誌上漢方講座 症状と治療
生薬の配剤から見た漢方処方解説(3)
村上 光太郎
4.桔梗について
桔梗を民間薬として使用する場合は、排膿、鎮痛、袪痰、解熱、強壮剤として咽喉痛、扁桃炎、気管支炎、肋膜炎、化膿症等に広く用いられている。しかし漢方では桔梗の薬効が他の生薬と組み合わせて用いることによって変化することを重視している。すなわち、桔梗の作用は患部に膿や分泌物が多いものを治すが、この桔梗を芍薬と共に用いれば患部が赤く腫れ、疼痛のあるものを治すようになる。これを間違えて、桔梗を発赤、腫脹、疼痛のある人に用いたり、桔梗と芍薬を合わせて膿や分泌物の多い人に用いたりすれば、治るどころかかえって悪化する。それでは患部に膿がたまって分泌物が出ている所もあるし、発赤、腫脹、疼痛のある部分もあって、どちらを使ったらよいかわからないような時にはどうしたらよいであろうか。このような時には桔梗に芍薬と薏苡仁を組み合わせて用いるか、桔梗に荊芥、連翹(荊芥あるいは連翹だけでもよい)を組み合わせて用いるようにすればよいのである。
これを実際の薬方にあててみると更に明療になる。すなわち排膿湯(桔梗、甘草、生姜、大棗)では桔梗に芍薬が組み合わされていないため、患部は緊張がなく、膿や分泌物が多く出ている場合に用いる薬方である。しかし排膿散(桔梗、芍薬、枳実、卵黄)では桔梗は芍薬と組み合わされているため、患部は赤く腫れ、疼痛のある場合に用いるようになっている。ところで、この薬方に組み込まれている枳実のように、気うつを治す生薬(例、厚朴、蘇葉)を加えれば他の生薬の薬効を強くする作用がある。従って本方では桔梗と芍薬の組み合わせによる腫脹、疼痛を治す作用は更に強くなっている。
葛根湯の加減方は多くあるが、その中で帰郷の入った加減方を見ると、炎症によって患部に熱感のあるものに用いる葛根湯加桔梗石膏という薬方がある。この基本の薬方である葛根湯を忘れ、桔梗と石膏のみを見つめ、桔梗は温であり、石膏は寒であるから逆の作用となり、組み合わせるのはおかしいと考えてはならない。なるほど桔梗と石膏は相反する作用をもったものであっても、桔梗と葛根湯の中に含まれている芍薬とを組み合わせたものと、石膏とは同じ作用となり、相加作用を目的に用いられている薬方であることがわかる。従って同じ加減方は桂枝湯にも適用され、桂枝湯加桔梗石膏として用向責現罪決置、同じ表証に用いる薬方でも、麻黄湯に適用しようと思えば麻黄湯加桔梗石膏ではなく、麻黄湯加芍薬桔梗石膏として考えなければならない。また患部に化膿があり、膿汁も多く、また発赤、腫脹もある人に葛根湯を用いる場合は葛根湯加桔梗薏苡仁として与えなければならないことも理解できよう。桔梗と荊芥(連翹)の組み合わせの例には十味敗毒湯(柴胡、桜皮、桔梗、生姜、川芎、茯苓、独活、防風、甘草、荊芥)がある。本方は発赤、腫脹もあるが化膿もあり、分泌物が出ている人に用感る薬方である。
5.茯苓について
茯苓も組み合わせによって変化する生薬であるが、茯苓の場合は今まで述べた他の生薬とは異なり、薬効のほとんど全部が変化するというのではなく、薬効の多くの部分が変化しているが、少しは基の薬効も残っているというような不完全な変化である。すなわち、茯苓は単独で使用しても胃内停水を除き、心悸亢進やめまいを治し、利尿作用もあるが、その作用は弱く、他の生薬と組み合わすことにより、必要な薬効を強く現すことが出来る。
