陰陽 全身について言う
病気に対する抵抗力(余り考えなくても良い)
陰・・・・・・病気に負ける状態
病気になりやすい
老人がひばちにあたりながらお茶をすするような状態
コタツでまるくなったネコ
陽・・・・・・病気に勝てる状態
病気になりにくい
子供が元気に走り回る状態
よろこびかけまわる犬
虚実 全身または部分について言う
間違うと重大なことが起こる。(時には死亡することも)
例 大黄・・・・・・下痢が止まらなくなる。(すぐには死なない)
附子・・・・・・しびれ、呼吸器の麻痺(一服で死ぬことも)
麻黄・・・・・・脱汗(汗が止まらなくなる)
実 薬に対する反応性が高い 症状がはっきり出る 効果が早く発現する
症状を激しく訴える
虚 薬に対する反応性が低い 症状が余り出ない
症状を余りつらそうに訴えない 効果の発現は遅い
虚の症状で大切なもの
1.発汗
2.冷え、寒がる
3.極度の疲労感
虚実は部分をあらわすことがあるので、
実の薬方と虚の薬方を組み合わせて飲ますこともある。
寒熱 部分についてのみ言う
寒 自覚的・他覚的に冷たい 色が白い 暖めて治す
熱 自覚的・他覚的に熱い 色が赤い 冷やして治す
色がピンクはやや熱の状態と考える
表裏・・・・・・体の部位をあらわす
表 手足、体の表面、呼吸器・消化器の表面 発汗or止汗剤
半表半裏 肝、腎、肺、心臓 和剤
裏 小腸、大腸 下剤・温補剤
内表と外表
消化管の表面(空気の触れる部分)は表であるが、症状の現れ方が手足や体の表面の表とは逆に現れる。
このため、消化管の表面を内表、手足や体の表面を外表と区別することもある。
内表の無汗とは、汗(水)が出ている状態となる。また、内表の上焦は、外から見れば下焦となる。
傷寒論の「太陽と陽明の合病、必ず自下痢す。葛根湯之を主る」の条文は、内表と外表の違いを把握すれば理解できる。
すなわち、葛根湯は無汗で上焦に症状のある者に用いるが、これが内表では、汗(水)が出ている状態で、それが下半身であらわれる、すなわち下痢となるわけである。
ただここで注意しなければならないのは、すべての下痢を無汗として処理したり、すべての便秘を発汗として処理してはならないということである。あくまでも内の表の発汗あるいは無汗として考えられるものだけに適用できるもので、裏位(りい)に変化がある場合に起こる便秘や下痢については、この考え方は適用できないのは当然である。
次の条文の「太陽と陽明の合病、下痢せず、但嘔する者、葛根湯加半夏之を主る」は、内表の発汗と上焦、すなわち外表であれば無汗で下焦にも効く薬方を与える必要があるので、本来は葛根湯加半夏ではなく麻黄湯加半夏(生姜)とするべきであろう。ただし葛根湯も少しは外表の下焦にも効くので、先の条文も間違いとは言えない。
なお、単に表と言った時は、外表を意味することが多い。
症状による證の把握については、症状が一つ増えることで、證が大きく変化することがあるので、注意を要する。
例えば、同じ頭痛でも、頭痛・肩凝りだけなら表証であるが、これに食欲不振や胸苦しい等の症状があれば、半表半裏証となる。また、頭痛・肩凝りに食欲不振と冷えによる下痢があれば、裏証となる。このように、症状の有無により證が大きく変わことがあるので、問診の際には、注意が必要である。
特に次の点については、確認することが重要である。
1.食欲の有無
2.腹痛の有無
3.胸脇苦満の有無
4.冷えの有無
内外・・・・・・体の部位をあらわす。
表裏と重なる所もあるが異なる。
表裏程には使われない。
上中下・・・・・・(余り使われない)
身体部位をあらわす。
身体部位を上、中、下(上焦、中焦、下焦)に分けて、
横隔膜の上を上焦、臍より下を下焦と呼び、その中間を中焦と呼ぶ。
上焦・・・・・・吐剤
下焦・・・・・・下剤