健康情報: 香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう) の 効能・効果 と 副作用

2013年9月24日火曜日

香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう) の 効能・効果 と 副作用

漢方診療の實際』 大塚敬節 矢数道明 清水藤太郎共著 南山堂刊
六君子湯(りっくんしとう)
人参 白朮 茯苓 半夏各四・ 陳皮 生姜 大棗各二・ 甘草一・
本方は四君子湯と二陳湯との合方で、胃腸虚弱にして四君子湯よりは胃内停水の多いものに用いる。心下部痞え・食欲不振・疲労し易く、貧血を呈し脈も腹も共に軟弱で、日常手足の冷え易い虚證のものを目標とする。
本方中の人参・白朮・茯苓・甘草は即ち四君子湯で、胃腸の機能を亢め、消化吸収をよくする。陳皮は人参と共に食欲を進め、半夏は白朮・茯苓と共に胃腸内の停水を去る。
以上の目的に従い本方は慢性胃腸カタル・胃弱症・病後の食欲不振・嘔吐・慢性腹膜炎・悪阻・小児虚弱者の感冒・神経衰弱・胃癌・胃潰瘍(止血後)等に応用される。

【香砂六君子湯】(こうしゃりっくんしとう)
人参 朮 茯苓 半夏各三・ 陳皮 香附子各二・ 大棗 生姜各一・五 甘草 縮砂 藿香各一・
本方に香附子・砂仁・藿香を加えたもので、六君子湯の證で、特に心下痞塞を訴え、気鬱し、食欲不振・宿食を兼ね識ものに用いる。一般的にこの加減方が多く用いられる。
【柴芍六君子湯】(さいしゃくりっくんしとう)
六君子湯に柴胡 芍薬各三・を加える。
本方に柴胡・芍薬を加えたもので、六君子湯の症で、腹直筋の拘攣・或は腹痛のあるものに用いられる。


漢方精撰百八方
108.〔六君子湯〕(りっくんしとう)

〔出典〕薛立斉十六種 〔附方〕香砂六君子湯、柴芍六君子湯

〔処方〕人参、朮、茯苓、半夏 各3.0 陳皮、生姜、大棗 各2.0 甘草1.5

〔目標〕体質虚弱で、皮膚や筋肉の緊張が悪く、多くは痩せ型で貧血性の、いわゆる弛緩性体質の人。食欲がなく、体重が減り、食物が心下部につかえ、少し食べても胃が張り、吐きけや嘔吐が起こり、胃部の膨満感があり、大便が軟らかい。脈は弱く、腹部は軟弱で心下部や臍の附近に振水音をみとめる。  

香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう):六君子湯を用いるような場合で、腹が痛んだり、気分が重く、憂鬱で精神不安があり、頭重、倦怠などがあり、疲れ易いものに用いる。  柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう):六君子湯を用いたいようなときで、胸脇苦満があり、神経質になっているものに用いる。

〔かんどころ〕虚弱体質ではあるが、余り痩せ衰えてはいない。食べ物を少しとると腹が張って食べられなくなる。腹部に心下部振水音がある。

〔応用〕胃アトニー症、胃下垂症、慢性胃腸カタル、神経症

〔治験〕11才の男児、わたしの甥である。  この子は、もともと身長は高いが、やせて顔色の青白い少年で、いつも家にこもって、本を読んだり、模型をいたずらしたりするばかりで、ほかの子供のように、戸外をとび歩いて遊ぶということがなかった。
  食欲がなく、少し食事をとると、げぶげぶと吐きそうになるといって、母親がこばしに来た。
  腹部を診ると、子供なのに、心下部の振水音が著明である。そこで、六君子湯を投与することにした。これが、昭和39年の5月初である。
  それ以来、一日も欠かさず薬を飲ませた。すると、7月末、学校が夏休みになったので、久しぶりに遊びに来た甥を見て、わたしはすっかり驚いてしまった。からだは、がっちりして、顔は丸々と肥り、しかも赤々とした顔色になり、別人のように元気な子供になっていたからである。
  母親は欲が出て、もっともっと丈夫にするといい、その年の末まで薬を飲ませた。
山田光胤


漢方薬の実際知識 東丈夫・村上光太郎著 東洋経済新報社 刊
7 裏証(りしょう)Ⅰ
虚弱な体質者で、消化機能が衰え、心下部の痞えを 訴えるもの、また消化機能の衰退によって起こる各種の疾患に用いられる。建中湯類、裏証Ⅰ、 裏証Ⅱは、いずれも裏虚の場合に用いられるが、建中湯類は、特に中焦が虚したもの、裏証Ⅰは、特に消化機能が衰えたもの、裏証Ⅱは、新陳代謝機能が衰えた ものに用いられる。
裏証Ⅰの中で、柴胡桂枝湯加牡蠣茴香(さいこけいしとうかぼれいういきょう)・安中散(あんちゅうさん)は気の動揺があり、神経質の傾向を呈する。半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)・呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、水の上逆による頭痛、嘔吐に用いる。

