健康情報: 四苓湯(しれいとう) の 効能・効果 と 副作用

2014年6月14日土曜日

四苓湯(しれいとう) の 効能・効果 と 副作用

漢方診療の實際 大塚敬節 矢数道明 清水藤太郎共著 南山堂刊
分消湯(ぶんしょうとう)の項
白朮・茯苓・猪苓・沢瀉は四苓湯で利水を図り、




漢方薬の実際知識 東丈夫・村上光太郎著 東洋経済新報社 刊
四苓湯(しれいとう)〔五苓散(ごれいさん)から桂枝を除いたものであり、瘀水が体内にあるが、気 の上衝がないため、頭痛、めまい、嘔吐などが弱いものである〕



『健保適用エキス剤による 漢方診療ハンドブック 第3版』
桑木 崇秀 創元社刊


四苓湯(しれいとう) <出典>温疫論(清時代)

方剤構成
 沢瀉 茯苓 猪苓 白朮

方剤構成の意味
 五苓散から桂枝を除いただけの方剤である。
 五苓散中の桂枝は,表虚すなわち頭痛やめまいを治す作用を期待して入れられているものと考えられるから,五苓散の証で表証がないものは四苓湯でよいということになる。

適応
 ①腎炎・ネフローゼ,②嘔吐(悪阻(つわり)などで,水を飲むとすぐ吐く場合)。



『健康保険が使える 漢方薬 処方と使い方』
木下繁太朗 新星出版社刊

四苓湯(しれいとう)

温疫論(うんえきろん)

どんな人につかうか
 五苓散(ごれいさん)(87頁)から桂枝(けいし)をぬいたもので、口渇(こうかつ)があって水を飲むけれどもうまくおさまらず,尿の出も悪く,嘔気(おうき),嘔吐(おうと)、腹痛、むくみなどを伴う場合に用い、暑気あたり、急性胃炎、むくみなどに応用します。

目標となる症状
 ①口渇(こうかつ)。②嘔気(おうき)、嘔吐(おうと)。③浮腫。④腹痛。⑤下痢(水様性)。

   五苓散(ごれいさん)に準ずる。

どんな病気に効くか(適応症) 
 のどが渇いて水を飲んでも尿量が少なく、吐き気、嘔吐、腹痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症。暑気あたり急性胃腸炎むくみつわり。

この薬の処方
 沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)、朮(じゅつ)、猪苓(ちょれい)各4.0g。

この薬の使い方
前記処方の一日分として煎じてのむ。
前記四種の生薬の粉末を等分にまぜ、散剤として1回1.0~4.5gを服用します。

オースギ四苓湯細粒(しれいとうさいりゅう)、成人一日3.0gを2~3回に分け、食前又は食間に服用する。


使い方のポイント
五苓散ごれいさん)の症状で、のぼせ、頭痛、発熱などの表証のない場合に用います。

浅田宗伯の勿誤薬室方凾(くごやくしつほうかん)には、四苓散(しれいさん)(四苓湯(しれいとう))が「能(よ)く雀目(じゃくもく)(夜盲症)を治す」とあります。

処方の解説
 五苓散(87頁)の項参照(頭痛、発熱、のぼせはない)。

※勿誤薬室方凾(くごやくしつほうかん)? → 勿誤薬室方凾(ふつごやくしつほうかん)