茯苓と白朮を組み合わせると胃の機能を亢め、胃内停水を去るか、茯苓と猪苓、沢瀉を組み合わせれば利尿剤となり、尿利を良くし、茯苓に桂枝、甘草を組み合わせれば心悸亢進、めまい、筋肉の痙攣を鎮める働きとなる。
これを実際の薬方にあたって見ると、苓姜朮甘湯(茯苓、乾姜、白朮、甘草)では茯苓は白朮と組み合わされているため、胃内停水がある人に用いる薬方である。この薬方に配剤されている乾姜には生姜の作用すなわち胃内停水を除く作用と新陳代謝の賦活作用がある。従って本方には先に述べた茯苓と白朮の組み合わせによって生じる胃内停水を除く作用と、乾姜がもっている胃内停水を除く作用の相加作用があるため、胃内停水を除く作用は強力となっている。また本方には生姜ではなく乾姜が配剤されているという事は、新陳代謝の衰えがあらため胃内停水が多くなり、水毒が胃内にとどまらず、胃から下腹部、腰部一帯にかけて広くかつ沢山ある事を表している。従工て本方を使用するときの目標の一つに、腰を冷水中につけているように感じるほど冷える人に用いるというのがあるのが理解できよう。苓桂朮甘湯(茯苓、桂枝、白朮、甘草)では茯苓と白朮の組み合わせの胃内停水を除く作用と、茯苓と桂枝、甘草の組み合わせの心悸亢進、めまいを治す作用と共に、桂枝のもっているのぼせをおさえる作用があり、更に桂枝と白朮の組合わせの利尿作用があるため、苓桂朮甘湯は瘀水が胃部に停滞し(胃内停水)、その瘀水が気の上衝と共に移動して起こる心悸亢進、めまい、尿利減少などに用いる薬方であることがわかる。茯苓甘草湯(茯苓、桂枝、生姜、甘草)では茯苓と桂枝、甘草の組み合わせの心悸亢進やめまいを鎮める作用と、生姜の胃内停水を治す作用がある。しかし胃内停水を治す作用の強い茯苓と白朮の組み合わせがないという事より、茯苓甘草湯の胃内停水はそんなに強くはないという事がわかる。従って本方証には水毒によって起こる口渇はないか、あっても微弱である(水毒が強くなれば口渇は強くなり、煩渇引飲という症状を呈するようになり、また水を服用すると嘔吐を引きおこすようになる)。茯苓沢瀉湯(茯苓、沢瀉、桂枝、白朮、生姜、甘草)では、茯苓と沢瀉の組み合わせの利尿作用と、茯苓と白朮の組み合わせの胃の機能を亢めて胃内停水を去る作用と、茯苓と桂枝、甘草の心悸亢進やめまいを治す作用がある。また生姜があるため、茯苓と白朮の組み合わせの胃内停水を除く作用は増強され、桂枝と白朮、茯苓の組み合わせの利尿作用があるので、茯苓と沢瀉の利尿作用は増強される。従って本方は胃内停水があり、めまい、心悸亢進、尿利減少、口渇などがある場合に用いる。五苓散(茯苓、白朮、猪苓、桂枝、沢瀉)では茯苓と猪苓、沢瀉の組み合わせの利尿作用と、茯苓と白朮の組み合わせの胃内停水を除く作用と、茯苓と桂枝の心悸亢進やめまいを治す作用があり更に桂枝と白朮の利尿作用があるため、茯苓と猪苓、沢瀉の利尿作用は増強される。従って本方は茯苓沢瀉湯に似ているが、余分に猪苓が配剤されているため利尿作用は五苓散の方が強く、また水毒も強い。
これら茯苓の組み合わせで生じる一連の薬方は駆水剤として考えられ、それらの薬方の虚実は水毒を治す力が強いか、弱いかによって知ることが出来る。すなわち、茯苓と桂枝、甘草の組み合わせと生姜による茯苓甘草湯が一番虚証の薬方で、生姜の代わりに胃内停水を除く作用の強い茯苓と白朮の組み合わせの苓桂朮甘湯が続き、その水毒を尿として出す茯苓と沢瀉lの組み合わせのある茯苓沢瀉湯が水毒を治す力が強いのでより実証の薬方となり、更に猪苓が入って利尿作用を強力にしたものが五苓散である(表参照)。
