健康情報: 慢性腎臓病(CKD)と漢方

2009年1月28日水曜日

慢性腎臓病(CKD)と漢方


慢性腎臓病(CKD)
腎疾患を示す所見や腎機能低下が3ヶ月以上続く状態
→ 透析(末期腎不全)
→ 心血管疾患(心筋梗塞など)
国内で患者数1300万人以上と推定される(2008年)
世界的に透析患者が増える
日本でもこの30年間増え続ける
患者数は、27万5千人
毎年3万5千人以上の新規導入
2万5千人の死亡と差し引きすれば毎年1万人以上増加
心筋梗塞患者の三分の一はCKDである(海外の報告)
日本の解析でも、CKD患者では有意に心血管疾患の発症率が高い
CKD定義
1.尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか(特に尿タンパクの存在が重要)
2.糸球体濾過量(GFR)60mL/min/1.73m2未満の腎機能低下
1、2いずれか、または両方が3ヶ月以上持続
自覚症状が無い
血清クレアチニン値は以前は40歳以上の受診者では必須項目だったが、特定検診から任意項目となった。(測定する機会が減って問題)
治療の際は、生活習慣病によるCKDと腎炎によるCKDを分けて考える
腎炎は、ステロイドや免疫抑制剤で抑えられる。
腎炎の多くはネフローゼ症候群
むくみや体重増加なども認める
生活習慣病
血圧、血糖、脂質、体重のコントロールが基本
食事や運動、禁煙
順番は、糖尿病、次に高血圧 高脂血症が腎不全を招くかどうかは、はっきりしたデータ無い。
HbA1cを6.5%未満に管理
CKDが進行するとSU剤は低血糖を起こし易いので注意
基本的にはインスリンに切り替え
薬剤
レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS系)の抑制が重要
a.アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
b.アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)
c.アルデステロン拮抗薬
複数のポイントでRAAS系を抑えることが腎機能に良く、心血管疾患も起こし難い。
高血圧の合併にいずれかを処方すべき
糖尿病ではピオグリタゾンの腎保護作用にエビデンス有
ただ、浮腫などの副作用があるため、使用にはやや問題
高脂血症に関しては、スタチンの腎保護作用についての強いエビデンスは無い
2007年には日本腎臓学会から「CKD診療ガイド」が一般向けに発刊される。
慢性腎臓病という病名は比較的新しいので、慢性腎臓病に使われる漢方薬として出てくるものは余りありませんが、基本的には、慢性腎炎やネフローゼに利用される漢方薬と同じになると考えられます。下の表は、慢性腎炎やネフローゼに応用されることの多い漢方薬の一覧です。
症状 小柴胡湯 大柴胡湯 木防已湯 分消湯 小青竜湯 五苓散 柴胡桂枝湯 猪苓湯 柴胡桂枝乾姜湯 防已黄耆湯 牛車腎気丸
下痢しやすい

















尿の出が少ない





頭痛・頭重















汗をかきやすい











疲れやすい








むくみがある







のぼせやすい

















めまい



















肩が凝る














咳が出る










口・のどが渇く











口の中が粘つき、苦い














吐き気、または吐く
















動悸がする

















鳩尾がつかえている感じ














お腹が張っている















小柴胡には生姜(しょうきょう)が入っていますが、一説には生姜が腎臓に悪影響を与えると言われ、細野史朗(ほそのしろう)先生は、腎臓病には、小柴胡湯去生姜加茯苓黄連を良く使われます。これは明治時代の有名な漢方医である浅田宗伯(あさだそうはく)先生の創方で、小柴胡湯腎加減とも言われます。細野先生と同じ浅田流であった木村博昭先生も、アレルギー性腎炎に良く用いられたそうです。茯苓は利水作用を期待し、黄連は消炎効果を期待し、加えたと考えられます。ただ、小柴胡湯から生姜を去ることに、反対する考えもあります。なお、小柴胡湯に限らず、ほとんどの柴胡剤には生姜(又は乾姜)が入っています。
『肝腎要め(かんじんかなめ)』という言葉がありますように、腎機能と肝機能は深い関係があります。よろしければ、次のサイトもご参考下さい。
漢方の肝腎要 http://kenko-hiro.blogspot.com/2008/12/blog-post_09.html

民間薬としては、スイカ(西瓜)、トウモロコシの毛(南蛮毛(なんばんもう、なんばんげ))、トウモロコシの芯(玉蜀黍蘂(ぎょくしょくきずい))、キササゲ(梓)、ハブ茶、ビワ(枇杷)の葉、甘茶、大根をおろして絞った汁などが用いられます。ナタマメ(刀豆:トウズ、トウヅ)は、コンカナバリンAという成分が含まれ、この成分が、腎臓のフィルターをもどすと言われています。
健康食品としては、シャンピニオンエキス(マッシュルームエキス)に、データがあります。
http://www.icrg.gr.jp/jinzou.html
先日、公取(公正取引委員会)から、このシャンピニオンエキスを使用した健康食品が、排除命令を受けました。しかしながら、便臭を除く作用は、もともと介護の現場から口コミで広まったもので、実際に飲んでみると効果は実感できます。健康食品レベルとしては立派なデータだと思うのですが、公取からは、根拠が無いと言われたようです。このような指摘を受けるとなると、医薬品レベルの臨床が必要となってしまい、実質的には不可能だと思われます。腎臓に対する作用は、二重盲検などではなですし、治療を受けた上での結果ですから、根拠とするには不充分かもしれませんが、何もデータが無い状況よりはましだと思います。
プロバイオティクスとしての乳酸菌・ビフィズス菌、プレバイオティクスとしての各種オリゴ糖、食物繊維などにも、同様な効果が理論的には期待できます。
また、特殊なメロン抽出物(商品名:GliSODin(グリソディン)、OXYKINE(オキシカイン))は、体内のSODを誘導し、抗酸化力を高めます。マウスでの実験ですが、糖尿病性腎症を抑制する可能性が指摘されています。http://www.combi.co.jp/f-foods/html/gli_02.html

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