4 六君子湯(りっくんしとう)  (万病回春)
〔人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(茯苓)、半夏(はんげ)各四、陳皮(ちんぴ)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)各二、甘草(かんぞう)一〕
本 方は、四君子湯に半夏、陳皮を加えたもので、四君子湯證よりもさらに胃内停水が強く、心下痞と四肢の厥冷を訴えるものに用いられる。また、 本方は消化機能をととのえる作用が強いため、虚証で貧血、疲労感、食欲不振、胃内停水、心下痞満、四肢の冷え、軟便または下痢便などを目標とする。ときと して浮腫、嘔吐、尿利減少を訴えることがある。また食後右側を下にして横になっていたがる傾向のあることもある。
〔応用〕
つぎに示すような疾患に、六君子湯證を呈するものが多い。
一 慢性胃カタル、胃下垂症、胃アトニー症、胃拡張症、胃潰瘍、胃癌、十二指腸潰瘍、慢性腹膜炎、腸カタルその他の消化器系疾患。
一 神経衰弱、神経症その他の神経系疾患。
一 そのほか、感冒、悪阻、心臓弁膜症など。

六君子湯の加減方
(1) 香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)  (万病回春)
〔六君子湯に香附子(こうぶし)、縮砂(しゅくしゃ)、藿香(かっこう)各二を加えたもの〕
六君子湯證で、気うつし、心下部の痞塞感が強く、食物が停滞するため、食欲不振、腹満、腹痛を訴えるものを目標とする。

(2) 柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)  (本朝経験)
〔六君子湯に柴胡(さいこ)四、芍薬(しゃくやく)三を加えたもの〕
六君子湯證で、腹直筋の拘攣や胸脇苦満の状を呈するもの、あるいは腹痛を伴うものに用いられる。本方は、いちおう柴胡剤であるが、駆水剤(特に胃内停水を去る)である六君子湯の作用が主体であることからここにかかげた。
〔応用〕
六君子湯のところで示したような疾患に、柴芍六君子湯證を呈するものが多い。
その他
一 肝炎、膵臓炎その他の肝臓、膵臓、胆嚢の疾患


『漢方と診療  Vol.3 No.1(2012.03)』 
漢方診療ワザとコツ No.28 エキス剤なら —その2 
織部 和宏 織部内科クリニック(大分市)
◆香砂六君子湯
 この方は六君子湯加香附子・縮砂・藿香・のことであ るが,浅田宗伯の『勿誤薬室「方函 」 「口訣 」 』 (長谷川 弥人編,創元社)では「脾胃虚弱にして宿食痰気を 兼ね飲食進まず嘔吐悪心す。或は泄痢後,脾胃不調, 或は風寒病後,余熱退かず,咳嗽止まず気力弱き者を 治す」と述べられている。  要するに六君子湯単独ではもうひとつ胃もたれや胃 の膨満感が改善せず,食欲も亢進しないときに使用す るわけであるが,エキスでいく場合には六君子湯合香蘇散でけっこう効いている。
 香附子・縮砂は宗伯に言わせると,開胃の手段すな わち長谷川弥人先生の解説では食欲を増す目的で加味されているとのことである。平胃散に加えるときは消食の力を速やかにするとのことなどで平胃散証と思われる患者に平胃散を投与してもなお胃もたれや消化不良があるようなときに香附子・縮砂を加味すると確かによいのは私も経験しているが,エキス剤の場合は合 香蘇散でよさそうである。
  気剤としてよく使用している分心気飲は今のエキス剤をどう組み合わせたら代用できるのか今のところ私にはよくわからない。この方剤,使用する機会はけっ こう多いので,将来困るなと心配している。