6、附子について
附子は新陳代謝機能を復興ないし亢進させる生薬であるため、実証の人に用いることはできない生薬であり、もし誤って使用すれば死をまねくのに対し、虚寒証の人に用いれば
驚くほどの効果が認められる。従ってその効果を期待して繁用されている生薬であるが、その組み合わせの事を知らずに使用して、虚寒証の人に用いているのにかえって害を生じたり、無効であったりの例が繁々見られる。というのも、附子は単独で用いるものではなく、他の生薬と配剤して附子の作用を選択的に要所要所に効かせる工夫をしなければならないことをわすれ仲いるからにほかならない。
すなわち附子を表に行く生薬(例、麻黄、葛根、桂枝、防風)と共に用いると、附子の作用は表に誘導されて、表の組織を温め、表の新陳代謝を亢める働きとなっているが、附子を半表半裏ないし裏に行く生薬(例、黄連、黄芩、乾姜、人参、茯苓)と共に用いると、附子の作用は半表半裏から裏に誘導されて内臓諸器管の新陳代謝を亢めるようになる。ところが附子を全身(表、半表半裏、裏)に行く生薬(例、防已、細辛、白朮、芍薬)と共に用いれば附子の作用は全身に誘導される。しかしこの様に全身に誘導される場合、前二者に比べて附子の作用は弱くなって、新陳代謝の賦活という面よりも水毒を治すという作用に変わってしまう。また附子を食道、咽部、胸部に導く生薬(例、半夏、梔子)と共に用いると附子の作用は食道、咽部、胸部に誘導され、食部、咽部、胸部の新陳代謝を亢めるようになる。
これを実際に桂枝湯の加減方にあてて見ると更によく理解できる。すなわち桂枝湯に附子を加えた桂枝加附子湯では、附子の作用は桂枝によって表に誘導されると共に、芍薬によって全身に誘導される。しかし全身に誘導されると作用は弱くなるため、主に表、即ち筋肉の部位に達し、麻痺、刺激、温補作用を示すようになり(関節の部位にも少し働く)、四肢痙攣、運動障害、麻痺、小便難などを治すようになる。また桂枝湯から芍薬を除いて附子を加えた桂枝附子湯では附子は桂枝によって表に誘導されるだけであるため、表証があり、裏に邪のないもの、関節に痛みなく、ただ筋肉が痛むだけのものに用いる薬方となっている。桂枝に白朮と附子とを加えた桂枝加朮附湯は、附子の作用を表に誘導する桂枝と、全身に誘導する芍薬、白朮がある。全身に誘導するものが、このように多くなれば表のみならず全身に効くようになるため、筋肉だけでなく、関節にも効くようになり、従って水毒症状が著明となり、四肢の麻痺、屈伸困難、尿利減少などに用いる。この桂枝加朮附湯に更に茯苓を加えたものが桂枝加苓朮附湯である。本方には附子の作用を表に誘導する桂枝と、半表半裏から裏に誘導する茯苓と、全身に誘導する芍薬、白朮があるため、結局、附子は全身に働き、水毒を除く作用にしかなりえず、心悸亢進、めまい、筋肉の痙攣(茯苓と桂枝と甘草の組み合わせの薬効の増強)、尿利減少(桂枝と白朮の組み合わせの薬効の増強)などのみとなる。ところが、この桂枝加苓朮附湯より桂枝、大棗、甘草を除いたものは真武湯(茯苓、芍薬、生姜、白朮、附子)で本方には附子の作用を半表半裏から裏に誘導する茯苓と、全身に誘導する芍薬、白朮があるため、全身にも誘導されるが、多くは半表半裏から裏に誘導され、内臓諸器官の新陳代謝を亢めるように働く。従って本方と桂枝加朮附湯とは表裏の関係にある薬方であることがわかる。
