健康情報: 生薬の配剤から見た漢方処方解説(2)

2018年7月7日土曜日

生薬の配剤から見た漢方処方解説(2)

誌上漢方講座 症状と治療
生薬の配剤から見た漢方処方解説(3)
 村上 光太郎

 2.桂枝について
 桂枝は、麻黄と組み合わせれば、発汗剤(相加作用)となることはすでに述べたが:この麻黄を防風に変えても同様に発汗剤(相加作用)となる。しかし、麻黄を大棗に変えれば、まったく逆に止汗剤(方向変換)となる。ところで、桂枝の作用は、麻黄と同様に発汗剤となるが、桂枝と大棗を組み合わせたために止汗剤に変化したことを知らず、桂枝湯が止汗剤であるからといって、直ちに桂枝を止汗剤として考えている人がいるのは困ったことである。すなわち、生姜、大棗、甘草のような生薬は、本来持っている独自の薬効も大切ではあるが、それ以上に他の生薬と組み合わせれば、その生薬の薬効に変化をもたらす場合があることを忘れてはならない。その他、桂枝に芍薬を組み合わせれば、緩和剤(方向変換)となり、桂枝に白朮を組み合わせれば利尿剤(方向変換)となり、桂枝に地黄を組み合わせれば強壮剤(方向変換)となる。
 なお、桂枝は組み合わされても変化しない薬効の部分としてのぼせを押える作用がある。
 これを実際に種々の薬方に当たって見ると更に明瞭となる。すなわち桂枝湯(桂枝、芍薬、生姜、大棗、甘草)では、桂枝は大棗と組み合わされているため、止汗剤として働決が、桂枝は同時に芍薬とも組み合わされているため、緩和剤の作用が加わる。したがって、桂枝湯は筋肉の緊張があり(症状としては肩こり、腰痛、頭痛、四肢の疼痛など)、のぼせがあり、汗の出ている人に用いることがわかる。
 ところで、古い薬方集を見ると薬方中の生姜、大棗、甘草を抜いて書かれた書物が案外多く見られる。このような書物の薬方を見るときには、その薬方がどちらの薬効を期待して使用されているかを考え、生姜、大棗、甘草の加減をしなければ逆治をすることも繁々おこり、大変なことになるのは感うまでもない。
 たとえば、先の桂枝湯から生姜、大棗、甘草を除いたならば、桂枝と芍薬だけとなり、桂枝の発汗作用とのぼせを押える作用とともに、桂枝と芍薬の組み合わせによる緩和作用があるため、無汗でのぼせがあり、筋肉の緊張がある人に用いる薬方となり、桂枝湯よりは実証の人に用いる薬方となってしまう。したがって、ここまで考えず、桂枝湯証の人に、桂枝と芍薬だけの薬方を与えれば、汗がどんどん出るため、更に虚証となり、脱汗状態となり、しかも、尿は出なくなり、病状は悪化するであろう。桂枝湯より芍薬を除いた桂枝去芍薬湯では、桂枝と大棗の組み合わせだけになるため、のぼせがあり、汗も出ているが、肩こり、腰痛などの筋肉の痛みがない人に用いる薬方であることがわかる。ところで、肩こり、腰痛などの筋肉の痛みがないときに、芍薬を除かなくても良いのではないかと考える人もあるかと思うが、一般に生薬は、相乗効果のある組み合わせを除いて考えれば、その効果は①、単独で使用する(例、民間薬)②、四~五種類を組み合わせて使用する(例、古方)③、七種類以上を組み合わせて使用する。(例、後世方)の順に、すなわち、薬味の数が増えるにしたがって、薬方の作用は弱くなる傾向がある。(相乗効果があるあれば、組合わせて使用する方が薬方の作用が強くなるのは当然である。) しかし、適応証の範囲、言い換えれば、証の取りやすさという点で考えると、作用とは逆に薬味が増えるにしたがって安易に薬方を使えるようになる利点がある。実上のことから考えれば、先の桂枝加芍薬湯も必要でない緩和作用を除き、より強く、かつスムーズに治癒させることを目的に、芍薬が除かれているのである。
