健康情報: 生薬の配剤から見た漢方処方解説(6)

2019年2月5日火曜日

生薬の配剤から見た漢方処方解説(6)

誌上漢方講座 症状と治療
生薬の配剤から見た漢方処方解説(6)
 村上 光太郎

 2.黄連、黄芩について
  黄連、黄芩がともに、あるいは黄連のみ、あるいは黄芩のみが薬方に加えられると、その薬方の主証、あるいは主証の一部は心下痞として決まってしまう。このとき、配剤された黄連や黄芩の量が多いか、少ないかは、心下痞を治す強さとは一致しない。ただ黄連あるいは黄芩のみを単独で薬方中に組み入れるよりは、黄連と黄芩をともに組み入れる方が作用は強くなる。またこれら黄連、黄芩の作用を強くするためには、順気剤あるいは下剤がともに配剤されている。一般に黄連のみ、あるいは黄芩のみ、あるいは黄連と黄芩を合わせて1.0ぐらむ以上が配剤されていれば心下痞を治すことができる。
 たとえば、三黄瀉心湯(大黄2.0、黄連黄芩各1.0)は黄連と黄芩が各1.0グラムあるので心下痞を治す作用があり、これらが下剤の大黄と配剤されているので、心下痞を治す作用は強くなっている。したがって、三黄瀉心湯は便秘し、心下痞が強い人に用いる薬方であることがわかる。類似の薬方に大黄黄連瀉心湯(大黄2.0、黄連1.0)があるか台、本方も黄連が1.0グラム配剤されているので、心下痞を治す作用がある。また本方にも下剤の大黄が配剤されているため、心下痞を治す作用が増強されていることは三黄瀉心湯と同様である。
 しかし、本方は黄連と黄芩の組み合わせではないため、三黄瀉心湯と比べて見ると、本方は心下痞を治す作用は弱い。黄連解毒湯(黄芩3.0、梔子2.0、黄連、黄柏各1.5)では、黄芩が3.0グラムと黄連が1.5グラム配剤されているので心下痞を治す作用がある。また、ここに配剤されている山梔子は、大黄の適応証の人より虚証の人に用いる下剤(生薬の配剤から見た漢方処方解説(4)を参照)であるため、黄連と黄芩の心下痞を治す作用は大黄ほどは強められていないにしても、かなり強くなっている。したがって便秘があり、心下痞もある人に用いるが、本方は便秘よりは心下痞の方に重点が移っている。
 ところで、附子瀉心湯(大黄2.0、黄芩、黄連各1.0、附子0.5)という薬方があるが、本方は三黄瀉心湯に附子を加えただけの薬方である。したがって、黄連、黄芩の組み合わせに、大黄の下剤が加わり、増強されていることは三黄瀉心湯と同様であるが、附子が入ったため、附子の温補作用、新陳代謝の賦活作用の働く位置を見ると、本方の附子は薬方中の黄連、黄芩によって半表半裏から裏を温めるように働くため、本方証の人は冷えが強いというのではなく、裏より冷えてくるという人に用いる薬方であることがわかる。
 以上の薬方はいずれも実証の薬方であるため、心下痞が気の上衝とともに移動し、顔面紅潮、精神不安、イライラ、不眠、各種出血などの症状を呈する人に用いるが、 以下の虚証の薬方では気の上衝はそれほど強くないため、心下痞は胸まで(心中懊憹)あるいは腹まで(腹中雷鳴)しか移動せず、嘔吐や下訳なども呈するようになる。
 たとえば、黄連湯(半夏5.0、黄連、甘草、乾姜、人参、桂枝、大棗各3.0)では心下痞を治すものは黄連しかなく、順気剤の桂枝で強められているとはいっても、気の上衝を治す順気剤であるため、増強の作用は弱い。その他、本方には桂枝と大棗による止汗作用、乾姜による新陳代謝の賦活作用(附子を配剤したほどは強くないが)と胃内停水を除く作用、人参による全身の水毒を移動させる作用があり、更に半夏と乾姜による鎮嘔作用がある。したがって、本方は心下痞があり嘔吐するとともに、胃内停水があるため冷えを感じ、そのために痛みを覚える虚証の人に用いる薬方であることがわかる。半夏瀉心湯(半夏5.0、黄芩、乾姜、人参、甘草、大棗各2.5、黄連1.0)は黄連と黄芩の組み合わせにより、心下痞を治そうとするもので、前方と同様に乾姜による新陳代謝の賦活作用と胃内停水を除く作用があり、人参による全身の水毒を移動させる作用がある。また半夏は乾姜と組み合わされて、鎮嘔作用も呈している。したがって、本方も心下痞があり、嘔吐するとともに胃内停水があるため、冷えや痛みを感じる人に用いる薬方であることがわかる。