『勿誤薬室方函口訣(51)』 日本東洋医学会理事 内炭 精一
 -四物湯(局方)・四物竜胆湯・四苓散・紫根牡蠣湯・紫蘇子湯-

 四苓散(しれいさん)
 次は四苓散(しれいさん)です。本方は呉有性の著書である『温疫論』所載の薬方であります。最初に本文の訂正をします。本文の上から十一字目の下に「飲」が脱落しています。さらに一行置いて、次の薬方は「即五苓散ゴレイサン)方中去桂枝」とありますが、これは『寿世保元』の四苓散(シレイサン)(茯苓(ブクリョウ)、沢瀉(タクシャ)、猪苓(チョレイ)、白朮(ビャクジュツ)であって、『温疫論』の四苓散は茯苓、沢瀉、猪苓、陳皮(チンピ)の四味であります。 主治の文の「治煩渇」以下「名停飲」までは「温疫論」に出ている主治の文の引用で、しかも、のちに続く文を省略してあります。「説約云」以下、薬方、浅田先生の『口訣』をも含めて全文は『寿世保元』の四苓散として記述したものと考えられます。
 そこで『温疫論』 の四苓散の主治を原典の通りに解説します。温疫という流行性の激しい熱病で、熱の邪が胃腸に伝わって、口渇が激しくて水分が飲みたければ、ほどほどに与えるのがよろしい。もし口渇が強くて飲むことが多過ぎると、水が心下部に停滞します。これを停飲といいます。四苓散を用いると大変効果があります。もし口渇が至って強く、冷たい水を飲みたく思えば夏冬に関係なく、これまたほどほどに与えたらよろしい。流行性熱病の熱の甚だしいものが冷たい水を飲む時は大変治療の助けとなるので、熱を冷ますためにもよいのであります。しかし飲もうと思う半分で止めなさい。一時に多く飲むのは悪いのです。暫くして再び口渇があれば、また飲ませなさい。梨の汁、蓮根の汁、サトウキビの汁、西瓜の類をあらかじめ貯蔵して、不意の求めに応ずるのがよい。もし冷えたものを嫌うものには温い湯を用いる。口渇の止まった時は胃腸が正常に回復したのであります。
 次に五苓散から桂枝を去った四苓散、すなわち『寿世保元』の四苓散(茯苓、沢瀉、猪苓、白朮)について解説します。香川修庵の著書『医事説約』によると、四苓散に唐蒼朮(トウソウジュツ)を加えて、夜盲症に大変効果があると述べているが、浅田先生は「この方(寿光保元の四苓散)はよく夜盲症を治すことができる。また胃腸に水分が多くて、膀胱に熱があり、すなわち小便の出が悪く、下痢するものには、本方に車前子を加えて与えると効果がある」といっております。
  夜盲症の治療については浅田先生はその治験録である『橘窓書影』で「四苓散から猪苓(チョレイ)を去って、大量の唐蒼朮を加得て用いるという香川修庵の伝や、逍遙散ショウヨウサン)に大量の夏枯草(カゴソウ)を加えて用いるという老医葦田氏の伝などがあるが、鶏肝丸の速効があるには及ばない。鶏肝丸はニワトリの肝臓一味を細末にしてヤマイモの細末と等分に合して米糊(べいこ)で固めて丸薬にしたものである。自分はこの薬方を遠江(静岡県)の川カトの眼科医和田玄晁に習った」といっております。
 同じく『橘窓書影』で浅田先生は「婦人で下痢の止まらないものを治療するのに四苓散加車前子(シレイサンカシャゼンシ)を用いて、往々特異な効果をあげている。あるいは時によって車前子一味を兼ね用いることもある」といっております。『橘窓書影』に出ている治験では、婦人産後の下痢で浮腫を伴ったものに奇効を得ています。


『勿誤薬室方函口訣』浅田宗伯
四苓散
  此の方は能く雀目を治す。また腸胃の間、水気ありて脬熱下利する者に車前子を加へて効あり。




オースギ四苓湯細粒(調剤用)
【組 成・性 状】
(1)本剤は1日量3.0g中、下記の生薬末を含有する。
  日局 タクシャ末   0.75g
  日局 ソウジュツ末  0.75g
  日局 ブクリョウ末   0.75g
  日局 チョレイ末     0.75g

 (2)本剤は暗褐色~灰褐色の細粒で、特異なにおいがあり、味 はやや苦い。

【効能又は効果】
のどが渇いて水を飲んでも尿量が少なく、はき気、嘔吐、 腹痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症 : 暑気あたり、 急性胃腸炎、むくみ

【用法及び用量】
成人1回1.0g、15歳未満7歳以上1回成人の2/3量、
7歳 未満4歳以上1回成人の1/2量、
4歳未満2歳以上1回成人の 1/3量、
2歳未満1回成人の1/4量、
いずれも1日3回食前また は食間に水または白湯にて経口投与する。 

【使用上の注意】
(1)重要な基本的注意
    1)本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考 慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状 ・ 所見の改善が認められない場合には、継続投与を避ける こと。
    2)他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注 意すること。

(2)高齢者への投与
    一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量する など注意すること。

(3)妊婦、産婦、授乳婦等への投与
    妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦 又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性 が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

(4)小児等への投与
    小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が 少ない]






副作用
漢方薬にも少しは副作用があります。人によっては、服用時にむかついたり、食欲がなくなるかもしれません。しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。    
・胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気

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