『勿誤薬室方函口訣解説(29)』 
日本東洋医学会会員 向後 健

香砂六君子湯
 次は香砂六君子湯(コウシャリックンシトウ)です。出典は薛立斉の『薛已十六種』であります。通読します。「脾胃虚弱にして宿食痰気を兼ね、飲食進まず、嘔吐、悪心、あるいは泄痢の後、脾胃調わず、あるいは風寒病後、余熱退かず、咳嗽止まず、気力弱き者を治す。即ち六君子湯(リックンシトウ)方中に、莎草(シャソウ)、縮砂(シュクシャ)、藿香(カッコウ)を加う。此の方は後世にて尊奉する剤なれども、香砂の能は開胃の手段にて別に奇効なし。但し平胃散(ヘイイサン)に加うるときは、消食の力を速(すみやか)にし、六君子湯に加うる時は開胃の力を増すと心得べし。又老人虚人食後になると至て眠くなり、頭も重く手足倦怠気塞(ふさが)るもの、此の方に宜し。若し至りて重きもの半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)に宜し」とあります。
 最初に「脾胃の虚弱を治す」 とありますが、これは消化器の機能の弱っているのを治すことにほかなりませんが、脾とは古典においては脾臓(Milz)ではなくて、胃と同胃義か、あるいは胃の機能を助ける働きがある臓器として考えられていたもので、現在の膵臓に当たるものではないかとの説もあります。したがってまた一方においては、単なる消化力の減退のほか、全体的な精気(バイタリティ)の衰えをも意味しているとも考えられます。それ故、睡眠の異常とか、食後にだるくて眠気がさすような症状も脾虚の証に含まれているのは当然であると思われます。次の宿食は飲食物の消化吸収が悪く、胃に停滞することにほかなりません。
 嘔吐、悪心については字句の解釈にはとくに説明を要するものとは思いませんが、薬方の決定に際しては、意義があると思いますので、解説しておきます。嘔吐を細別しますと、声があって物がないのを嘔といい、声がなくて物があるのを吐というとあり、また嘔吐の時に悪心を伴うか否かが大切なポイントになるといわれております。すなわち悪心を伴う時は、半夏(ハンゲ)剤を用い、水を吐く水滞の徴候の時には五苓散(ゴレイサン)、沢瀉湯(タクシャトウ)等を用い、また嘔だけのもの、乾嘔(からえずき)には、生姜(ショウキョウ)、乾生姜(カンショウキョウ)などの配剤された薬方がよいとされています。この方には半夏が配剤されております。
 この方は六君子湯に、香附子(コウブシ)、縮砂、藿香を加えたものとありますので、まず原方である六君子湯から解説いたします。六君子湯の出典は、『万病回春』の補益門です。すなわち「脾胃虚弱にして飲食少しく思い、或は久しく瘧痢(きゃくり)を患(わずら)い、若くは内熱を覚え、或は飲食化し難く、酸を作し、虚火に属するを治す」と記載されてあります。
 字句の説明をしますと、瘧痢とはマラリア様疾患をいい、内熱は、陰虚する時は内熱すとあります。虚火とは疲労損傷などのために起こった発熱、炎症、充血等を指し、裏に熱のある状態で虚熱ともいいます。この虚熱の治療には、人参(ニンジン)、黄耆(オウギ)、茯苓(ブクリョウ)等の補剤を用うといわれております。この治法については、とくに漢方治療の妙といわれていまして、「補を以て瀉となす」と称しているのがこれであります。
 六君子湯は、方名が示すように君子の生薬をもって構成されております。この『方函口訣』においては、人参、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓、甘草(カンゾウ)、半夏、橘皮(キッピ)の六味から成り、方名と合致しておりますが、現在の薬方は、人参、白朮(ビャクジュツ)、茯苓、半夏、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、甘草、乾生姜の八味をもって構成されております。
 本方は四君子湯(シクンシトウ)と二陳湯(ニチントウ)の合方といわれています。すなわち、方中の人参、白朮、茯苓、甘草は四君子湯であり、沈退した胃腸の活力を高め、消化吸収をよくする働きがあるといわれ、六君子湯よりも虚証の場合に適しております。一方、二陳湯中の陳皮は、人参、生姜とともに食欲を亢進し、半夏と協力して胃内の湿を乾かします。また半夏は、白朮、茯苓とともに、胃腸内の停水を去り、その活動を高める働きをします。甘草、大棗は、症状の緩解に役立信、甘草はまた潰瘍や炎症を治す薬効を持っております。
 以上のごとく、温和な薬能を持っていますので、全体に虚証であり、とくに胃腸の弱いもので、心下部がつかえて、胃内停水があり、時に嘔吐を伴い、食欲不振を訴え、疲れやすく貧血があり、冷え症などを目標として使用します。香砂六君子湯は、この六君子湯に結うつの気をととのえる作用を有する香附子と縮砂、藿香を加味した薬方であります。香附子は前に述べた通り、気うちを治し、頭痛、腹痛、痙攣にも有効であります。縮砂はショウガ科シュクシャの種子で性は辛、温で芳香性の健胃剤であり、消化不良、腹痛、嘔吐、下痢、奔豚等に用いられます。藿香はシソ科カッコウおよびカワミドリの茎葉で、性は甘、温で芳香性健胃剤であり、解熱の作用もあります。胃のつかえ、嘔吐、食欲不振を治します。この方のほかに丁香柿蒂湯(チョウコウシテイトウ)、養胃等(ヨウイトウ)等に配剤されております。
 香砂六君子湯の薬能としては『方意弁義』によりますと「藿香をもって中気を順行し、香附子をもってうつ結の気をめぐらし、縮砂の辛温の味をもって胃中を温む。この温むるによりて藿香、縮砂を合して胃口を開いて胃口の気を順向し、香附子の結うつの気をめぐらすところも、縮砂の味を得て、その効速かなり」とあります。
 したがって六君子湯の証があって、胃のつかえや重苦しさがさらに強く、時に腹痛を伴い、気分のすぐれない病人に用いる薬方であるといってよいと思います。日常この方の適応症の方が原方である六君子湯よりはるかに上回っておりまして、繁用薬方の座を占めております。
 同じく六君子湯の加味方である繁用薬方の一つに柴芍六君子湯(サイシャクリックンシトウ)がありますが、この方は柴胡(サイコ)と(シャクヤク)を加味したものなので、胸脇苦満と腹直筋の攣急を伴うことなどによって鑑別されます。