本方と前に述べた黄連湯との違いを見ると、本方は黄連と黄芩の組み合わせによって、心下痞を治そうとしているのに対して、黄連湯は黄芩のかわりに桂枝が入っているため、心下痞を治す作用は少し強く、またのほせを治すようになっているが、桂枝と大棗の止汗剤が入っているため、表虚の人に用いる薬方であることがわかる。生姜瀉心湯(半夏瀉心湯の乾姜の量を1.0に減じ、生姜2.0を加えたもの)や甘草瀉心湯(半夏瀉心湯に甘草1.0を増量したもの)や椒梅瀉心湯(半夏瀉心湯に烏梅、蜀椒各2.0を加えたもの)なども基本は半夏瀉心湯であるため、黄連、黄芩による心下痞があるのは当然である。ただ、生姜瀉心湯は半夏瀉心湯よりは生姜の量を増してあるので、胃内停水が強く、その水毒によって起こる各種の症状を治すために用いられる。甘草瀉心湯は半夏瀉心湯より甘草の量を増やしてあるので精神不安を呈する場合に用いられる。
 椒梅瀉心湯は、半夏瀉心湯に烏梅と蜀椒を加えたもので、寒と痛みが強い場合に用いる薬方である。また、黄連阿膠湯(黄連3.0、黄芩2.0、芍薬2.5、阿膠3.0、卵黄1個)も黄連と黄芩があるため、心下痞を治す作用があり、心下痞を治す作用があり、その心下痞の移動によって起こる各種の症状に用いられる。 なお、本方に配剤されている葛根は項背の拘攣を治す働きがある。
 ところで、生薬の配剤から見た漢方処方解説(5)の1、柴胡についてのところですでにでた薬方であるが、たとえば、大柴胡湯(柴胡6.0、半夏、生姜各4.0、黄芩、芍薬、大棗各3.0、枳実2.0、大黄1.0)では黄芩が3.0グラムあるため、心下痞を治す作用があるが、これが気うつを治す順気剤の枳実、便秘を治す大黄と一緒になっているため、心下痞を治す作用は非常に強くなっている。ところで、本方に配剤されている柴胡は胸脇苦満を治す作用があり、半夏と生姜には鎮嘔作用があり、芍薬による筋肉の緊張の緩解作用があるが、いずれも気うつを治す順気剤の枳実と下剤の大黄がともに配剤されているので、それらの作用も強くなっている。柴胡加竜骨牡蛎湯(柴胡5.0、半夏4.0、茯苓、桂枝各3.0、黄芩、大棗、生姜、人参、竜骨、牡蛎各2.5、大黄1.0)では黄芩が大黄と組み合わされているため、心下痞を治す作用が強いが、大柴胡湯のように気うつの順気剤ではなく、気の上衝を治す順気剤である桂枝が配剤されているため、心下痞を治す作用は大柴胡湯よりおとる。ところで、本方に配剤されている柴胡は胸脇苦満を治す作用があり、半夏と生姜、半夏と大棗の組み合わせの鎮嘔作用、鎮痛作用があり、茯苓と桂枝の心悸亢進、めまい、筋肉の痙攣を治す作用があり、生姜の胃内停水を治す作用や、人参の全身の水毒を移動させる作用や、竜骨、牡蛎の精神不安や動悸をしずめる作用があるが、これらの作用は、いずれも大黄および桂枝によって作用が強められていることも忘れてはならない。小柴胡湯(柴胡7.0、半夏5.0、生姜4.0、黄芩、大棗、人参各3.0、甘草2.0)も黄芩が配剤されているため、心下痞を治す作用があるが、本方にはその作用を増強する下剤や順気剤が何も配剤されていないため、心下痞を治す作用は黄芩に由来する程度の強さである。また、本方の柴胡は胸脇苦満を治し、半夏と生姜および半夏と大棗、甘草によって鎮嘔作用、鎮吐作用を呈し、生姜は胃内停水を、人参は全身の水毒を移動させる作用がある。柴胡桂枝乾姜湯(柴胡6.0、桂枝、瓜呂根、黄芩、牡蛎各3.0、乾姜、甘草各2.0)も黄芩が配剤されているが、本方は、前方の小柴胡湯とは異なり、順気剤の桂枝が配剤されているため、心下痞を治す作用は小柴胡湯より実の薬方となっている。また、本方の柴胡は胸脇苦満を治し、乾姜には新陳代謝の賦活作用と胃内停水を除く作用がある。ところで、さきに述べたように、本方は心下痞の面より見れば、本方には柴胡は6.0グラムしかなく、小柴胡湯の7.0グラムより少ないこと、および本方には新陳代謝の賦活作用のある乾姜が配剤されているため、小柴胡湯より虚証の薬方となる。
 これらの薬方を見れば、いずれも柴胡が配剤され、かつ黄芩が配剤されている。このことは心下痞と胸脇苦満とは明瞭に区別できる場合もあるが、多くは明瞭にはできないことを示しており、薬方を選用する場合の示唆を与えるものである。なお柴胡が配剤された場合は、黄連、黄芩の有無にかかわらず、柴胡剤として処理され、柴胡がなく黄連、黄芩が配剤されれば、瀉心湯類として処理されている。