 ところで注意しなければならないことは、漢方では「転用」が繁々行われるということである。すなわち、薬味の組み合わせによって薬効を知ったとしても、それが実際に応用されるためには、この転用ということを熟知していなければ、薬方の適応の範囲が非常に狭くなり、薬方の証のほんの一部分しか使用できない。このように転用をしない使い方では、正しく漢方を使用できるとはいいがたい。転用には種々のものがある。たとえば、自汗という症状(すなわち、止汗剤を用いなければならないとき)は、転用すれば皮膚病、潰瘍、耳漏、蓄膿症などで、薄い分泌物が多量に流れ出ている場合と考え、止汗剤を与えるようにするし、無汗という症状(すなわち、発汗剤を用いなければならないとき)は分泌物が少量出るか、あるいは皮膚が乾燥して、カサカサしているものや、乳汁分泌不足で困るような状態として考えることができる。同様な考えで、帯下を小便自利として処理することもある。
 したがって、先の桂枝湯では皮膚病、潰瘍、耳漏、蓄膿症などで、薄い分泌物が多く出て、のぼせ・肩こり・頭痛などがある場合に用いれば良いことがわかる。葛根湯(葛根、麻黄、桂枝、芍薬、生姜、大棗、甘草)では、麻黄と桂枝の組み合わせの発汗作用と、桂枝と芍薬の筋肉の緊張を和らげる作用がある。しかし、ここで注意しなければならないことは、桂枝は大棗とも組み合わされ仲いるということである。
 生薬の組み合わせには、ときどきこのような逆の作用の組み合わせが同一薬方内に入っている場合があるが、 このような場合には両方の薬効が現われるのではなく、組み合わされたために新しい薬効ができるのでなければ実証の薬味の組み合わせの薬効が現われる。
(しかし、附子が薬方中に配剤されている場合には、虚証である附子の組み合わせの薬効の方が現れる)。
 したがって、葛根湯の場合は、桂枝と大棗の止汗作用の組み合わせと、桂枝と麻黄の発汗作用の組み合わせが同一薬方内に入っているが、実証の無汗を治す、すなわち桂枝と麻黄の組み合わせの薬効が現われるのである。苓桂朮甘湯(茯苓、桂枝、白朮、甘草)では、桂枝は白朮および茯苓と組み合わわれているので利尿剤となる。また茯苓に桂枝と甘草を組み合わせると心悸亢進、めまいなどを生じる人に用いる薬方であることがわかる。桂枝人参湯(桂枝、人参、白朮、乾姜、甘草)では、桂枝は白朮と組み合わされているので、尿利減少があることがわかる。ところで、桂枝の組み合わせとは関係がないのであるが、ここに配剤されている人参は全身の水毒を除く作用があり、乾姜は附子ほどの強い作用ではないが、体を温める作用、すなわち新陳代謝を亢める働きがあるので、桂枝人参湯は尿利減少と新陳代謝機能の衰えた場合に用いるのである。
 しかし、このように体に水が溜り(尿利減少)、新陳代謝機能の衰えが見られるような場合には、下痢という症状(寒による下痢)が現われやすくなる。したがって、桂枝人参湯は顔色が青白く(新陳代謝機能が衰えているため)、下痢、尿利減少などの症状を現わしている人に用いることがわかる。防已茯苓湯(防已、黄耆、桂枝、茯苓、甘草)では、桂枝は茯苓および甘草があるため、尿利減少(桂枝と茯苓の組み合わせ)や心悸亢進、めまい(茯苓と桂枝、甘草の組み合わせ)がある人に用いる薬方であることがわかる。ところで、このように尿利減少があるということは、転用すれば浮腫があるということになるため、この薬方は浮腫も治す作用も持っていることを忘れてはならない。八味丸(地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮、桂枝、附子)も同様に考えると、桂枝は茯苓と組み合わされて尿利減少を治し、地黄と組み合わされて強壮剤となっている。したがって虚証の人の尿利減少を治す作用がある薬方であることがわかる。