『衆方規矩解説』(21) 日本東洋医学会評議員 柴田良治
 本日は、香砂養胃湯(コウシャヨウイトウ)、香砂六君子湯(コウシャリックンシトウ)、香砂二陳湯(コウシャニチントウ)についてお話しいたします。
 香砂とは香附子(コウブシ)と砂仁(シャジン)です。香附子は沙草(シャソウ)ともいい、カヤツリグサの根です。急病の総司といわれ、婦人の薬ともいわれ、気滞による痛み、月経痛、月経不順によく、また上腹部痛で呑酸、嘔吐、噯気、食欲不振などの症状によいのです。砂仁は縮砂(シュクシャ)ともいい、ショウガ科の植物の成熟果実で、健胃作用が著明、下痢を止め、手足を温めて、ほかの薬の力を強める作用があります。香附子と砂仁の組み合わせは、以下に述べるように養胃湯(ヨウイトウ)、六君子湯(リックンシトウ)、二陳湯ニチントウ)に加えますと、胃腸の働きをよくし、もとの薬方の力を強めます。

香砂養胃湯
 香砂養胃湯(コウシャヨウイトウ)は万病回春にある薬です。「脾胃和せず、飲食を思わず、口に味を知らず、痞悶して舒びざるを治す」とあります。食欲がなく、食物の味がわからない、心下につかえてすっきりしないものによいというのです。
 薬味は伽(白朮(ビャクジュツ))、莎(香附子(コウブシ))、砂(砂仁)、蒼(蒼朮(ソウジュツ))、朴(厚朴(コウボク))、貴(陳皮(チンピ))、苓(茯苓(ブクリョウ))、多(白豆蔲(ビャクズク))、参(人参(ニンジン))、木(木香(モッコウ))、甘(甘草カンゾウ))、姜(生姜(ショウキョウ))、棗(大棗)です。
 この薬は胃薬が目標となります。「脾胃寒には氷(乾姜(カンキョウ))、官(肉桂(ニクケイ)を加う」。脾は内臓の機能のことで、冷えて動きが悪いものでは乾姜、肉桂で温めます。「米粉麺食化せざるには曲(神麹(シンギク))、芽(麦芽(バクガ))を加う」。米粉、麦粉から作った食べ物(麺類)が消化しないものには酵素剤である神麹、麦芽を加えます。「生冷瓜菓化せざるには梹(檳榔(ビンロウ))、永(乾姜)を加う」。生ま物、冷たい物、果実、瓜類などを食べて胃の具合が悪い時は、温めて水をめぐらす作用のある檳榔と乾姜を加えます。「胸腹飽悶せば枳(枳殻(キコク))、腹(大腹皮(ダイフクヒ))、葡(羅葡子(ラブシ))を加う」。胸と腹がいっぱいになって苦しい時は健胃作用のある枳殻、大腹皮、羅葡子を加えます。
 食あたりで胃が痛むには木(木香)、実(枳実(キジツ))、益(益智仁(ヤクチニン))を加えます。食あたりで下痢する時は永(乾姜)、梅(烏梅(ウバイ))、 伽(白朮)を加えます。また嘔気、嘔吐する時は藿香(カッコウ))、喬(丁子(チョウジ))、守(半夏(ハンゲ))、梅(烏梅)、永(乾姜)を加えます。