 3、知母と石膏について
 知母と石膏は組み合わされると初めて裏熱による渇をしずめ、体液の忘失(遺尿、自汗、分泌物)を防ぐ効果があるもので、これは知母のみでも薬効は現れないし、石膏のみでも現れない(煩渇のみなら治る)薬効である。したがって知母と石膏がともに薬方中に配剤された場合には、白虎湯類として取り扱われ、同様の効果を期待して用いられるものである。
 たとえば、白虎湯(知母、粳米、石膏、甘草)は知母と石膏があるので裏熱があり、のどが渇き、汗や尿などが多く出たため、体液の枯燥の様子を呈する人に用いる薬方である。白虎加人参湯(知母、粳米、石膏、甘草、人参)、白虎加桂枝湯(知母、粳米、石膏、甘草、桂枝)なども同様である。また消風散(当帰、地黄、石膏各3.0、防風、蒼朮、木通、牛蒡子各2.0、知母、胡麻1.5、蝉退、苦参、荊芥、甘草各1.0)も知母と石膏が組み合わされているので裏熱があり、口渇を訴え、分泌物の多いものに用いられるものである。
  4、甘草について
 甘草は、各種の急迫症状を緩解する作用があるが、その作用は今までの他の薬物とは異なり、単独あるいは芍薬と配剤された場合にその作用が強く現れるが、他に強い作用のある薬物があれば、急迫症状の緩解作用はそれほど強く現れない。
 たとえば、甘草湯(甘草)は神経の興奮による各種の急迫症状を緩解する作用があり、芍薬甘草湯(芍薬、甘草)は急迫性の激しい筋肉の痙攣と疼痛のあるものに用いられる。すなわち、甘草単独では、精神的な痛みを治すが、芍薬と配剤されれば、筋肉の痛みや痙攣を治すようになる。甘麦大棗湯(甘草5.0、大棗6.0、小麦20.0)も甘草と大棗による急迫した筋肉の拘攣、神経の興奮、諸疼痛等を緩解している。これに更に他の薬物が入り、薬味の数が増えれば、甘草に由来する急迫症状の緩解作用という意味はなくなり、共存する芍薬による作用の緩和、鎮痛剤として筋肉の拘攣などを緩解する作用のみとなってくる。したがって、甘草湯あるいは、芍薬甘草湯を鎮痛剤として、あるいは急迫症状を緩解させるために使用する場合には、他の薬方と合方して用いれば、その目的を達せられないので、頓服として用いなれればならないことがわかるであろう。しかし、柴胡桂枝湯(柴胡、半夏、桂枝、黄芩、人参、芍薬、生姜、甘草)のみは、芍薬甘草湯に由来する薬効が生じる。ただし、急迫症状というよりは何となく痛いという感じである。
 5、芍薬について
 前項で、すでに述べたように、芍薬の作用には緩和、鎮痛剤として筋肉の拘攣などを緩解する作用がある。 しかし、芍薬のこの薬効が現れる場所は使用した芍薬の量によって変化するため、更に複雑となっている。すなわち、芍薬の配剤量が4.0グラム以下であれば、全身の筋肉に作用して緩和、鎮痛剤として働いているが、その配剤量が6.0グラム以上となれば裏位(腹部)の筋肉に作用して緩和、鎮痛作用を現すようになっている。
 たおてば、桂枝湯(桂枝、芍薬、生姜、大棗各4.0、甘草2.0)では芍薬は4.0グラムしかないため、全身の筋肉に作用し、筋肉の拘攣を緩解したり、鎮痛作用を現したりする。当然のことながら芍薬と甘草による急迫症状の緩解作用は、薬味の数が多いためなのか、あるいはあっても少しであるが、芍薬と桂枝の組み合わせにより起こる緩和剤としての筋肉の緊張を柔らげる作用があり、桂枝と大棗による止汗作用もある。この桂枝湯に芍薬を加えたものが桂枝加芍薬湯(桂枝湯の芍薬の量を6.0としたもの)で、芍薬の量が6.0グラムとなるため、全身の筋肉に作用してい然もなが裏虚を治す作用、すなわち、腹部の筋肉に作用して腹満、腹痛を治す作用となっている。小建中湯(桂枝、生姜、大棗各4.0、芍薬6.0、甘草2.0、膠飴20.0)は、桂枝加芍薬湯に膠飴を加えたもので、当然、芍薬の量は6.0グラムあるため腹部の虚したものに用いられ、緩和、鎮痛剤として腹部の筋肉の拘攣などを緩解する作用となっている。黄耆建中湯(小建中湯に黄耆4.0を加えたもの)、当帰建中湯(小建中湯より膠飴を去って当帰を加えたもの)、帰耆建中湯(小建中湯に黄耆2.0、当帰3.0)を加えたもの)なども、同様に芍薬の量が6.0グラムあるため腹部に作用している。