 3.半夏について
 生薬の薬効の発見には、種々の方法があり、初期の段階では、たまたま病気のときに食べたら効いたので(たとえば、マタタビの果実を強壮剤として使用することを始めたのは旅人が疲れて動けなくなったとき、丁度そこにあったマタタビの果実を食べたら元気になり、再びタビができたので使用するようになった。)とか、動物が疾病を癒すために、あるいは他の目的で本能的に用いるのを見て(たとえば、イカリソウを強壮、強精剤として使用を始めたのは、中国に淫羊という動物がいて、その中の一頭の雄の淫羊は非常に精力が強く、多くの雌の淫羊を従えていたが、それはこの植物を食べていたからであった。そこで、この植物を淫羊藿〔インヨウカク〕となづけて強壮、強精剤として使用することになった)使用を始めたのがほとんどであった。しかし、そのようにして、多くの生薬が集まり始めると、次第に理由をつけて生薬を探り始めた。その理由づけとして使用された主なものは
①同形生薬(病気になっている状態と同じ形の生薬は、その病気に効くとか、希望の形、望まれる形に生薬なら効果があるという考え方で使用されるようになった生薬、たとえば藤のコブ(瘤)は形が人の癌に似ているので、癌に効くのではないかと、タンポポを切ると白汁が多く出るので、乳汁分泌不足に効くのではないかと考えて使用したり、同じ朝鮮人参でも、人間の形、特に男性に使用する場合は女性に似た形の人参を、女性に使用する場合は男性に似た形の人参を好んで使用するなどのようなもの)。
②同色生薬(同じ色をしたものは、その色の病気に効くという考えで使用されるようになった生薬。たとえば、サフランのメシベやアカネの根は色が赤いので血液の病気、すなわち婦人病などに効くとか、熟地黄は黒いので腎臓病などになり、顔色がドス黒くなったものに与えるなどのようなもの。これらの考方は発展して五行説の中の五色〔肝臓、胆のうは青。心臓、小腸は赤。脾臓、胃は黄。肺、大腸は白。腎臓、膀胱は黒〕に取り入れられている)。
③同効生薬(ある生薬を服用して起こる症状と同じ症状が病気のときに起こったならば、その生薬を服用すれば治るという考えで使用されるようになった生薬)の三つの形態があげられる。半夏は最後の同効生薬の考え方で作られた生薬である。すなわち、半夏をかんで服用、あるいは煎じて服用すれば、咽が痛くなり、あるいは胃がムカムカしてくる。これは非常に明瞭に現われる症状であるから、各自が服用して見れば生薬の効果が非常に理解しやすくなると思う。しかし、胃内停水があったり、その他の水毒の症状の激しい人や、風邪などをひいてもとより咽の痛い人が服用したときには、もとより症状のない方(胃のムカムカ、咽喉痛のいずれか)の症状が現われてくるか、まったくそのような症状は現われない。
 ところが半夏を生姜とともに煎じるか半夏を生姜とともに煮て作った姜半夏を用いた場合には、たとえ症状がない人が用いても咽喉が痛くなったり、胃がムカムカしたりすることはなく、反対にそのような症状があれば治すことができるようになる。ところで、このように半夏の有害な作用を消し、薬効のみを引き出すことができるのは生姜だけかというとそうではなく、半夏に大棗と甘草を加えても薬効を引き出すことができる。ただ半夏に生姜を加えた場合には鎮嘔作用(方向変換、相殺作用)の方が強く現われ、半夏に甘草と大棗を加えた場合には鎮痛作用(方向変換、相殺作用)の方が強く現われるようになる。