 「按ずるにこの方は平胃散(ヘイイサン)に四君子湯(シクンシトウ)を合し、砂(砂仁)、莎(香附子)、多(白豆蔲)、蜜(木香)を加う。故に湿痰を除き、脾虚を補い、飲食を進む」。蒼朮、厚朴、橘皮(キッピ)、甘草は平胃散、人参、白朮、茯苓、甘草は四君子湯です。したがって胃腸の病的な水分を解き、胃腸の機能を補い、食欲を増進させるのであります。著者は長年の経験からこの薬の使い方を要約して、「胸満ち、清冷として食せず、これ脾胃虚冷して和せず、殊に胃中に寒痰あるなり」といっております。すなわち胸がいっぱいで冷えて食欲がなく、ことに胃の中に冷えた水分がある時はよく、ほかのいろいろの病気でも胸腹の冷えには薬を一時止めてこの薬で食欲が出てから、また元の薬を与えるのがよいのであります。この薬を飲んで胃にさわるような時は、枳(枳実)、朮(白朮)の類の丸薬がよく効きます。枳実丸(キジツガン)は『金匱要略』の枳実湯(キジツトウ)を丸薬にしたもので、胃腸の水のめぐりをよくする作用があります。
 「久瀉日夜五七行、胸冷え不食し咽渇す。参苓白朮散(ジンリョウビャクジュツサン)効あらず、この湯を用いて奇妙を得たり」とありますが、この症例は長く下痢症状が続き、毎日五回から七回の排便があって胸が冷えて食欲がなく、喉が渇くもので、参苓白朮散では無効であったものにこの薬がよく効いたということです。
 参苓白朮散は『和剤局方』にある薬で、胃腸が弱く食物を食べるとすぐに下痢をする、また疲れやすく食欲もない、などといった症状によく効き、老人や大病のあとの胃腸の不調に用います。この症例では無効であったというのは、脾胃の虚がなおひどかったわけで、香砂養胃湯がよく効いたということです。
 条文には繰り返して脾胃の冷えをいっております。それらの多くは、体の冷えと生冷の食物が原因となって起こる食欲不振があるものにこの薬を与える目標があるからです。したがって冬期よりも夏期の暑いころに多く、最近ではクーラーによる冷えとか、冷蔵庫で冷えた果実、清涼飲料水、氷菓類の食べ過ぎによると思われる胃腸の不調、食欲不振にはこの薬は有効です。
 次の例は老年の男子で心下部に痛みがあり、食欲がまったくなく、脈は平和で異常なく、薬を飲むと皆吐いてしまう。数人の医師が手をこまねいていたものに、著者は脾胃の虚冷としてこの薬を与えたところ、一服で嘔吐が止み、五服で食欲が出てきたというものです。また、婦人で食欲がなく胸さわぎして冷え、めまいがし、足が冷え、沈香天麻湯(ジンコウテンマトウ)を与えても効のないものに、この薬を与えてよくなった例があったといっております。
 この薬方のもとになっている養胃湯は、同じ『回春』の痞満門にあり、痞満はみぞおちがつかえるという症状で、この薬の藿香、朮、半夏を考えてみますと、痰の薬である二陳湯の意味があります。嘔吐、嘔気、頭眩、動悸など胃腸の水毒から起こる症状によく、この香砂養胃湯は、前述の薬味の代わりに、人参、蒼朮が入っていて、体に力をつけ、胃腸の働きをよくし、食思を進める作用を強くするように工夫されております。
 矢数道明先生はこの薬の応用について「一、慢性胃腸炎、胸が冷えてつかえ食思が進まず、かぜをひきやすく、夏やせをし、下痢しやすいものに用いる。二、慢性腸炎で心下が空虚で温かな手でさすってもらいたがる、下痢しやすく、腹満、泄瀉するものによい。三、諸病後の食欲不振、熱状が去って、あるいは体熱結して後また腹満、泄瀉するもので、何となく元気のないものに用いる。四、胃腸虚弱の陰萎にこの方がよいことがある。五、肺結核その他体熱がなく、非活動性のものに食を進め体力を補うという意味で用いる」といっております。