 以上が配剤された生薬を見れば、その相互作用ないし、生薬の有無、量の多少によって、理解のできるものであるが、なかには配剤された生薬が違っているのに類似の作用を呈するものもある。
 たとえば、柴胡桂枝湯加牡蛎茴香(柴胡5.0、半夏4.0、桂枝2.5、黄芩、人参、芍薬、生姜、大棗、各2.0、牡蛎3.0、茴香2.0)は心下部が痞え、動悸、胃痛、胸やけがある人に用いる薬方であり、安中散(桂枝4.0、延胡索、牡蛎各3.0、茴香、甘草、縮砂各2.0、良姜1.0)も心下部の痛みや痞え、動悸、胃痛、胸やけなどに用いられる。また、六君子湯(人参、白朮、茯苓、半夏各4.0、陳皮、生姜、大棗各2.0、甘草1.0)や四君子湯(人参、白朮、茯苓各4.0、甘草1.5)も同様に心下部の痞え、動悸、胃痛、胸やけなどを呈する人に用いられる。平胃散(蒼朮、厚朴、陳皮各3.0、生姜、大棗各2.0、甘草1.0)も心下部の痞え、胃痛、胸やけなどを呈するなど、これらの薬方は配剤された生薬が異なっているにもかかわらず、類似の薬効を呈するようになっている。これらの各薬方の違いは虚実の違いである。ただ、平胃散には蒼朮が配剤されるため、蒼朮の麻痺作用が期待され、突発性(暴飲暴食による)の痛みに使用される。
 また、半夏白朮天麻湯(半夏、白朮、陳皮、茯苓各3.0、麦芽、天麻、生姜、神麹各2.0、黄耆、人参、沢瀉各1.5、黄柏、乾姜各1.0)は心下痞があり、胃内停水、頭痛、嘔吐、めまい、冷え症に用いられるが、呉茱萸湯(呉茱萸3.0、人参2.0、大棗、生姜各4.0)も同様の症状に用いられる。ただ、半夏白朮天麻湯は、常習性の頭痛であるのに対して、呉茱萸湯は平素は頭痛がなく、ときに嘔吐すれば頭痛が始まるという人に用いられる。
(以下次号に続く)






