1月26日、大正富山医薬品株式会社(本社:東京都、社長 大平 明)が「クラリス®錠200」として、アボット ジャパン株式会社(医薬品事業部:大阪府、社長 グレン・エス・ワーナー)が「クラリシッド®錠200mg」として販売しておりますマクロライド系抗生物質(一般名:クラリスロマイシン)において「胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ除菌療法としてラベプラゾールナトリウム、アモキシシリンとの併用療法」(RAC 3剤併用療法)が承認されました。
http://www.taisho.co.jp/company/release/2007/2007013001.pdf
ピロリ菌は、胃潰瘍のみならず、癌の原因とも考えられています。
胃がんは比較的進行が遅いため、発症から約9年間は早期の段階に留まっていて、
この時期に治療を受ければほとんどの人が完治可能とされています。
胃の内視鏡検査に迷う人は、まずは血液検査でペプシノゲンの量を確かめ、
ピロリ菌感染の有無を調べることで「内視鏡検査をすぐに受けるべきかどうか」を
判断することも可能だと思います。
最近では、3泊4日でできる最新の胃がん切除手術があるそうです。
ただしこの手術は進行していない早期がんであること等が条件になっています。
やはり年に一度の検査が大切です。
参考:日本消化器内視鏡学会Vol.48 No.1(2006)- 12頁「早期胃癌治療におけ
る内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)の臨床
疫学的評価:患者アウトカム及び費用対効果の観点から」
ピロリ菌については、潰瘍があれば保険にて除菌が認められています。
一部の乳酸菌(LG21、LC1)などもピロリ菌に効果があるようです。
この他、マスティック、マヌカハニー、鶏卵抗体食品(IgY含有)、ブロッコリースプラウト、ライスパワーエキス(ライスパワー101)、ココアの脂肪成分、梅肉エキス、わさびの葉、シナモン、海藻類、クランベリー、アシタバ(明日葉)、ニンニク、緑茶カテキン、ナリネ菌(Lactobacillus acidophilus)など、色々と健康食品素材がピロリ菌に効果があるとして出ています。
胃・十二指腸潰瘍に有効な漢方薬方(処方)は、安中散(加茯苓)、柴胡桂枝湯加牡蠣茴香、半夏瀉心湯、黄連解毒湯など、たくさんあります。黄連や黄柏には抗菌作用がありますので、ピロリ菌にも効果があるかもしれません。日本の漢方では余り使われませんが、莪朮(ガジュツ)にもピロリ菌に対して抑制する働きがあるようです。