香砂六君子湯
 次は香砂六君子湯(コウシャリックンシトウ)です。「脾虚して飲食を思わず、食後に飽悶を致すを治す」とあります。これも『万病回春』の薬で、前方の香砂養胃湯と同じく脾胃の薬ですが、前方と異なり、胃腸の機能が衰えて食欲がなく、食べると後に胸がつかえていっぱいになるといった症状を治すとしております。
 莎(香附子(コウブシ))、伽(白朮(ビャクジュツ))、苓(茯 苓(ブクリョウ))、守(半夏(ハンゲ))、陳(陳皮(チンピ))、多(白豆蔲(ビャクズク))、朴(厚朴(コウボク))、砂(砂仁)、参(人参(ニンジン))、木(木香(モッコウ))、益(益智仁(ヤクチニン)、甘(甘草カンゾウ))、棗(大棗)、姜(生姜(ショウキョ ウ))、で構成されているとなっております。『医学正伝』では、六君子湯に香附子、藿香、砂仁を加えております。この薬との違いは白豆蔲、香附子、木香、益智仁を去って藿香を加えたものです。夏期の暑気あたりによるものによいと思われます。
 「胃口に寒ありて嘔吐やまざるは木(木香)、益(益智仁)を去り、喬(丁子(チョウジ))、藿(藿香)を加う。藿香安胃湯(カッコウアンイトウ)と名づく」。嘔吐の激しいときに用います。「脾泄の者は、食後に飽くに到りて瀉し去れば即ち寛(ゆる)し、脈細。守(半夏)、多(白豆蔲)、蜜(木香)、益(益智仁)を去って、芍(芍薬(シャクヤク))、蒼(蒼朮(ソウジュツ))、藇(山薬(サンヤク))を加う。姜(生姜)、梅(烏梅(ウバイ))ゑ入れ煎じ服す」とあります。脾泄とは腹が張って嘔吐があり、下痢するものをいいます。これは食後につかえるころに、それをすかしてやればよいので、半夏、白豆蔲、木香、益智仁を去って芍薬、蒼朮、山薬という、ゆるく働く薬を加えて服します。
 「腹痛には参(人参)、蕷(山薬)を去って木(木香)、茴(茴香(ウイキョウ))を加う」とあります。腹痛は、圧痛のあるものは実で、ないものは虚と考えられ、実証の場合には木香、茴香を加えるとよいのです。
 「渇せば氷(乾姜)、梅(烏梅)を加う」とは、心下のつかえる時に、嘔気があったり、唾液が出たりするのに、かえって渇があるのは胃腸が冷えているので、乾姜、烏梅を加えて温めると胃腸の機能がよくなります。
 「小水赤短ならば通(木通(モクツウ)、車(車前子(シャゼンシ))を加う」とは尿が赤く回数が多いもので、前項の渇と関係があり、故に水分代謝の異常、尿不利があるわけで、腎炎、膀胱炎などはもちろん、肝障害で食欲不振のあるものにも使う機会があります。「嘔噦悪心には藿(藿香)、守(半夏)を加う」とは嘔吐したり、しゃっくりをしたり、げっぷが出たり嘔気があるもので、これには鎮吐作用の強い藿香、半夏を加えるとよいわけです。
 「夏月には炒連(炒黄連(シャオウレン))、扁(白扁豆(ハクヘンズ))を加う」とは、夏の暑気によって起こる胃腸障害の治法で、から炒りした黄連と白扁豆を加えて治します。「冬月には氷(乾姜)を加え、芍(芍薬)を去る」とは、冬期寒冷の候には冷薬である芍薬を去って温める乾姜を加えるということです。
 「按ずるにこの方は脾胃の虚寒によって損傷を致す者を治功。治例を挙げざるは切に奇効を得るゆえんなり」とあります。この薬は漢方治療医学でもっとも重要な脾胃(消化管)の機能の衰弱を治す薬で、治験例は数多いといっております。次に「守(半夏)、益(益智仁)を去って木(木香)、蒼(蒼朮)を加うれば、則ち前にいわゆる香砂養胃湯」とあります。前節の香砂養胃湯との薬味の違いは木香、蒼朮と半夏、益智仁が入れ代わったものです。したがって香砂六君子湯は食べた後につかえたり、嘔気のあるものによく、香砂養胃湯は食欲のない場合によいのであります。
 『内科適応』にある原文では、「脾胃が虚弱で宿食があり、湿をかね飲食が進まず、嘔吐、悪心あるいは泄痢の後、脾胃ととのわず、あるいは風寒病の後、余熱退かず、咳嗽止まず、気力弱きものを治す」とあり、『勿誤薬室方函』には「香附子、砂仁の働きは胃を開く作用だけで、これだけでは効果は少ないが、平胃散(ヘイイサン)に加えて香砂平胃散(コウシャヘイイサン)にすると、食物の消化の力を速やかにし、六君子湯に加えて香砂六君子湯にすると胃を開く作用が強くなる。老人、虚人で食後になると眠くなり、頭も重く、手足がだるくなり、気の塞がるものにこの方がよい。なおひどいものには半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)がよい」といっております。
 『方意弁義』にはさらに詳しく、「この薬は胃の気を助けて胃中結滞の気をめぐらし、胃口を温めて開く剤である。その上、この方中には別に穀類を消化す識薬味は入っていないが、中焦にて水穀の消化を推進する意味がある六君子湯から作られた薬であるから、脾胃の弱いところを補うという意味を離れない。その中に脾胃が弱って宿食あるものをもっぱら治功。こと宿食は、何か特別なものを食べて起こる宿食ではなく、脾胃がもともと弱いために平常にはよい食物もこなれないで滞るという宿食である。食べ過ぎからくる食物の滞り、消化不良には六君子湯だけでは治療はむずかしい。食欲がなくて食べないもの、胃口が小さくなって食べないもので、このような症では、患者は食べたいが、食物に向かうとそれほど食べることができない。その時にはこの方がよい。また食を好まぬものは、脾胃の虚が甚だしいためである。このようなものに用いてはいけない。嘔吐は脾胃の働きが悪くて、胃の入口が絞むから嘔吐するのである。一切の病後は脾胃の働きが弱いのである。これは皆病気の間に病邪に攻められて脾胃の力が弱くなるもので、しばらくの間の病気でも同じように苦しみの結果、気力の弱まるものである。この薬を用いて胃口を開くのよい。また同じく藿香をもって中気を循行し、香附子をもってうっ結の気をめぐらし、縮砂の辛温の味をもって胃中を温める。温めることによって、藿香、縮砂(シュクシャ)と合して胃口を開いて気をめぐらす。その効は速やかである」といっております。
 矢数道明先生は、この薬の応用について、「慢性胃腸炎、常に胃腸が弱く、下痢しやすく、冷え症で食欲のないもの。胃アトニー症。胃内停水があり、食欲がなく、食後胃にもたれ、あるいは嘔吐するものによい。胃潰瘍では吐血が止んで後、徐々に与えてよい。胃癌では末期に至らないうちにこの方で苦痛を軽快させることができる。病後食欲不振には、諸病の熱が去って病勢がおさまり回復期に用いる。養生薬としては虚弱者、老人、中風の養生によい。慢性腹膜炎、腹水無熱のものに奏効するものがある」といっております。

