枝湯の証で、腹筋が拘攣して痛むというものに使うわけです。下腹が張るというような症状がありまして痛むという場合です。これは「本太陽病、医反ってこれを下し、しかるによって腹満して時に痛むものは太陰に属するなり。桂枝加芍薬湯これを主る」と書いてあります。そのあとに「大いに実して痛むものは桂枝加大黄湯(ケイシカダイオウトウ)これを主る」というふうにあります。桂枝加芍薬湯の場合には腹満,つまり腹が張って、そして痛みます。医反ってというのは誤まった治療法ということで、もとは太陽病であったのを医者が誤まった治療法ということで、もとは太陽病であったのを医者が誤って下剤をかけ、そのために腹が張って時に痛むというものは太陰病になったためであるということであります。これは桂枝加芍薬湯が主るところでありまして、また「大いに実して」というのは便秘をしているということで、便秘をして下腹が充実して力があり、そして痛む時には桂枝加大黄湯がよいということであります。
 そのあとに、「為則按ずるに、腹満して時に痛むものは、すなわち拘急して痛むなり。これをもって芍薬主となすなり」と書いてあります。「為則」とは吉益東洞のことであります。東洞が考えるに、腹満をして痛むものは拘攣して痛むのであるから、これには芍薬が主るところであるということであります。芍薬は拘攣状態を治す力があるということであります。桂枝は陽を助け、芍薬は陰を助けるという性質があり、桂枝湯の中の芍薬がふえているということで、太陰病の腹満、腹痛というものを治す効果があるということであります。その時のおなかの状態は、腹筋は緊張しているということが多いわけですが、腹壁は一般に薄く、弾力に乏しいような状態で、腹筋が薄く張っているという状態であります。
 そこに書いてあります欄外の註ですが、太陰に属するなりの下に、古い本では桂枝加芍薬湯これを主る云々という20字がないけれども、今これを加えておくということが書いてあります。
 次に桂枝加芍薬湯の加減方について書いてあります。「この方に附子(ブシ)を加え、桂枝加芍薬附子湯(ケイシカシャクヤクブシトウ)と名づけ、桂枝加芍薬湯の証にして悪寒するものを治す。また腰脚攣急し、冷痛し、悪寒するものを治す」といっております。これは附子が加わった処方で、附子というのは、冷え症の時にあたためる力があるし、そのほか強心作用、保温作用などいろいろあります。
 さらに朮(ジュツ)を加えて、桂枝加芍薬朮附湯(ケイシカシャクヤクジュツブトウ)があります。これは風湿といいまして、風邪による病で、一般に現在でいうリウマチ性の疾患のようなものですが、このような病気に対して治療をする時に、朮と附子を加えて用いるということが書かれております。そのほか脚気、梅毒、結毒、骨節疼痛、腹中拘攣、小便不利、肢体腫起、その他いろいろな痛みなどの場合に用いられます。これらの処方は、一般にどういう時に使われるかと申しますと、平素から胃腸虚弱のもの、胃下垂、胃アトニー、大腸炎、腹膜炎といった場合であります。


一般用漢方製剤承認基準

桂枝加芍薬大黄湯
〔成分・分量〕 桂皮3-4、芍薬4-6、大棗3-4、生姜1-1.5(ヒネショウガを使用する場合3-4)、甘草 2、大黄1-2

〔用法・用量〕 湯

〔効能・効果〕 体力中等度以下で、腹部膨満感、腹痛があり、便秘するものの次の諸症: 便秘、しぶり腹
 注) 《備考》 注)しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことであ る。 【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連す る注意〉として記載する。】



【添付文書等に記載すべき事項】
 してはいけないこと 
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
次の人は服用しないこと
生後3ヵ月未満の乳児。
〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕


 相談すること 
 1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること

(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。 
(3)高齢者。 
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕 
(4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。 
(5)次の症状のある人。
   むくみ 
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕 
(6)次の診断を受けた人。
   高血圧、心臓病、腎臓病 
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕

2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること


関係部位症状
皮膚発疹・発赤、かゆみ

まれに下記の重篤な症状が起こることがある。その場合は直ちに医師の診療を受けること。

症状の名称症状
偽アルドステロン症、
ミオパチー
手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。

〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕

3.1ヵ月位(消化不良、胃痛、嘔吐に服用する場合には1週間位)服用しても症状がよくならな
い場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること

4.長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕

〔効能又は効果に関連する注意として、効能又は効果の項目に続けて以下を記載すること。〕
  しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。

〔用法及び用量に関連する注意として、用法及び用量の項目に続けて以下を記載すること。〕
(1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させること。
  〔小児の用法及び用量がある場合に記載すること。〕
(2)〔小児の用法がある場合、剤形により、次に該当する場合には、そのいずれかを記載す
ること。〕
1)3歳以上の幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく
注意すること。
 〔5歳未満の幼児の用法がある錠剤・丸剤の場合に記載すること。〕
2)幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意すること。
 〔3歳未満の用法及び用量を有する丸剤の場合に記載すること。〕
3)1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ
服用させること。
 〔カプセル剤及び錠剤・丸剤以外の製剤の場合に記載すること。なお、生後3ヵ月未満の用法がある製剤の場合、「生後3ヵ月未満の乳児」を してはいけないこと に記載し、用法及び用量欄には記載しないこと。〕

保管及び取扱い上の注意
(1)直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること。
  〔( )内は必要とする場合に記載すること。〕
(2)小児の手の届かない所に保管すること。
(3)他の容器に入れ替えないこと。(誤用の原因になったり品質が変わる。)
  〔容器等の個々に至適表示がなされていて、誤用のおそれのない場合には記載しなくて
もよい。〕


【外部の容器又は外部の被包に記載すべき事項】
注意
1.次の人は服用しないこと
  生後3ヵ月未満の乳児。
  〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕

2.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(3)高齢者。
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
(5)次の症状のある人。
    むくみ
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(6)次の診断を受けた人。
   高血圧、心臓病、腎臓病
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
2´.服用が適さない場合があるので、服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
  〔2.の項目の記載に際し、十分な記載スペースがない場合には2´.を記載すること。〕
3.服用に際しては、説明文書をよく読むこと
4.直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること
  〔( )内は必要とする場合に記載すること。〕

〔効能又は効果に関連する注意として、効能又は効果の項目に続けて以下を記載すること。〕
  しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。




副作用

1)
重大な副作用と初期症
1) 偽アルドステロン症: 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
2) ミオパシー: 低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
[理由]
厚生省薬務局長より通知された昭和53年2月13日付薬発第158号「グリチルリチン酸等を含 有する医薬品の取り扱いについて」に基づく。

[処置方法]
原則的には投与中止により改善するが、血清カリウム値のほか血中アルドステロン・レニ ン活性等の検査を行い、偽アルドステロン症と判定された場合は、症状の種類や程度によ り適切な治療を行うこと。低カリウム血症に対しては、カリウム剤の補給等により電解質バランスの適正化を行う。

2) その他の副作
過敏症:発赤、発疹、掻痒等
このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
[理由]
本剤にはケイヒ(桂皮)が含まれているため、発疹、発赤、掻痒等の過敏症状があらわれるおそれがある。

[処置方法]
原則的には投与中止により改善するが、必要に応じて抗ヒスタミン剤・ステロイド剤投与等の適切な処置を行うこと。