葛根加朮附湯は葛根湯に白朮と附子を加えたもので、附子の作用を表に誘導する葛根、麻黄、桂枝と、全身に誘導する芍薬、白朮があるが、表に誘導するものが多いため、主に表の新陳代謝機能を亢めるように働いている。甘草附子湯(桂枝、白朮、甘草、附子)や麻黄細辛附子湯(麻黄、細辛、附子)では表に誘導するものと、全身に誘導するものが一つずつ含まれているため、主に表に働き、筋肉の痛みなどを治すが、関節にも少し働く。真武湯と附子湯(茯苓、芍薬、白朮、人参、附子)とを比べると生姜と人参が入れ替わっているにすぎない。この生姜は胃内停水を除くが、人参は全身の水の偏調を調えるように働く。しかしそれ以上に大切な事は、真武湯では附子の作用を半表半裏から裏に誘導するものは茯苓のみで、全身に誘導するするものは芍薬と白朮があるが、附子湯を見ると、附子の作用を半表半裏から裏に誘導するものが茯苓と人参の二種となり、全身に誘導するものは真武湯と同じ芍薬と白朮であるため、附子湯の方が半表半裏から裏の新陳代謝を亢める作用が強く、虚証の薬方であることがわかる。附子理中湯〔人参湯加附子〕(人参、白朮、甘草、乾姜、附子)は附子の作用を半表半裏から裏に誘導する人参、乾姜と、全身に誘導する白朮があるため、ほとんど内臓諸器官の新陳代謝機能を亢めるように働く。四逆湯(甘草、乾姜、附子)も同様に半表半裏ないし裏に効く。しかし本方と前方は附子と乾姜の組み合わせとなるため、新陳代謝機能を亢める作用は相乗的に亢まるため、非常に虚証(虚寒証)に用いる薬方となっている。利膈湯(半夏、梔子、附子)では附子の作用は半夏、梔子によって食道、咽部、胸部に誘導されるため、咽喉が塞って嘔吐困難をきたし、嘔吐、粘痰を吐し、口渇を訴えるものに用いる薬方であることがわかる。
以上の様に附子を配剤した場合には虚実を注意することは勿論、附子がどこに効いているかを常に考えながら使用しなければとんでもない事になるのはまれではない。例えば当帰芍薬散(当帰、芍薬、川芎、茯苓、白朮、沢瀉)を服用している婦人があったとする。この人が、冷えが強く、新陳代謝機能もおとろえているというので附子を加えたとすれば、附子の作用を全身に誘導する芍薬、白朮と、半表半裏から森に誘導する茯苓があるため、附子は多くは半表半裏から裏に作用し、その部位の新陳代謝を亢め、冷えを除くように働く。普通の場合はこれでよいのであるが、もしこの婦人が妊婦であったならどうであろうか。胎児の位置は裏位であるので、附子の作用は胎児にも強く作用する。しかしいくら母親が虚証であっても、胎児は新陳代謝の盛んな実証であるため、実証に附子を与えることになり、危険である。このような事は、附子の温補作用のみに注意し、その作用する位置を考えなかったために起こる問題であり、よく注意しなければならない。また、冷えが強く、手が真白く、ロウのようになった時に、附子の効く位置の事を考えず温補作用のみ考え、すぐ真武湯をと考える傾向があるが、これなども半表半裏から裏に強い寒があるのならば真武湯を用いてもよいが、それほど強くない場合は附子の作用を表に誘導して表を温め、表の新陳代謝を亢めるようにすべきであるこ選は今さら言うに及ばないことであろう。
(以下次号に続く)
※桔梗
韓国では一般的な食品として食べられる(トラジ、ドラジ)。
唐辛子と組み合わせることで薬効が無くなる(方向変換)?
※桔梗湯は?