■香砂二陳湯
 次は香砂二陳湯(コウシャニチントウ)です。「生冷、瓜桃、水菓、海味、魚腥、一応の寒物に傷られ、胸中痞満するを治す。陳(陳皮(チンピ))、莎(香附子(コウブシ))、苓(茯苓(ブクリョウ))、守(半夏(ハンゲ))、砂(砂仁(シャジン))、曲(神麹(シンギク))、甘(甘草(カンゾウ))。右姜(生姜(ショウキョウ))、を入れ煎じ服す」とあります。この方の出典は正確なところは不明です。生の冷たい瓜、桃、果実類、魚の刺身などの冷たいものを食べて、それが原因となって胸の中やみぞおちがつかえて苦しむものを治すとなっております。
 「按ずるにこの方傷食の主薬なり。もっとも能く食を消す。予連年この湯を与えて奇効を取ることあげて教えがたきものなり」。飲食物の食べ過ぎや、悪い食物によって起こる胃腸の不調によく効く薬で、これでよくなった症例は多いといっております。
 この薬は著者の創製と考えられ、二陳湯(ニチントウ)に香附子、砂仁、神麹を加えたものです。
 二陳湯は、『和剤局方』によりますと、「痰飲により嘔気、嘔吐があり、めまい、動悸がして、上腹部につかえがあり、あるいは熱が出て悪寒する。生のものや冷たいものを食べて胃腸の不調を起こしたものを治功」とあります。
 『牛山方考』には「この方は痰飲を治す聖剤であり、諸々の痰を治す薬方は皆この方に加減したものが多い。一切の痰飲が変化して百病となるを治す妙剤である」とあります。痰飲は今の考えでいいますと、肺、胃腸の水の不調であり、心、肺、上気道の炎症をはじめ、神経痛まで含んで、痛み、凝りなどを指していると考えられます。
 『餐英館療法雑』には「この方は諸痰を治する総司の故に、諸方書にこの変方多し。枳縮二陳湯(キシュクニチントウ)、諸の導痰湯(ドウタントウ)、順気和中湯(ジュンキワチュウトウ)など多くの処方がある。順気和中湯(ジュンキワチュウトウ)など多くの処方がある。痰は血滞による瘀濁で、あるいは痞をなし或いは痛みをなし、或いは頭痛、眩暈、寒熱などの症状を現わし、また背心一点に冷を感じ、或いは夢見が悪く、或いは腹内から煙のごとく気の上るのを感じ、或いは顔面が急に熱くなり、或いは胸さわぎがしたり、驚きやすく、その他いろいろな奇怪な症状があって、変化きわまりないものに、この方を加減出入して用いる。
 痰をかもし出すものは何かと考えると、気から生ずるもの十中七八である。『三因方』には七情(喜、怒、憂、思、悲、恐、驚の精神作用)によるものを内因とし、六淫(風、雨、寒、暑、湿、燥)より生ずるものを外因としている。余これを今日試みるに、気滞から痰を生ずる証が非常に多い。この理由を考えてみると、平和が続いて日に不義に馳せ、月に奢侈に流れ、財用常に不足にて情をほしいままにし、欲を止めることができず、そのため憂うつになる人が多い。血は気に従ってめぐるものである。気がめぐらなければ血もめぐらず。この故に滞って痰となる。婦人は男子に比べて気滞が多い。故に古人は婦人はもともと熱気の病が多いといっている。このような証は二陳湯に順気を加減して用いるとよい。
 余は二陳湯に香附子、枳殻(キコク)、牡蛎(ボレイ)、木香(モッコウ)、白芥子(ビャクガイシ)、旋覆花(センプクカ)を加えて、百中煎(ヒャクチュウセン)と名づく。気うつで痰飲を生じ、肩背強直、心下痞満、或いは短気、心胸刺痛して息がつまり、或いは腹中に水音のするもの、或いはからえずき、酸水を吐す等に用いて奇効がある。しかし気のうっ滞による病は、月を重ね、年を積んで発して気滞の病いを生ずるほどに、性愚かなる人であるから少なくとも意に逆らい、少しも新しまないことがあるから、なお激しくなる。したがって即効というわけにはいかない。一旦はよくなったかと思うと時には悪くなる。しかし薬方を変えてはいけない。その人にはよく理由を話して気うつしないように諭して長い間続けて服用して、始めて効くことがある」といっております。
 この二陳湯は、胃腸の働きをよくする香附子、砂仁と消化をよくする神麹を加えたものですから、食物によって起こった胃腸の不調、とくに果物や、氷菓(アイスクリームなど)、生のもの(刺身類)にあったたり、食べすぎなどで胃がつかえたり、消化が悪い時に用います。本書の著者のいう通り、よく効く薬方です。