 これを実際の薬方にあてて見ると、更に明瞭となる。すなわち、小半夏湯(半夏、生姜)は胃がムカムカし、嘔吐となったり、咽喉部に痛みを感じる人に用いるが、半夏と生姜の組み合わせであるため、嘔吐が主体であることはいうまでもない。この小半夏湯のような症状を呈する人がもし胃内停水が強く現われているならば、どうすればようであろうか。生姜の薬効の一つに胃内停水を除く作用があるので、胃内停水が弱い場合には小半夏湯のままでよいのであるが、今症状が強く現われているので、その作用を助けてやらなければならない。
 したがって、駆水作用のある茯苓(極端に胃内停水が強ければ茯苓とともに白朮も加えなければならないが、この場合は、茯苓のみに止めた)を加えた小半夏加茯苓湯を与えることになる。もし、この小半夏加茯苓湯のように胃内停水があるが、嘔吐として出てこず、かえって胃内停水が気の上衝とともに昇ってきて、咽部で止まり、そこに水の停滞が起き、気の停滞とともに咽部の異常感(軽いときは咽がかれるような感じから、酷くなると、咽がつまる感じまである)を覚えるようになった人には、原因となる胃内停水を治すとともに気が留まるのを除くように考えれば治るのであるから、胃内停水を除く小半夏加茯苓湯に気が留まるのを治す厚朴、蘇葉を加えた半夏厚朴湯を与えればよいことがわかる。このことは、薬味の組み合わせを知らず、半夏厚朴湯の薬効を気の症状ばかりを重視して、咽中炙肉感があり、神経症状の特異な人に用いるものであると考えている傾向があるが、その基本となる小半夏加茯苓湯の薬効を忘れてはならないことを意味している。麦門冬湯(麦門冬、粳米、半夏、大棗、甘草、半夏)では、半夏と大棗、甘草の組み合わせとなるため、鎮痛作用が現われる。すなわち、麦門冬湯では麦門冬は鎮咳剤として働き、その咳が激しくなり、痙攣性の咳嗽となり、咽部の痛くなるを半夏と大棗、甘草の組み合わせによって治すのであり、全身の水の変調を治すために人参も加えられている。ところで、鎮咳剤として使用されている生薬も病人の虚実によって種々の生薬が使用されることを知っておかなければならない。(表参照)。すなわち、実証の人の咳には麻黄と杏仁の組み合わせでできる麻杏甘石湯、麻杏薏甘湯、麻黄湯などを用い、少し虚したときには麻黄の入った薬方を用いる。更に虚したときには杏仁の入った茯苓杏仁甘草湯などを用いる。更に虚が強くなれば、五味子の入った苓桂味甘湯などを用い、更に虚せば麦門冬の入った麦門冬湯などを用い、更に虚せば、精神不安を静めて鎮咳作用をだす大棗の入った苓桂甘棗湯などを用いるようになる。
 しかし、麻黄は常に鎮咳作用を現わすわけではなく、ときには鎮咳作用がなくなったり、あるいは組み合わされた生薬によって虚実が変化することが多いので()印をつけているのである。