桔梗湯は桔梗と甘草の二味。芍薬は無い。
『傷寒論』
少陰病、二三日咽痛するものは、甘草湯を与うべし。差えざるものは桔梗湯を与う。
甘草湯の方。 甘草(二両)。 右一昧、水三升をもって、煮て一升半を取り、津を去り、七合を温服す。日に二服す。
桔梗湯の方。 桔梗(一両)、甘草(二両)。 右二昧、水三升をもって、煮て一升を取り、澤を去り、温め分かちて再服す
『金匱要略』
咳して胸満振寒し、脈数、咽は乾きて渇せず、時に濁唾腱臭を出し、久々にして膿の米粥のごときを吐するものは肺纏たり。桔梗湯これを主る。
桔梗湯の方(また血痺を治す)。桔梗(一両)、甘草(二両)。右二味、水三升をもって、煮て一升を取り、分かち温め再服す。すなわち膿血を吐するなり。
『症候による漢方治療の実際』
傷寒論には、甘草湯でよくならない咽痛にこの方を用いることになっているので、急性咽頭炎にも用いるが、扁桃炎や扁桃周囲炎で悪寒や熱のないものに用いてよい。
ある日、のどが腫れ塞って、口を開けることもできず、飲食もできないという青年を診察した。脈は大きいが、熱も悪寒もない。歯の間からのぞいてみると、扁桃周囲炎らしい。そこで桔梗湯を与えたところ、なかなか呑めないので、少しずつ口に入れて、1口ずつ呑み込むことにした。すると一日分を3分の1位のんだ時、急に嘔逆の状になって、のどに力が入ったとたんに、いちどに、膿血が口から流れ出て、それきり治ってしまった。周囲炎の患部が破潰したのである。桔梗には排膿の作用もあり、催吐作用もあるから、こんな結果になったのであろう。
※排膿湯と排膿散
排膿湯と排膿散の合方である排膿散及湯は、桔梗と芍薬の組み合わせであるため、基本的には排膿散の効果となる。
この桔梗の組み合わせのことが最初の頃はわからず、
『漢方薬の実際知識』の初版ではこの排膿散及湯が収載されていたが、
改訂版では削除された。
一般的に言われる排膿散及湯の効果を求めるのであれば、更に薏苡仁を加えるか、荊芥・連翹を加える必要がある。
※麻黄湯に適用しようと思えば麻黄湯加桔梗石膏ではなく、麻黄湯加芍薬桔梗石膏として考えなければならない。
同様に、小柴胡湯加桔梗石膏は、村上先生の考えでは誤りで、小柴胡湯加芍薬桔梗石膏とすべき。
※乾姜と生姜
※更に桂枝と白朮の組合わせ →
更に桂枝と白朮・茯苓の組合わせ
※茯苓と桂枝の心悸亢進やめまいを治す作用があり
桂枝がないので不完全
※附子:死をまねく
植物学者の白井光太郎(しらい みつたろう)氏がトリカブトの中毒で死んだことは有名。
現在は、トリカブトの塊根を附子と呼ぶことが多いが、
本来は、烏鳥 、附子、側子、天雄など、部位で異なる。
更に同じ附子でも、修治で生附子、白河附子、塩附子など異なる。
昔は小児の尿に浸ける修治もあったとのこと。
現在一般に手に入る附子は高温で減毒されているので、余り毒性を心配する必要はない。
トリカブトの中毒を解毒するには、黒豆と甘草とを一つかみずつ煎じて飲む。
※全身に誘導される場合、前二者に比べて附子の作用は弱くなって、新陳代謝の賦活という面よりも水毒を治すという作用に変わってしまう。
村上先生の理論では、
桂枝加苓朮附湯は表に導く桂枝、
半表半裏から裏に導く茯苓、
全身に導く芍薬、白朮
(大棗、生姜、甘草は特に無い)
となり、附子は全身に誘導され、関節炎や関節リウマチに使うのは
おかしくなる。
一般的には、桂枝加朮附湯の更に水毒の激しいものに、桂枝加苓朮附湯を使うとされている。
同様に苓桂朮甘湯に附子を加えると、温補作用は期待できず、駆水作用が強くなる。
※小便難などを治すようになる(桂枝加附子湯)
桂枝は尿を止める働きがあるが?
※咽喉が塞って嘔吐困難をきたし、嘔吐、粘痰を吐し、口渇を訴えるものに用いる薬方であることがわかる。
口渇はどこから来たのか?