※一旦はよくなかったと思うと時には悪くなる とあるが文の意味が通じず、間違いだと思われるので、
  一旦はよくなったと思うと時には悪くなる に訂正した。



一般用漢方製剤承認基準
84.香砂六君子湯 
〔成分・分量〕 人参3-4、白朮3-4(蒼朮も可)、茯苓3-4、半夏3-6、陳皮2-3、香附子2-3、大棗 1.5-2、生姜0.5-1(ヒネショウガを使用する場合1-2)、甘草1-1.5、縮砂1-2、藿香 1-2

〔用法・用量〕 湯

〔効能・効果〕 体力中等度以下で、気分が沈みがちで頭が重く、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞ おちがつかえて疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症: 胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐




【添付文書等に記載すべき事項】
 してはいけないこと 
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
次の人は服用しないこと
生後3ヵ月未満の乳児。
〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕


 相談すること 
 1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること

(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。 
(3)高齢者。 
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕 
(4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。 
(5)次の症状のある人。
   むくみ 
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕 
(6)次の診断を受けた人。
   高血圧、心臓病、腎臓病 
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕

2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること


関係部位症状
皮膚発疹・発赤、かゆみ

まれに下記の重篤な症状が起こることがある。その場合は直ちに医師の診療を受けること。

症状の名称症状
偽アルドステロン症、
ミオパチー
手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。

〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕

3.1ヵ月位(消化不良、胃痛、嘔吐に服用する場合には1週間位)服用しても症状がよくならな
い場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
4.長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕


〔用法及び用量に関連する注意として、用法及び用量の項目に続けて以下を記載すること。〕
(1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させること。
  〔小児の用法及び用量がある場合に記載すること。〕
(2)〔小児の用法がある場合、剤形により、次に該当する場合には、そのいずれかを記載す
ること。〕
1)3歳以上の幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく
注意すること。
 〔5歳未満の幼児の用法がある錠剤・丸剤の場合に記載すること。〕
2)幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意すること。
 〔3歳未満の用法及び用量を有する丸剤の場合に記載すること。〕
3)1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ
服用させること。
 〔カプセル剤及び錠剤・丸剤以外の製剤の場合に記載すること。なお、生後3ヵ月未満の用法がある製剤の場合、「生後3ヵ月未満の乳児」を してはいけないこと に記載し、用法及び用量欄には記載しないこと。〕

保管及び取扱い上の注意
(1)直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること。
  〔( )内は必要とする場合に記載すること。〕
(2)小児の手の届かない所に保管すること。
(3)他の容器に入れ替えないこと。(誤用の原因になったり品質が変わる。)
  〔容器等の個々に至適表示がなされていて、誤用のおそれのない場合には記載しなくて
もよい。〕


【外部の容器又は外部の被包に記載すべき事項】
注意
1.次の人は服用しないこと
  生後3ヵ月未満の乳児。
  〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。〕

2.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(3)高齢者。
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
(5)次の症状のある人。
    むくみ
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
(6)次の診断を受けた人。
   高血圧、心臓病、腎臓病
  〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。〕
2´.服用が適さない場合があるので、服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
  〔2.の項目の記載に際し、十分な記載スペースがない場合には2´.を記載すること。〕
3.服用に際しては、説明文書をよく読むこと
4.直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること
  〔( )内は必要とする場合に記載すること。〕

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