※以上の薬方はいずれも実証の薬方である
附子瀉心湯は附子が入っていても実証?

※心下痞が気の上衝とともに移動し、顔面紅潮、精神不安、イライラ、不眠、各種出血などの症状を呈する人に用いるが、 以下の虚証の薬方では気の上衝はそれほど強くないため、心下痞は胸まで(心中懊憹)あるいは腹まで(腹中雷鳴)しか移動せず、嘔吐や下痢なども呈するようになる
心下痞が主証、
顔面紅潮、精神不安、イライラ、不眠、各種出血、心中懊憹、腹中雷鳴、嘔吐、下痢は客証


※生姜瀉心湯(半夏瀉心湯の乾姜の量を1.0に減じ、生姜2.0を加えたもの)
ここで用いる生姜は、日局ショウキョウ、すなわち乾生姜ではなく、本来の意味での生姜(生のショウガ)の方が良い。エキス剤を使う時は、半夏瀉心湯エキスを溶かした油に、ショウガをすりおろしたものを加えたりする。
乾姜と生姜については中国と日本で異なっている。

※椒梅瀉心湯
モルヒネが効かない時に、鎮痛作用を期待して用いる。
烏梅は青梅から作ったものである必要有。
染め物用の烏梅は不可。

※甘草瀉心湯は半夏瀉心湯より甘草の量を増やしてあるので精神不安を呈する場合に用いられる。
薬味が多い時には、甘草の効果は余り出てこないのでは?
4,甘草について 参照
他に強い作用のある薬物があれば、急迫症状の緩解作用はそれほど強く現れない。

※その心下痞の移動によって起こる各種の症状
頭痛、めまい、嘔吐、腹中雷鳴、下痢など

先に上げた主証 心下痞の際の客証の項を参照 

※人参の全身の水毒を移動させる作用
一時的に浮腫をきたす可能性がある。飲んでいれば治る(瞑眩的)。

※知母と石膏は組み合わされると初めて裏熱による渇をしずめ、体液の忘失(遺尿、自汗、分泌物)を防ぐ効果がある
= 口渇・漏水
口渇があるものには、八味丸や駆水剤があるが、駆水剤は口渇があって、尿利減少。八味丸は、口渇があって、多尿又は尿利減少。
遺尿は多尿よりも更に多い。

知母と石膏の組み合わせは、量的な比は特に決まっていない。
熱を下げるためには、石膏を多くする。

※知母と石膏がともに薬方中に配剤された場合には、白虎湯類として取り扱われ
『漢方薬の実際知識』では、白虎湯類はまだ無い。
白虎湯、白虎加人参湯、白虎加桂枝湯はその他に、
消風散は皮膚疾患に分類されている。

※頓服として用いなければなならい
できれば1時間以上、最低30分以上は、時間をあけて服用。

※芍薬と甘草による急迫症状の緩解作用は、薬味の数が多いためなのか、あるいはあっても少しであるが、
芍薬と甘草による急迫症状の緩解作用は、薬味の数が多いためなのか、無いか、あるいはあっても少しであるが、

※この桂枝湯に芍薬を加えたものが桂枝加芍薬湯
 もともと芍薬はあるので、この桂枝湯の芍薬を増量したものものが桂枝加芍薬湯

※膠飴
※当帰建中湯(小建中湯より膠飴を去って当帰を加えたもの)
膠飴は滋潤剤であり、瘀血を除くのには邪魔となるので、当帰建中湯では除いている。
滋潤剤一般に、瘀血を除くのを邪魔する作用がある。
帰耆建中湯に膠飴が入っているのは?

※平胃散には蒼朮が配剤されるため、蒼朮の麻痺作用が期待され、突発性(暴飲暴食による)の痛みに使用される。
急性の症状には平胃散が良いが、慢性の痛みに平胃散を用いると、麻痺作用により、治っていないのに治った気になってしまうことがあるので、注意が必要。