※桂枝はのぼせを押える作用がある。
尿を止める働きにもなるので注意。
文中の「しかも、尿は出なくなり」も、この桂枝の働きが前提に書かれている。
ただ、桂枝+白朮(・茯苓)→利尿作用 は尿を止める働きはなくなる。


※同名異方
同じ薬方名でも薬味が異なる場合があり、ここでの桂枝湯はその例とも言える。
現代のエキス製剤でも、同じ薬方名で、内容が異なることがあるので注意が必要。
例えば、竜胆瀉肝湯においては、小太郎の竜胆瀉肝湯は一貫堂方であるが、
他のメーカーの 竜胆瀉肝湯は、薛立斎の薬方であるので注意が必要。

また、ツムラの柴胡加竜骨牡蛎湯は大黄が無いが、他メーカーには大黄が入っている。

その他、白朮と蒼朮との違いがあったり、分量が異なっていたりする場合があるので、
エキス剤を使う際にも、薬方名だけで決めるだけでなく、薬方の薬味まで良く確認した方が良い。
同じ薬方名でもメーカーによっては、効果の違いを感じる場合もあるように聞いています。


意味合いが少し異なりますが、カット生薬を自分で煎じる際、生姜の量には注意してください。
本によっては、生(なま)のショウガの分量を書いてあるものと、
日局ショウキョウ(乾生姜、干生姜)の量を書いているものがあるからです。

それを知らずに風邪を引いたので葛根湯を飲んでみようと、村上先生の『漢方薬の実際知識』を見ながら、そこに書いてある分量をそのまま、日局ショウキョウを量り込んで煎じたら、辛くて大変なことになりました。
後で聞いた所、『漢方薬の実際知識』に書かれている生姜の分量は、生(なま)のショウガの量とのことでした。
なお、生姜瀉心湯などは生(なま)のショウガの方が良く効くようです。

また別件ですが、『皇漢医学』に書かれている分量は多過ぎて、そのままでは使えないそうです。わざと書いているとのことです。
このように、出典には注意が必要です。

※生薬の組み合わせには、ときどきこのような逆の作用の組み合わせが同一薬方内に入っている場合があるが、
虚実の逆の作用の場合の解説。
寒熱が逆の作用はどちらが出るかわからない。

※桂枝人参湯(けいしにんじんとう)
『傷寒論』下篇
太陽病、外証いまだ除かずして、しばしばこれを下し、ついに協熱下痢し、利下止まず、心下痞し、表裏解せざるもの、桂枝人参湯之を主る
とあり、
もともとは、急性熱性疾患(傷寒)の誤下による下痢を治療する処方。

藤平健氏が常習性の頭痛に効く旨の発表をしてからは頭痛によく使われるようになった。

※防已茯苓湯(ぼういぶくりょうとう)
余り有名でない薬方。防已黄耆湯と比較されることが多い。

※同形生薬
海狗腎や鹿鞭のような男性生殖器が強壮・強精剤に使われるのも同形生薬。
更に男性生殖器と形が似ている肉蓯蓉や鎖陽などが強壮・強精剤に使われるのも同様。
現代医学的でも肝臓加水分解物が肝臓病に使われるが、これも一種の同形生薬?


※同効生薬
ホメオパシー(homeopathy)も"similia similibus curantur"「同種のものが同種のものを治す」として、似た考え方。
ただ、ホメオパシーは高度に希釈を行い、繰り返して薄めたものほど効くとされており、違う部分もある。

※半夏の鎮痛作用
基本的には咽の痛みに対する鎮痛作用。
甘草・大棗と書かれているが、大柴胡湯のように、甘草の無い場合も。
また、利膈湯(りかくとう)のように生姜や甘草・大棗の組み合わせのないものもある。
利膈湯加味のように改良された薬方もあるが、咽喉ガンなどで食物が通らないような時には、利膈湯の方が良く効くとのこと。
利膈湯加味は薬味が増え、効果がマイルドになっている。
(一般的に薬味か増える程、適用範囲は広がるが、効果はマイルドになる(切れが悪くなる))

大半夏湯(半夏、人参、蜂蜜)(金匱要略 胃反,嘔吐する者は,大半夏湯之を主る)も生姜や甘草・大棗が無い。
蜂蜜が甘草・大棗の代わり?

※実証の人の咳には麻黄と杏仁の組み合わせでできる麻杏甘石湯、麻杏薏甘湯、麻黄湯などを用い
麻杏甘石湯は村上先生の説明では通常、虚証。
麻黄+石膏の鎮咳作用は虚証の咳。

記載が古いのでこのような誤りがある。